看護師として働く中で、責任の重さや労働の厳しさに比べて、報酬が見合っていないと感じる看護師が増えています。何も行動しなければ心身ともに負担が増え、収入も上がりません。この記事では、給料に不満を感じる理由と収入アップの方法を紹介します。
記事を読めば、自分に合った給料アップの方法が見つかり、充実した看護師生活を送れます。看護師の給料を上げるには、資格取得やキャリアアップ、転職などの方法が効果的です。自分に合った方法を選び、計画的に実行すれば、給料アップの可能性が高まります。

給料に不満を持っていても行動しなければ状況は変わりません。ぜひこの記事を行動のきっかけにしてください。
看護師の給料が割に合わないと感じる理由


看護師が給料に不満を感じる主な理由は以下のとおりです。
- 命に関わる責任が大きい
- 体力的な負担が大きい
- 夜勤や不規則な勤務が多い
- 昇進や昇給の機会が少ない
- 時間外勤務手当がつかない
命に関わる責任が大きい
看護師の仕事は、患者の命を預かる重要な責任があります。医療ミスが患者の命に直接影響を与える可能性があるため、常に緊張感を持って業務に取り組まなければなりません。患者の状態を正確に観察し、異変を見逃さないことや、医師の指示通りの正確な投薬、処置が求められます。



自分の判断ひとつで人の命を左右することもあります。多くの看護師が今の給料で満足できないのは仕方ないですね。
緊急時に迅速かつ適切な判断と対応を行い、感染症対策を徹底して自身と患者の安全を守ることも看護師の責任です。看護師は単なる医療補助ではなく、患者の命を守る重要な役割を担っています。高度な専門知識と技術、強い責任感が必要です。
体力的な負担が大きい


看護師の仕事は体力的負担が大きい仕事です。長時間の立ち仕事や重い患者の移動など身体に負荷がかかる作業が多く、作業を繰り返すことで腰痛や筋肉痛のリスクが増します。感染症やけがの危険性も常に伴うため、緊張状態が続きます。
不規則な勤務シフトでは十分な休息が取れず、体力的な負担を軽減できません。患者の急変や緊急時の対応など、予期せぬ事態への即座の対応も求められます。



起き上がるのが困難な患者さんも多いので、意外と力仕事も多いです。
夜勤や不規則な勤務が多い
多くの看護師が、夜勤や不規則な勤務によるストレスや健康への影響を訴えています。夜勤や不規則な勤務が続くと、身体的・精神的な負担が大きく、家族や友人と過ごす時間を確保しにくいことも問題です。夜勤手当は支給されるものの、金額が負担に見合わないと感じる看護師が多いのが現状です。
夜間は緊急対応や患者の急変が発生しやすく、業務の緊張感やストレスが高まります。シフト制の勤務では長期休暇の取得が難しく、休憩時間さえ十分に取れない場合もあります。疲労が蓄積し、仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼしかねません。
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緊張感の高い仕事を、夜中に行うストレスと疲労感は大きいです。私も夜勤をこなしますが、「命を削ってるなぁ」と毎回感じています。
昇進や昇給の機会が少ない


昇進や昇給の機会が少ないことは深刻な課題で、看護師の給料が割に合わないと感じる理由の一つです。多くの病院では、昇進や昇給の基準が不明確で、経験年数に応じた自動的な昇給も少ないのが現状です。管理職のポストが限られているため、キャリアアップの機会も限られています。
スキルが評価されず、給与が変わらないことも問題です。病院の経営状況によっては昇給が抑えられる場合もあり、公立病院では給与の固定化が進んでいる傾向にあります。看護師間の競争意識が低く、昇進への意欲が生まれにくい環境も課題です。
中小規模の病院では、昇進の機会がさらに限られており、キャリアアップを目指す看護師にとって厳しい状況です。昇進や昇給の機会が少ない環境が、看護師の給料に対する不満につながっています。



公益社団法人全日本病院協会の調査によると、2023年の常勤看護師の平均定期昇給額は3,898円です。
時間外勤務手当がつかない
時間外勤務手当が支給されないと、給料が割に合わないと感じます。時間外勤務手当の対象外となる可能性が高いのは、管理職手当や役職手当が支給される場合です。変形労働時間制を採用している医療機関では、一定の残業時間が通常の給与に含まれることが多くなります。
みなし残業制を導入している職場では、実際の残業時間に関わらず固定の残業代が支給されます。労働基準法で適用除外となる管理監督者は、時間外勤務手当の対象外です。サービス残業が慣習化している医療機関も多いため、注意が必要です。
看護師の給料の現状


看護師の給料は、地域や勤務先によって大きく異なります。看護師の給料の現状を、以下の内容でご紹介します。
- 看護師の平均年収と月収
- 地域や病院規模による給料の違い
- 他の医療系職種との比較
看護師の平均年収と月収
看護師の平均年収は約508万円、月収は約35万円です。経験年数や勤務先によって大きく異なります。新人看護師の平均年収は約350万円ですが、10年以上の経験を積むと約500万円に達します。看護師長クラスになると、年収は約600万円にまで引き上げられることが一般的です。
勤務先による違いでは、大学病院勤務の看護師は平均年収が約500万円と高めです。民間病院では約420万円、診療所勤務では約380万円となっています。夜勤手当も収入を左右する重要な要素です。夜勤1回当たり5,000〜10,000円が支給されるため、夜勤の回数が多いほど年収を増やせます。
給与は地域や病院規模、経験年数によって変動します。自分の状況に応じた給与の相場を把握し、キャリアプランを立てましょう。
地域や病院規模による給料の違い


看護師の給料は、都市部は地方よりも高給で、東京や大阪などの大都市圏では高水準の給料が期待できます。病院の規模も影響し、大規模病院ほど給料が高い傾向です。病院の種類によっても給料に差があり、公立病院より私立病院、大学病院の方が給料が高くなります。
診療科によっても差があり、救急や手術室のような部門は高給です。中小規模の病院や診療所、介護施設などでは、給料が低めになる傾向があります。給料の違いは基本給だけでなく、夜勤手当や特殊勤務手当が支給されるかで、実質的な給与に差が生じます。
都市部でも、23区内と郊外では給与水準に違いがある点も注目しましょう。給料をアップさせるには、地域や病院の規模、手当などの内容を考慮しながら職場を選ぶことが重要です。自分に合った働き方を見つけましょう。



都市部の方が給料は高いですが、それ以上に生活コストがかかる可能性もあります。出費とのバランスを考えることも重要です。
他の医療系職種との比較
看護師の給料は、他の医療系職種と比較すると中程度の位置です。医師や薬剤師よりは低いものの、多くの医療系職種よりも高い傾向にあります。医師の平均年収は1,000万円以上と、看護師を大きく上回ります。薬剤師も600〜700万円程度で、看護師より高水準です。
放射線技師は450〜550万円程度で、看護師とほぼ同等かやや高い水準にあります。理学療法士や作業療法士は400〜500万円程度と、看護師とほぼ同等かやや低めです。臨床検査技師も400〜450万円程度、介護福祉士・歯科衛生士も看護師より低収入で、平均年収は300〜400万円程度です。
看護師の給料は医療系職種の中でほぼ中間ですが、業務の責任の重さや勤務形態の厳しさを考えると、十分ではありません。給料を上げるには、キャリアアップや転職を視野に入れましょう。
看護師が割に合わない給料を上げる方法


看護師の給料を上げるための効果的な方法は、以下のとおりです。
- 資格を取得してキャリアアップする
- 管理職への昇進を目指す
- 夜勤専従になる
- 副業で収入源を増やす
- 給料が高い職場へ転職する
資格を取得してキャリアアップする
資格を取得すれば、看護師としてのキャリアアップや収入アップが期待できます。専門性を高めれば、高度な医療に携わる機会が増え、給与の上昇につながります。ただし、資格の取得には時間や費用がかかるため、自分のキャリアプランに合わせて選びましょう。キャリアアップにつながる資格は、以下のとおりです。
- 専門看護師(CNS)や認定看護師
- 特定行為研修の修了
- 緩和ケア認定看護師
- 救急看護認定看護師
- 感染管理認定看護師
- 糖尿病看護認定看護師
- 皮膚・排泄ケア認定看護師
- がん化学療法看護認定看護師
看護管理者認定証や医療安全管理者資格を取得すれば、管理職へのキャリアアップも可能です。診療情報管理士や医療通訳士といった看護以外の分野の資格を取得すると、活躍の場を広げられます。資格取得は、自己研鑽の機会にもなります。看護の質を向上させるために、新しい知識や技術を習得しましょう。
管理職への昇進を目指す


管理職への昇進は、看護師が収入を大幅に増やす効果的な方法です。基本給の上昇や役職手当の付与など、給与面での待遇が改善されるため、キャリアアップにもつながります。管理職を目指すには、リーダーシップやコミュニケーション能力、経営・財務の基礎知識といったスキルが必要です。
組織マネジメント力や問題解決能力も身に付ければ、管理職としての実務能力が高まります。スキルを磨く方法は、院内外の研修や講習会への参加、知識を深めるための管理職向けの書籍を読むことなどが挙げられます。先輩管理職からアドバイスを受けたり、プロジェクトリーダーとして経験を積んだりするのも効果的です。



管理職への昇進は確実な収入アップのチャンスです!自分のスキルを磨きつつ経験を積むことで、より多くのチャンスをつかめます。
夜勤専従になる
夜勤専従になれば、看護師の収入を大幅に増やせます。夜勤手当は通常勤務よりも高く設定されているため、月収アップが期待できます。日中の時間を自由に使え、落ち着いた環境で働ける点もメリットです。一方で、体力的・精神的な負担が大きく、健康管理には注意が必要です。
生活リズムが乱れやすく、慣れるまでに時間がかかる場合もあります。夜勤専従が自分の体力や生活スタイルに合うかを慎重に考えることが大切です。病院によっては、夜勤専従者向けの特別な手当や休暇制度を設けているため、条件をしっかり確認しておきましょう。
» 看護師の夜勤の仕事内容と雇用形態、メリット、デメリットを解説
副業で収入源を増やす


副業で収入を増やすことは、看護師にとって有効な選択肢の一つです。看護師の専門知識や経験を活かせる副業が多いため、自分に合った方法を見つけられます。看護師の副業には、医療や健康に関するライティング業務や、患者の相談に対応するオンラインカウンセリングがあります。
健康関連商品のアフィリエイトや医療通訳、看護師向けの個別指導などは、専門スキルを活かせる副業として人気です。副業を始める際は、勤務先の規定を確認し、本業に支障が出ないよう時間管理を徹底することが大切です。無理のない範囲で取り組めば、安定して収入を増やせます。
副業を通じて新しいスキルを身に付けたり、人脈を広げたりすると、将来のキャリアアップにもつながります。自分の可能性を広げるきっかけとして、前向きに取り組んでみましょう。
» 副業禁止の会社でも副業バレしないポイント!



私の場合、副業で安定した収入アップができたおかげで、看護師の仕事に対して「割に合わない」という概念がなくなりました。
給料が高い職場へ転職する
給料が高い職場への転職は、看護師が収入を上げる効果的な方法です。民間企業の健康管理室などへの転職も選択肢の一つです。看護師紹介会社を利用すると、高給の求人情報を効率的に集められます。給料の高い職場は、以下のような環境です。
- 大手病院や高度医療機関
- 都市部の医療機関
- 夜勤や土日祝日勤務が多い職場
- 専門性の高い部署
- 訪問看護ステーション
転職活動では、保有資格や経験をしっかりアピールし、高評価を得ることが大切です。面接時に給与や待遇についての交渉も行いましょう。給与だけでなく、福利厚生や休暇制度などの待遇面も考慮し、総合的に判断してください。自分に合った職場を選べば、収入アップとともにやりがいを感じられます。
» 働きながら転職活動を行うメリット・デメリットと成功のポイント
看護師が割に合わない給料を転職で上げるときのポイント


看護師の転職で給料を上げるためには、以下のポイントが重要です。
- 求人情報の給与内訳を確認する
- 労働環境を自分の目で確認する
- 転職エージェントを活用する
求人情報の給与内訳を確認する
転職後の収入を正確に把握するために、求人情報の給与内訳を細かく確認しましょう。基本給や諸手当、賞与が給与全体にどう影響しているかを調べます。看護師の仕事は夜勤や残業が多いため、夜勤手当や残業代の計算方法も確認してください。将来的な収入の見込みを判断できるため、昇給や昇格の制度も把握しましょう。
退職金や年金制度、福利厚生の内容もしっかり確認し、給与以外の待遇面も理解することが重要です。給与形態(月給制、時給制など)や試用期間中の給与条件、給与の支給日も事前に確認しましょう。税金や社会保険料の控除額も考慮し、実際の手取り額を計算しておくと安心です。



可能であれば、昇給率や退職金の計算方法なども確認しましょう。長期的な視点で収入の満足度を判断できます。
細かく確認すれば、転職後の収入や待遇を正確に把握できます。求人内容が自分の希望条件に合っているかをしっかりと判断し、納得のいく転職を目指しましょう。
» 看護師の転職タイミングとは?理想の職場の探し方
労働環境を自分の目で確認する


転職先を選ぶ際は、労働環境を自分の目で確認することが重要です。実際に職場を訪れると、求人情報だけではわからない現場の雰囲気や実態を把握できます。職場見学や面接の機会を利用して、以下の点に注目しましょう。
- スタッフの様子や雰囲気
- 勤務シフトや休憩時間
- 設備や機器の状態
- 患者数や看護師の配置状況
- 残業の頻度や時間外労働
現場の看護師に直接意見を聞くことも有効です。現場の生の声は、職場の実態を知るうえで貴重な情報源となります。労働条件と給与が釣り合っているかも重要です。高給与を謳っていても、実際には労働環境が過酷な場合もあるため、注意が必要です。
福利厚生や休憩スペースの状態も確認し、働きやすさを総合的に判断してください。自分の目で現場を確かめれば、転職後のミスマッチを防ぎ、満足度の高い職場を選べます。給与面だけでなく、働きやすさや環境も含めて検討しましょう。



転職エージェントを利用すると、職場の内情やリアルな雰囲気を聞くことができるのでオススメです。
転職エージェントを活用する
転職エージェントの活用は、看護師が給料アップを目指すうえで有効な手段です。看護師専門のエージェントは豊富な求人情報を持っているため、希望条件に合った職場を効率的に見つけられます。エージェントのサービスには、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策、給与交渉のサポートが含まれています。
非公開求人や転職市場の動向、給与相場の情報を得ることができるので、転職活動を効率よく進められる点も魅力です。多くのエージェントは無料で利用でき、複数のサービスを併用すれば、多くの選択肢を得られます。転職活動をスムーズに進めたい場合は、看護師専門のエージェントを選ぶことをおすすめします。



私も転職エージェントを利用して転職で収入アップを実現しました。先方との日程調整や条件交渉を代行してくれたので、当初の提示よりもさらに好条件で転職できました。
転職後のアフターフォローを行うエージェントもあるため、長期的なキャリア形成に有効です。転職エージェントを上手に活用すれば、希望の条件に合った高給与の職場が見つかる可能性が高まります。
» 看護師が転職エージェントを利用するメリットとおすすめの選び方
看護師の割に合わない給料に関するよくある質問


看護師の給与に関する疑問は、以下のとおりです。
- 看護師の給料に地域差があるのはなぜ?
- 給料が高い看護師の職場はどこ?
- 男性看護師と女性看護師で給料の差はある?
看護師の給料に地域差があるのはなぜ?
看護師の給料に地域差があるのは、生活費や経済状況、需給バランスなどが地域ごとに異なるためです。都市部では物価が高く生活費もかさむため、給料が高い傾向にあります。一方、地方では物価が安く、都市部ほどの高給与は期待しづらいです。看護師の需給バランスも給料に影響します。
人手不足の地域では、待遇を良くして人材を確保しようとするため、給料が高くなりやすいです。看護師が充足している地域では給料が抑えられる傾向にあります。
病院の規模や経営状況も重要な要因です。大規模な病院や経営が安定している病院では、高い給料を支払える余裕があります。逆に、小規模な病院や経営状態が厳しい施設では、給料を抑えている可能性があります。
地域の医療政策や補助金の違いも要因の一つです。医療に力を入れている地域では、補助金が看護師の待遇改善に使われ、給料に差が生じる場合があります。給料アップを目指すなら、条件の良い地域や職場を選びましょう。
給料が高い看護師の職場はどこ?


給与は、専門性の高さや勤務条件、地域によって異なります。訪問看護ステーションでは、患者の自宅で高度な判断力と技術が求められるため、高い給与が設定される傾向にあります。美容クリニックも、美容医療の専門性と顧客対応スキルが必要なため、一般的な病院より高給です。
大学病院では、専門知識と高度な医療技術が求められる分、給与水準も高めです。従業員の健康管理を担当する企業内診療所では、予防医学の知識が重視されます。企業によっては、福利厚生として高い給与を提示している場合があります。透析クリニックでは、専門技術が必要な透析治療を行うため、スキルに合った給与設定であることが特徴です。
男性看護師と女性看護師で給料の差はある?
基本給は性別に関係なく、同じ基準で決められる場合が一般的ですが、実際の収入にはわずかな違いが生じます。男性看護師は夜勤や残業を引き受ける割合が高く、収入が増える可能性が高いからです。管理職に就く割合も男性の方が高いため、長期的には給与差が生じる場合もあります。



私がこれまで勤務した職場も、必ずと言っていいほど管理職や役職に男性看護師がいました。女性の師長なども多いですが、割合から見れば男性の昇進率は高いと言えます。
女性看護師の収入には、出産や育児によるキャリアの中断も影響します。男性看護師の給料アップには、転職や異動に積極的であることが要因の一つです。ただし、最終的に収入を左右するのは個人の能力や実績、勤務態度です。公平な評価システムを持つ医療機関では、性別による給与差はほとんどありません。
まとめ


給料が割に合わないと感じる現状や理由を理解し、収入を増やす方法を知れば、自分に合った対策を取れます。キャリアアップや転職、副業など選択肢は多いので、状況や希望に合わせて最適な方法を選びましょう。やりがいや労働環境も含めて総合的に判断できれば、看護師として働き続けながら、待遇を改善できます。
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