看護師として働いていると、キャリアアップについて考え始める人もいます。
看護師にもさまざまなキャリアアップの方法がありますが、関連する資格を取得するのはキャリアアップにおいて非常に有効な手段です。
本記事ではキャリアアップに有利な資格をジャンル別に解説します。この記事を読めばキャリアアップの具体的な方法と、資格取得のポイントが理解できるでしょう。
「どんな資格があるんだろう」
「資格を取得するのは難しいのかな?」
資格を取得してキャリアを高めたいと考えている方は、ぜひ最後までチェックしてみましょう。
» 【看護師長になると年収が下がる?】原因や収入アップのポイントを解説
看護師の基本的なキャリアアップは2種類
看護師の基本的なキャリアには「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」があります。
両者の違いを詳しく解説します。
スペシャリスト
スペシャリストとは特定の分野で専門性を高めた看護師を指します。
スペシャリストであることを証明する指標としては、専門や認定看護師の取得や診療科、対象にスポットを当てた資格の取得が一般的です。
数日で習得可能な資格もあれば、年単位で計画が必要な資格もあります。
特定の分野でキャリアアップしたい看護師は、スペシャリストを目指すのが良いでしょう。
ジェネラリスト
スペシャリストに対して、幅広い知識と経験を持つ看護師がジェネラリストです。さまざまな診療科や部署、職場で積んだ知識や経験をもとに臨機応変に対応できる看護師と言えます。
ジェネラリストとしてキャリアアップしたい看護師は、診療看護師や短期間で取得できる資格を取得して幅広い知識を持っておくと良いでしょう。
【病院編】看護師のキャリアアップに有利な資格7選
病院に勤務する看護師のキャリアアップに有利な資格を7つご紹介します。
- 認定看護師
- 専門看護師
- 特定行為研修
- 診療看護師
- 認定看護管理者
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 保健師
認定看護師
認定看護師とは特定の分野で質の高い看護の実践、相談、指導を行うために必要な知識を有している看護師です。
認定看護師における各分野を以下の表にまとめました。
A課程(2026年で終了予定) | B課程(2020年から開始) |
---|---|
救急看護 | クリティカルケア(救急・集中ケアが統合) |
集中ケア | 緩和ケア(緩和ケア・がん性疼痛看護が統合) |
緩和ケア | がん薬物療法看護 |
がん化学療法看護 | がん放射線療法看護 |
がん放射線療法看護 | 乳がん看護 |
がん性疼痛看護 | 感染管理 |
訪問看護 | 呼吸器疾患看護 |
皮膚・排泄ケア | 在宅ケア |
感染看護 | 手術看護 |
糖尿病看護 | 生殖看護 |
透析看護 | 新生児集中ケア |
不妊症看護 | 小児プライマリケア |
新生児集中ケア | 心不全看護 |
手術看護 | 腎不全看護 |
乳がん看護 | 糖尿病看護 |
摂食・嚥下障害看護 | 摂食・嚥下障害看護 |
小児救急看護 | 認知症看護 |
認知症看護 | 脳卒中看護 |
脳卒中リハビリテーション看護 | 皮膚・排泄ケア |
慢性呼吸器疾患看護 | |
慢性心不全看護 |
現行の認定看護の分野はA過程21分野で2026年で教育が終了予定、2020年から新たに教育開始となった認定看護はB過程19の分野となっています。
認定看護師の主な要件は以下の表にまとめています。
条件 | 看護師臨床経験が5年うち、取得したい分野の実務経験3年以上 |
期間 | 半年〜1年 |
費用 | 入学金、受講料など100万円以上 |
認定看護師教育機関 | 認定看護師教育機関検索 |
認定看護師の取得は質の高い看護実践はもちろんのこと、院内でのコンサルテーションや看護師への教育が主な役割です。
専門看護師
専門看護師とは専門分野で質の高い看護の実践、相談、倫理教育に加え、地域での調整や研究を行うために必要な知識を持つ看護師のスペシャリストです。
13の専門分野に分類されており、研究を行うことで看護学の発展にも寄与することが期待されています。
専門看護師の分野 |
---|
がん看護、精神看護、急性・重症患者看護、小児看護、慢性疾患看護、老人看護、地域看護、母性看護、感染症看護、家族支援、災害看護、遺伝看護、放射線看護 |
専門看護師になるための条件や期間、費用は以下のとおりです。
条件 | 看護師臨床経験が5年 取得したい分野の実務経験3年以上 |
期間 | 最低2年(大学院の修士課程修了) |
費用 | 入学金、学費、受験料など200万円以上 |
専門看護師教育機関 | 認定看護師教育機関検索 |
専門看護師は大学院で修士課程を修了する必要があるため仕事との両立はハードルが高く、在学中は休職するのが一般的です。
働きながら専門看護師を目指す人は、「長期履修学生制度」がある教育機関を選択する必要があります。
特定行為研修
特定行為研修とは医師の判断が必要な処置を、手順書に基づき看護師が実践できる技能や知識を学ぶ研修です。
手術や外来で医師がすぐに対応できなくても、特定行為研修を受けた看護師であれば患者さんに必要な処置を迅速に行うことができます。
特定行為の区分と行為数は21区分38行為で、特定区分単位で研修を受けるか、パッケージ化されている特定行為の研修を修了し試験に合格することで修了証が交付されます。必要な特定行為の研修はまとめて受講可能です。
現在パッケージ化されている研修は以下のとおりです。
- 在宅・慢性期領域
- 外科術後病棟管理領域
- 術中麻酔管理領域
- 救急領域
- 外科系基本領域
- 集中治療領域
特定行為研修を受けるための条件や費用、期間は以下のとおりです。
条件 | 看護師としての臨床経験3年〜5年が望ましい |
期間 | 1年間 |
費用 | 入学金、受講料、受験料など30万円〜250万円(区分やパッケージにより異なる) |
特定行為研修教育機関 | 看護師の特定行為研修制度ポータルサイト |
特定行為研修はeラーニングでの個別受講と集合研修が主であり、必要な実習は勤務する施設でも可能なので、働きながらでも取得しやすいのが特徴です。
診療看護師
診療看護師とは医学の知識と初期医療の実践を学び、一定の診療を行える看護師のことです。
診療看護師は院内で作成された手順書をもとに、21区分38行為の特定行為のほか、医師の直接的指示を受け相対的医療行為を行えます。
条件を満たしていれば、診察や薬の処方も可能です。医師のような仕事もこなす、看護師の最高峰といえる資格ですね。
医師のサポートを行いつつ、看護の視点を持ち看護師との架け橋になれるのが診療看護師です。
条件 | 看護師としての臨床経験が5年以上 |
期間 | 最低2年 |
費用 | 入学金、受講料など200万円以上 |
認定看護師教育機関 | 一般社団法人 日本NP教育大学院協議会 会員校 |
診療看護師は大学院での修士課程を修了する必要があります。最低でも2年間は休職しなければなりませんが、仕事の幅が広がりキャリアアップが確実にできる資格です。
認定看護管理者
認定看護管理者は質の組織的に質の高い看護を提供するために、看護管理者のマネジメントや看護の維持向上を目的とした管理者向けの資格です。
看護師長、看護部長といった役職者へステップアップを目指す人は必須の資格と言えるでしょう。
要件は以下のとおりです。
条件 | 看護師としての臨床経験が5年うち、師長以上の管理者としての実務経験が3年以上 |
期間 | ファーストレベル105時間 セカンドレベル180時間 サードレベル180時間 |
費用 | 入学金、受講料など100万円以上 |
認定看護師教育機関 | 認定看護師教育機関検索 |
管理者としてさらにキャリアアップしたい人は、認定看護管理者の資格取得がおすすめです。
3学会合同呼吸療法認定士
ICUや救命センター病棟、呼吸器内科病棟など呼吸療法を必要とする患者に関わる看護師におすすめなのが3学会呼吸療法認定士です。要件は以下のとおりです。
条件 | 看護師としての臨床経験が2年以上 呼吸療法認定学会が認める講習会や学会への参加 |
期間 | 講習会参加の場合は2日間のみ eラーニングでも可能 試験は例年12月に一回 |
費用 | 受講費と試験料3万円〜4万円 |
詳細 | 3学会呼吸療法認定士 |
講習会は現在eラーニングでも受講可能ですが、試験会場は東京のみなので注意しましょう。
受講後は呼吸療法について深い知識を得られるとともに、呼吸リハビリテーションや排痰ケアの実践など確実なスキルアップにも繋がります。
保健師
保健師を取得すると、地域の保健センターや企業などの産業保健師、学校など一気に仕事の幅が広がります。病院内でも地域連携室での退院調整や退院後の保健指導、検診センターなどで活躍しています。要件は以下のとおりです。
条件 | 看護師免許の取得 |
期間 | 1年間 |
費用 | 入学金、授業料、試験など100万円以上 |
詳細 | 厚生労働省|保健師国家試験の施行 |
1年制の保健師養成学校に入学し、一年に一回の国家試験に合格すれば保健師の資格が取得可能です。
地域で働くことも視野に入れてキャリアアップしたいのであれば、保健師の取得を検討するのも良いでしょう。
» 【看護師と保健師の違い】資格・勤務先・年収・キャリアパスの違いを徹底解説!
【救急編】看護師のキャリアアップに有利な資格4選
病院の救急領域でキャリアアップしたい看護師に有利な資格を4つご紹介します。
- ACLSプロバイダー
- BLSヘルスケアアドバイザー
- PALSアドバイザー
- DMAT隊員養成研修
ACLSプロバイダー
救急外来やICUでキャリアアップを目指す人にはACLSをおすすめします。ACLSとはCPAや心拍再開直後、脳卒中、急性冠症候群、不整脈などのアセスメント、初期治療などの2次救命処置を学べる資格です。要件は以下のとおりです。
条件 | AHA BLSプロバイダー/インストラクター(有効期限内) ACLSプロバイダー/インストラクター(有効期限切れ可能) 受講前自己評価問題70%以上 |
期間 | 2日間 |
費用 | 教材費14,410円 講習会39,000円前後 |
開催施設 | 日本ACLS協会受講コース検索 |
受講施設は全国にあり、2日で取得可能です。ジェネラリストとして多くの知識を蓄えたい看護師にもおすすめの資格と言えるでしょう。
BLSヘルスケアプロバイダー
BLSヘルスケアプロバイダーとはCPAや呼吸停止時の一時救命処置を学べる資格です。要件は以下のとおりです。
条件 | なし(一般の人でも受講可能) |
期間 | 1日(6時間程度) |
費用 | 18,480円 |
開催施設 | 日本ACLS協会受講コース検索 |
BLSヘルスケアプロバイダーは一般市民の人でも受講可能で、取得に必要な資格や条件はありません。
BLSのアルゴリズムに沿ってシミュレーションなどの実践方式で学べるため、看護師であれば取っておいて損はない資格です。
PALSプロバイダー
PALSとは小児に特化した2次救命救急処置を学べる資格です。小児のCPAや蘇生直後、ショック、呼吸器系の緊急事態発生時の初期治療や、観察方法、アセスメントなどを学べます。要件は以下のとおりです。
条件 | AHA BLSプロバイダー/インストラクター(有効期限内) PEARSプロバイダー/インストラクター(有効期限内) PALSプロバイダー/インストラクター(有効期限切れ可能) |
期間 | 2日間 |
費用 | 受講料35,000円〜43,000円 教材費26,180円 |
開催施設 | 日本ACLS協会受講コース検索 |
講習会ではケース別のシミュレーションなど実践を通して学べます。救急領域や小児科でキャリアアップしたい看護師におすすめです。
DMAT隊員養成研修
DMATは災害特有の医療知識や指揮命令系統、安全の確保、情報伝達の方法など専門的な研修と、訓練を受けた医師1名、看護師2名、業務調整員1名で構成されます。
条件 | ACLSやICLS蘇生治療、JPTECやJNTECなどの外傷診療、MCLSやMIMMSなどの多数傷病者に関する研修資格の履修 DMAT退院養成研修参加に推薦される 研修に参加し試験合格 DMATメンバーとして都道府県に登録 |
期間 | 研修4日間 |
費用 | 研修中の宿泊費用や旅費のみ自己負担 |
DMAT指定医療機関 | EMIS医療機関検索情報 |
DMAT隊員養成研修を受けるまでには様々な研修を受講し基礎知識を蓄えておく必要があります。
DMAT隊員を目指す場合はDMAT指定医療機関に勤務する必要があるので、注意しましょう。
» 【救急看護の最先端】フライトナースの年収は?必要な条件や仕事内容まで徹底解説
【福祉編】看護師のキャリアアップに有利な資格4選
福祉領域でキャリアアップしたい看護師に有利な資格4選をご紹介します。
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- 認知症ケア専門士
- 社会福祉士
» 介護施設で働く看護師の年収は低い?施設種類別の年収や給料を上げる方法も解説
介護福祉士
介護施設でキャリアアップしたい看護師には、看護師と介護福祉士2つの国家資格を持つダブルライセンスがおすすめです。医療と介護両方の専門知識を持っていることで業務を兼務できるメリットがあり、介護施設でも有利になります。
私の場合は看護師になる前は介護士として働いていたため、すでに介護福祉士を取得していました。
要件は以下のとおりです。
条件 | 介護業務に3年以上従事 実務者研修(1ヶ月程度)を受講 介護福祉士養成施設の卒業 |
期間 | 1年〜4年(学歴によって異なる) |
費用 | 実務経験ルート:10万円 養成施設ルート:100〜200万円 |
詳細 | 介護福祉士国家試験|社会福祉振興・試験センター |
働きながら介護福祉士を取得してキャリアアップしたい場合は、実務経験ルートが現実的です。
ケアマネージャー
ケアマネージャーとは介護が必要な人に介護サービスの提案や、ケアプランの作成、サービス担当者会の開催などを行います。看護師がケアマネージャーを取得することで、医療的視点も配慮してケアプランの作成が可能です。
条件 | 看護師としての臨床経験が5年以上 介護支援専門員実務研修受講 |
期間 | 試験は年に1回 試験合格後実務研修87時間(数ヶ月)の受講が必要 |
費用 | 5万円〜8万円(試験、実務研修費用は都道府県によって異なる) |
詳細 | 社会福祉振興・試験センター介護支援専門 |
介護支援専門員実務研修受講試験は通信講座や独学でも受験可能ですが、合格率が10%〜20%と、かなり難易度は高いです。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士とは、認知症介護に特化した知識と技術を有している人です。民間資格の中では知名度が高く、介護業界での転職でも有利になる資格です。
条件 | 受験する年より10年以内に、認知症ケアを行う関連施設での実務経験が3年以上 |
期間 | 1次試験例年7月(WEB試験) 2次試験例年8月〜9月(論述問題) |
費用 | 1次試験12,000円 2次試験8,000円 資格認定手数料15,000円 |
詳細 | 日本認知症ケア専門士公式サイト |
試験はオンラインで自宅受験が可能であり、仕事をしながらでも取得しやすいメリットがあります。
社会福祉士
社会福祉士は勤務先によってケースワーカーやMSW、生活相談員と言われる国家資格です。身体的・精神的・経済的な理由で日常生活に支障がある人に福祉サービスの提案や助言、指導を行う役割を担っています。
社会福祉に関する法律や制度といった知識を身につけられるため、ダブルライセンスとして確実にキャリアアップが可能です。
条件 | 社会福祉士一般養成施設(1年間) 3年制の看護学校卒業の場合は相談業務の実務経験が1年以上必要 |
期間 | 1〜2年間 試験は例年2月上旬 |
費用 | 養成施設30万円程度 受験料19,370円 |
社会福祉士国家試験概要 | 社会福祉振・試験センター |
社会福祉士の一般養成施設は夜間・通信制もあるので、働きながらでも取得可能です。
【産婦人科編】看護師のキャリアアップに有利な資格3選
産婦人科領域でキャリアアップしたい看護師に有利な資格を3つ紹介します。
- 助産師
- 不妊カウンセラー
- 新生児蘇生法インストラクター
» 【産婦人科の看護師】仕事内容や年収・向いてる人の特徴を徹底解説!
助産師
助産師は看護師のなかでも産婦人科領域における専門職で、看護師を一旦取得した後でも助産学校に入学し試験に合格すれば取得可能です。要件は以下のとおりです。
条件 | 看護師免許の取得 助産師養成学校の卒業 助産師国家試験の合格 |
期間 | 1年(大学院の修士課程の場合は2年) |
費用 | 助産師養成学校100万円〜250万円 |
助産師養成学校一覧 | 全国助産師教育協議会 |
分娩介助の実習は経験すべき症例数が決められており、夜間でも症例があればオンコールで呼び出しがかかります。助産師養成学校は日中の授業であり、実習でもかなり多忙となるため1年間は休職する必要があります。
不妊カウンセラー
不妊カウンセラーとは不妊治療に関する正しい情報提供や、カップルが最適な不妊治療を選択できるようサポートをするプロフェッショナルです。近年不妊に悩む人は増加しており、不妊に関する高い知識とカウンセリング能力が重要視されているため、産婦人科領域でキャリアアップしたい人にはおすすめの資格です。
条件 | 日本不妊カウンセリング学会の学会員 不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座を3回受講 初回受講から5年以内に認定を受ける |
費用 | 学会年会費6,000円 受験費用15,000円 養成講座1回33,000円 |
詳細 | 日本不妊カウンセリング学会 |
養成講座のオンデマンドでの配信により働きながらでも受講可能ですが、試験会場は年度によって1〜4箇所になることがあります。
新生児蘇生法インストラクター
新生児蘇生法(NCPR)インストラクターは日本周産期・新生児医学会が認定する資格で、新生児蘇生法(NCPR)専門講習を受講し試験に合格することで資格取得が可能です。NCPRインストラクターを取得すると新生児蘇生に必要な技術や知識を指導することが可能で、周産期新生児に携わる人であればキャリアアップが可能です。
条件 | 専門コースの認定者 最新のガイドラインの履修 インストラクター補助経験2回以上 インストラクターの推薦がある 上記4つの条件クリアでインストラクター養成講座に参加可能 |
費用 | 受講費用14,000円 認定料5,000円 |
詳細 | NCPRインストラクター養成コース |
NCPR養成講座インストラクターを取得するためには、専門コースの修了とインストラクター補助経験が2回必要です。まずはNCPR専門コースを受講し、必要な知識と技術の習得を目指しましょう。
【精神科編】看護師のキャリアアップに有利な資格2選
精神科領域でキャリアアップを目指す看護師に有利な資格を2つご紹介します。
- 精神保健福祉士
- 公認心理士
精神保健福祉士
精神保健福祉士とは精神科領域のソーシャルワーカーのことで、精神疾患を持つ人の相談役となり、医療機関との調整、福祉サービスの提案や就労・就学の支援などを行う国家資格です。精神科領域では看護師と併用することで医療と福祉両方からアプローチできるため、キャリアアップに繋がります。
条件 | 精神保健福祉士施設一般養成所卒業 3年制の看護学校卒業の場合は相談業務の実務経験が1年以上必要 精神保健福祉士国家試験に合格 |
期間 | 1〜2年間試験は例年2月上旬 |
費用 | 養成施設30万円以上 国家試験受験料24,140円 |
詳細 | 社会福祉振興・試験センター精神保健福祉士国家試験 |
精神保健福祉士の養成施設は通信・夜間制もあるため働きながらの取得も可能です。
公認心理士
公認心理士とは心理学の専門的知識とカウンセリング技術を持つ国家資格です。医師の指示のもと対象の観察や面接、心理テストを行い、結果分析を行うことができます。心理学に関する知識を身につけることでメンタルケアのスキルアップにつながるため、精神領域の分野でキャリアアップしたい看護師におすすめの資格です。要件は以下のとおりです。
条件 | 「大学と大学院で必修科目の履修」または「大学で必修科目の履修とプログラム施設で3年の実務経験」 |
期間 | 6年〜 |
費用 | 学費:大学によって異なる 受験費用:28,700円 |
詳細 | 厚生労働省|公認心理士 |
公認心理士を通信で取得できる学校もあるので、働きながらでも取得可能です。
公認心理士は学歴によって取得までのルートが異なるため、ご自身にあった最適ルートを確認しましょう。
看護師がキャリアアップのために資格を取得する際のポイント
看護師がキャリアアップのために資格を取得する場合は、ポイントを抑えておくことが重要です。
ポイントは以下の2点です。
- 目的に合った資格を取得する
- 資格取得支援制度がある職場で取得する
目的に合った資格を取得する
自分の目的やキャリアイメージに合った資格を取得することが必要です。キャリアアップのためには以下のプロセスを踏みましょう。
- キャリアイメージ(自分のなりたい看護師像のイメージ)
- キャリアプラン(自己分析をしてキャリアップに必要な資格に関する情報収集と計画の立案)
- 資格の取得(キャリアアップ)
キャリアイメージとキャリアプランを明確にしておかないと、遠回りになったりせっかく取った資格を活かせなかったりする可能性が高いです。キャリアアップの目的を明確にしたうえで資格の選択をしましょう。
資格取得支援制度がある職場で取得する
資格取得支援制度は病院や施設によって異なり、例は次のとおりです。
- 学費の助成や受験費用の補助
- 資格取得に必要な特別休暇の付与
- 資格取得後の手当
資格取得の費用助成は貸与型と給付型があるので、勤務先の資格取得支援制度を確認しましょう。
給付型は返還の必要性はありませんが、貸与型の場合は返還しなければなりません。
看護師のキャリアアップ転職には転職エージェントがおすすめ
看護師がキャリアアップのために転職する場合は転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントを利用するメリットは以下のとおりです。
- 病院の内情に詳しい
- 資格取得支援制度について詳細を確認してくれる
- キャリアイメージに合わせた転職先を紹介してくれる
- 資格取得後の働き方についてもアドバイスをもらえる
転職エージェントの登録は無料で、看護師の転職に詳しいアドバイザーが丁寧にサポートしてくれます。
資格取得の情報収集や勉強に加えて自分で転職先を探すのは大変です。転職エージェントを有効的に活用して転職の負担を大幅に軽減しましょう。
ぜひ転職エージェントを有効活用して、空いた時間をキャリアアップに役立ててくださいね。
まとめ
看護師のキャリアには専門分野に特化した「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」があります。どちらのキャリアを選択しても、キャリアアップには資格の取得が有利です。資格には大学院での修士課程の修了が必要なものや、短期間で取得可能なものまで様々です。キャリアアップするためにはなりたい看護師像をイメージし、キャリアプランを明確にしておきましょう。
キャリアアップをする際には勤務先の選択も重要で、キャリアイメージが明確になった時点で適した職場への転職も検討すべきでしょう。
キャリアアップのために転職する場合は、転職エージェントの利用が断然おすすめです!
キャリアアップに悩む人はぜひ本記事を参考にしていただき、様々な資格の中からご自身にあった資格を取得しキャリアアップを目指してくださいね。
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