「看護師の仕事、最近やりがいを感じられない…」
「看護師ってどんなやりがいがあるの?」
ryanta73このような思いを抱える現役の看護師や学生の方も多いのではないでしょうか?
結論からいえば、看護師のやりがいは決して一つではなく、働く場所や自身の価値観によって多様な形に変化します。もし今やりがいを見失っていても、視点や環境を変えることで必ず再発見できます。
本記事では、介護士から看護師になり、急性期病棟や訪問看護を経て、現在は介護施設の主任として働く筆者が、リアルな体験談をもとに看護師の仕事の魅力を本音で語ります。職場ごとのやりがいの違いから、やりがいを感じられなくなったときの具体的な対処法、明日から実践できるやりがいの再確認方法まで徹底解説。記事を読めば、あなたに合った「やりがい」の形が見つかり、看護師という仕事への向き合い方が変わるはずです。
現役看護師の私がやりがいを持って続けている理由


「看護師の仕事はやりがいがある」とよく言われますが、現場で働く私は、綺麗事だけではないと感じています。夜勤の辛さ、急変対応のプレッシャー、複雑な人間関係、そして時には理不尽な要求に、心が折れそうになったことは一度や二度ではありません。



「もう辞めたい」と本気で考えた夜も数え切れないほどです。
しかし、私は今も看護師として現場に立ち続けています。それは、大変さを上回る確かな「何か」が、この仕事にはあるからです。この章では、私が介護士から看護師という道を選び、複数の職場を経験した今だからこそ語れる「看護師を続ける理由」について、私のこれまでのキャリアとともに紹介します。
【介護士から看護師へ】キャリアチェンジのきっかけ
私のキャリアの原点は、介護士として働いた経験にあります。介護施設で、利用者様の食事や入浴、排泄の介助など、生活に密着したケアを行う日々に、大きなやりがいを感じていました。利用者様からの「ありがとう」という言葉や、日々の関わりの中で生まれる信頼関係は、何物にも代えがたい喜びでした。
3年ほど経験を積む中で、専門知識がないことへの「もどかしさ」と「無力感」を強く感じるようになったのです。特に、利用者様の体調が急に悪くなったとき、私はただ医師や看護師の到着を待つことしかできませんでした。「血圧がいつもと違う」「呼吸の仕方がおかしい」といった変化に気づいても、その原因をアセスメントし、次に行うべき行動を判断するための知識も権限もありませんでした。
「もっと医療的な知識があれば、この方の苦痛を和らげられるかもしれない」「もっと深く、利用者様の人生に寄り添えるのに」という思いが、日に日に強くなっていきました。
»看護師と介護士の違いは?仕事内容や年収、資格やキャリアパスを徹底比較



この「目の前の人を救いたいのに、何もできない」という悔しさが、私を看護師の道へと突き動かした最大のきっかけです。
複数の職場を経験して見えた「看護師の仕事」の多面性
看護師になってからも、私の探求心は尽きませんでした。急性期医療の最前線から、患者様の生活の場まで、様々なフィールドで看護を経験したいと考え、キャリアを積んできました。以下は、私のこれまでのキャリアの一部です。
- 急性期病院(外科病棟)
- 医療知識・技術の基礎、迅速なアセスメント能力、チーム医療の重要性を叩き込まれました。成長スピードは速いが、常にプレッシャーとの戦いでした。
- 訪問看護ステーション
- 利用者様の「生活の場」で看護を提供することの責任と奥深さを知りました。病院とは異なる、個別性の高いケアの視点が身につきました。
- 有料老人ホーム
- 看取りを含めた終末期ケア、ご家族との関係構築、介護スタッフとの連携など、より広い視野での看護実践とマネジメント能力が求められることを実感しました。



このほかにも、手術室勤務や精神科病院も経験しました。
急性期病院では、命を救うための知識と技術を必死で学びました。訪問看護では、病院を離れた患者様が「その人らしく」生活を続けるために何が必要かを考える視点を養いました。そして現在の介護施設では、医療行為が少ない環境だからこそ、日々の観察やコミュニケーションを通じて心に寄り添う「本当の看護」の価値を再認識しています。
一つの職場、一つの役割だけが「看護師の仕事」ではありません。さまざまな経験を通して、看護の仕事がいかに多面的で、奥深いものであるかを実感しています。
きついけど辞めない!私が看護師を続ける本当の理由
では、なぜ私がこれほど「きつい」と感じながらも看護師を辞めないのか。その答えは、介護士時代に感じた無力感を乗り越え、「専門職としての手応え」を日々感じられるからです。
それは、患者さんの「ありがとう」という言葉だけではありません。自分の知識とアセスメントに基づいて行ったケアで患者さんの苦痛が和らいだとき。医師に的確な報告を行い、治療がスムーズに進んだとき。困難な状況をチームで乗り越え、患者さんが笑顔で退院していく後ろ姿を見送ったとき。そうした瞬間に得られる「自己成長の実感」と「専門職としての誇り」が、私を支えています。
また、学び続けられることも大きな魅力です。医療は日々進歩し、新しい知識や技術が次々と生まれます。変化に対応し、自分自身をアップデートし続ける知的な探求心は、私にとって大きなモチベーションです。



人の命と生活に深く関わる重圧は軽くありません。だからこそ得られる達成感と、専門職として成長し続けられる喜びが、私が看護師を続ける本当の理由です。
看護師の5つのやりがい


ここでは、介護士から看護師になり、急性期病棟や介護施設など複数の現場を経験した私のエピソードも交えながら、多くの看護師が感じる仕事の魅力を5つの側面から詳しく紹介します。
- 患者さんの回復を見届けられる
- 感謝の言葉を受け取れる
- 知識やスキルを活かして貢献できる
- チーム医療で達成感を共有できる
- 収入が安定している
患者さんの回復を見届けられる
看護師のやりがいとしてまず挙げられるのが、患者さんの回復を間近で支え、見届けられることです。 昨日より食事が摂れるようになった、リハビリで歩ける距離が伸びた、そして笑顔で退院していく。そんな日々の小さな変化や回復の過程に立ち会えることは、看護師にとって何物にも代えがたい喜びです。
私が急性期病棟で働いていたとき、重篤な肺炎で入院され、一時は人工呼吸器を装着していた患者さんがいました。当初は意識も朦朧とし、ご家族も不安な様子でしたが、日々のケアを通じて少しずつ状態が上向きに。声を発せるようになり、冗談を言って笑うまでに回復されたときは、自分のことのように嬉しかったのを覚えています。そして、数週間後に退院される後ろ姿を見送ったとき、「この仕事を選んで本当に良かった」と心から実感しました。



患者さんが元気になっていく姿は、私たち看護師にとって最大のモチベーションになります。
感謝の言葉を受け取れる
患者さんやそのご家族からいただく「ありがとう」という言葉は、看護師にとって大きな支えとなります。 日々の忙しい業務の中での何気ない声かけや、つらい処置を乗り越えた後のねぎらいの言葉、退院時にいただく心のこもった手紙など、感謝の形は様々です。その一言一言が、私たちの疲れを癒し、「また頑張ろう」という活力を与えてくれます。
特に印象に残っているのは、介護施設で終末期の利用者さんを看取ったときのことです。痛みのコントロールが難しく、ご本人もご家族も精神的に追い詰められていました。私は、利用者さんが少しでも安楽に過ごせるよう、嘱託医や介護士と連携し、ケアの方法を何度も見直しました。最期を迎えられた後、ご家族から「あなたが担当で本当に良かった。おかげで、最後は穏やかな時間を過ごせました」と涙ながらに感謝の言葉をいただきました。



この言葉は、看護師としての私の原点であり、今でも大切なお守りです。
知識やスキルを活かして貢献できる


看護師は、病態生理学や薬理学などの専門知識と、採血や注射といった技術を駆使して人の命や健康に直接貢献できる専門職です。 研修や自己学習で得た新しい知識や技術が、目の前の患者さんの症状緩和や急変時の対応に繋がり、その成果を実感できたとき、大きなやりがいを感じます。
私自身、急変対応に苦手意識を持っていた時期があります。BLS(一次救命処置)やICLS(二次救命処置)といった研修に積極的に参加したり、実際の急変時に先輩看護師の対応を目に焼き付けたりすることで、少しずつ自信が持てるようになりました。ある夜勤中、患者さんの容態が急変した際、研修や現場で学んだ通りに冷静に初期対応を行い、応援のスタッフや医師へ的確に状況を報告することができました。



自分のアセスメントとスキルが患者さんの命を救う助けになった経験は、専門職としての大きな自信と誇りにつながっています。
チーム医療で達成感を共有できる
現代の医療は、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士など、多くの専門職が連携して一人の患者さんを支える「チーム医療」が主流です。 それぞれの専門性を尊重し、カンファレンスで意見を出し合い、患者さんにとって最善のケアを協力して作り上げていく過程には、一体感と大きな達成感があります。 看護師は、患者さんに最も近い存在として、多職種間の情報共有を促し、チームを繋ぐ「架け橋」としての重要な役割を担っています。
病棟勤務の頃、入院が長期化し、精神的に落ち込んでリハビリが進まない患者さんがいました。患者さんとの日々の会話から「家にいる愛犬に会いたい」という強い想いを汲み取り、医師やリハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーと共有しました。チームで話し合った結果、ご家族の協力のもと、一時的な外出許可が出て愛犬との面会が実現。それを機に患者さんはリハビリにも意欲的に取り組むようになり、無事に自宅退院することができました。



自分一人では決して成し遂げられないことも、チームで協力すれば実現できるということを学び、チーム医療の素晴らしさを実感しました。
収入が安定している


仕事のやりがいは、精神的な充実感だけでなく、生活の安定によっても支えられます。看護師は需要の高い国家資格であり、景気の動向に左右されにくく、比較的収入が安定している職業です。厚生労働省の調査によると、看護師の平均年収は日本の労働者全体の平均を上回る水準で推移しています。
»【2025年最新】看護師の給料は上がる?昇給時期・金額を徹底解説!
以下の表は、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を基にした看護師の平均的な収入データです。
| 平均年収 | 約519万円 |
| 平均月収(きまって支給する現金給与額) | 約36万円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 約83万円 |
もちろん、夜勤の回数や役職、働く地域や施設によって給与は変動しますが、経済的な基盤が安定していることは、安心して長く働き続けるための重要な要素です。 私自身、介護士から看護師になったことで経済的な余裕が生まれ、自己投資として研修に参加したり、将来のライフプランを具体的に考えたりできるようになりました。
>>【2026年最新】看護師の給料は高すぎと言われる5つの理由と真実



経済的な安定が精神的なゆとりにも繋がり、より良い看護を追求するモチベーションになっています。
【職場別】看護師のやりがい


私は急性期病棟や介護施設での勤務、訪問看護のアルバイトなどを通じて、それぞれの現場ならではの魅力を肌で感じてきました。ここでは、私の実体験や仲間の看護師から聞いた話をもとに、職場ごとのやりがいの違いを解説します。
»看護師の働き方を徹底解説|3つの職場を経験した筆者のリアル比較と選び方
- 病棟看護師
- 外来看護師
- 手術室看護師
- 介護施設看護師
- 訪問看護師
- 美容クリニック看護師
病棟看護師


私が急性期病院で手術室経験後に配属されたのは、外科の急性期病棟でした。そこはまさに「戦場」のような場所です。緊急入院や急変対応は日常茶飯事で、複数の患者さんを受け持ちながら、時間内に業務を終わらせるための判断力とスピードが常に求められました。



正直、最初の1年間はプレッシャーで押しつぶされそうになる毎日でした。
しかし、その厳しい環境こそが、私を最も成長させてくれたと感じています。昨日までできなかった手技が今日できるようになる、急変の兆候をいち早く察知し医師に報告できた、といった成功体験の積み重ねが、大きな自信につながりました。何よりのやりがいは、手術を乗り越え、日に日に元気になっていく患者さんの姿を間近で見守れることです。 笑顔で退院していく患者さんを見送るたびに、この仕事を選んで本当に良かったと心から思えました。
外来看護師
私の看護学校時代の同期には、クリニックで外来勤務をしている人もいます。同期で集まった際、彼女はよく「外来はスキルが身につかないから、やりがいを感じにくい」と不安を口にしていました。 確かに、外来では難しい処置やアセスメントを活かす場面はほとんどありません。



しかし、彼女はすぐに外来ならではの魅力を見つけたようです。
外来には、慢性疾患の治療などで定期的に通院される患者さんが多くいます。 顔なじみになり、「〇〇さん、今日も来たよ」「この前の薬、すごく効いたよ」と声をかけてもらえる関係性を築けることに、病棟とは違う喜びがあると言います。 短い診察時間の中で患者さんの不安や生活背景を汲み取り、医師に的確に伝えたり、生活指導を行ったりすることで、その人の地域での暮らしを支えている実感を得られるのも大きなやりがいです。
限られた時間で信頼を得る難しさはありますが、だからこそ「いつもの看護師さん」として頼りにされた時のやりがいは格別だと、彼女は笑顔で語ってくれました。
»【おすすめの職場も紹介!】クリニックに勤務する看護師の仕事内容がつらい理由と対処法
手術室看護師


手術室は、患者さんの意識がない状態でケアを行う特殊な部署です。そのため、患者さんとのコミュニケーションにやりがいを感じる人には向かない、と思われがちかもしれません。 しかし、手術室看護師には、他の職場では決して味わえない大きな達成感があります。
手術室看護師の役割は、手術がスムーズかつ安全に進むように器械を準備・手渡しする「器械出し」と、麻酔の介助や物品の補充、患者さんの状態把握など手術全体を管理する「外回り」に分かれます。 どちらの役割も、執刀医や麻酔科医、臨床工学技士など、多くの専門職との緊密な連携が不可欠です。 チーム全員が「手術の成功」という一つの目標に向かい、それぞれの専門性を発揮して協力します。 無事に手術が終了し、患者さんが病棟へ戻っていくのを見届けた瞬間の安堵感と達成感は、何物にも代えがたいものです。
一瞬の判断が患者さんの未来を左右する現場で、医療チームの一員として生命を支えているという誇りが、手術室看護師の大きなやりがいです。



私が手術室勤務していたときも「治療に直接的に関わっているんだ」という自負がやりがいに繋がっていました。
介護施設看護師
病院を離れた私が次に見つけたやりがいは、有料老人ホームという「生活の場」での看護でした。病院と違い、介護施設での看護師の主な役割は、治療ではなく利用者の日々の健康管理とQOL(生活の質)の維持・向上です。 医療行為が少ないことに、最初は戸惑いや物足りなさを感じたのも事実です。
しかし、施設では利用者一人ひとりの人生に深く寄り添うことができます。人生の最終段階である「看取り」に関わることも少なくありません。 ご本人やご家族の意向を尊重し、穏やかな最期を迎えられるよう環境を整え、精神的に寄り添う。 治療が中心の病院では経験できなかった、その人の人生そのものを支える看護に、私は「これこそが本当の看護かもしれない」と感じるようになりました。
»介護施設の看護師の役割と働き方を経験者が解説|施設別の具体例とリアルな本音



ご家族から「ここで最期を迎えられて本当に良かったです」と感謝された時、この仕事の尊さを改めて実感します。
訪問看護師


私は有料老人ホームでの勤務と並行して、知り合いが運営する訪問看護ステーションでのアルバイトも経験しました。訪問看護は、看護師が利用者の自宅に訪問してケアを提供するサービスです。 病院や施設とは全く違う環境に、最初は大きな責任と緊張を感じました。
利用者のご自宅は、医療設備が整った病院ではありません。限られた物品の中で、その家の環境に合わせて工夫しながらケアを行う必要があります。 しかし、だからこそ利用者一人ひとりとじっくり向き合い、その人らしい生活を支えるという、訪問看護ならではの深いやりがいがあります。
»【需要拡大】訪問看護とは?現役看護師が語る仕事内容とおすすめ訪問看護ステーション
例えば、お風呂が好きな利用者さんのために、安全な入浴方法を本人や家族と一緒に考えたり、趣味を続けられるように支援したり。病院では見えなかった、その人の「暮らし」に直接関わることができます。 「あなたが来てくれるのが一番の楽しみ」という言葉をいただいた時の喜びは、今でも忘れられません。



在宅医療を支える一員として、地域に貢献できることも大きな魅力です。
美容クリニック看護師
私の直接の経験ではありませんが、近年、看護師の新しいキャリアとして美容クリニックを選ぶ人も増えています。 美容クリニックの看護師の仕事は、病気や怪我の治療ではなく、お客様の「美しくなりたい」という願いを叶えることです。 そのため、対象は「患者様」ではなく「お客様」となり、高い接遇スキルが求められます。
主な業務は、脱毛や美肌治療などの施術、手術の介助、カウンセリングなどです。 お客様の悩みに寄り添い、施術によってコンプレックスが解消され、笑顔になっていく姿を間近で見られることが、大きなやりがいにつながります。 また、夜勤がなく、給与水準も比較的高いため、ワークライフバランスを重視する人にとっては魅力的な職場です。
»美容クリニック看護師の魅力とは?仕事内容・給与・特典を徹底解説



常に最新の美容知識を学び、自分自身も美しくいられる環境であることも、この仕事ならではのメリットです。
看護師の仕事にやりがいを感じられないときの対処法


高い志を持って看護師になったはずなのに、日々の業務に追われてやりがいを見失ってしまう瞬間。多くの看護師が一度は経験する壁ではないでしょうか。私が急性期病棟で働いていた頃、理想と現実のギャップに悩み、追い詰められた経験があります。いくつかの対処法を試すことで、再び看護の仕事に誇りを取り戻すことができました。ここでは、私の実体験を交えながら、やりがいを感じられなくなったときの具体的な対処法を4つ紹介します。
- やりがいが感じられない理由を探る
- 自己理解を深める
- 同僚や上司に相談する
- 職場を変える
やりがいが感じられない理由を探る
やりがいを取り戻すための第一歩は、「なぜ今、やりがいを感じられないのか」という根本的な原因を自分自身で理解することです。漠然とした不安や焦りを抱えたままでは、有効な対策を立てることはできません。一度立ち止まって、自分の心と向き合う時間を作りましょう。
私が急性期病棟で働いていた頃、「とにかく忙しくて、患者さんとゆっくり話す時間がない」「毎日インシデントを起こさないかビクビクしている」と感じていました。これを深掘りしてみると、原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることに気づきました。
自身の状況を客観的に整理するために、以下の表を参考に原因を書き出してみてください。
| 主な原因 | 具体的な内容例 |
| 人間関係のストレス | 先輩や上司からの厳しい指導 同僚との意見の対立 医師との連携の難しさ 患者さんやご家族とのコミュニケーションの悩み |
| 業務に関する問題 | 多すぎる業務量 頻繁な残業 人手不足による負担増 緊急入院や急変対応へのプレッシャー 医療ミスへの恐怖 |
| 理想と現実のギャップ | 思い描いていた「患者に寄り添う看護」ができない 日々の業務がルーチンワーク化している 看護以外の雑務が多い |
| 自己肯定感の低下 | 自分の知識や技術に自信が持てない 思うように成長できないことへの焦り 他者からの評価が気になる |
| 心身の疲労 | 不規則なシフト勤務による生活リズムの乱れ 慢性的な睡眠不足 プライベートの時間が確保できないことによるストレス |
原因を言語化することで、問題が明確になり、次にとるべき行動が見えてきます。
自己理解を深める


自分自身の価値観や特性について深く理解することも大切です。「どんな看護にやりがいを感じるのか」「どんな環境なら自分の力を発揮できるのか」を知ることは、今後のキャリアを考える上で非常に重要です。
私の場合、「急性期のスピード感あふれる現場で、次々と新しい知識や技術を習得すること」が成長だと思い込んでいました。しかし、自己分析をする中で、本当は「一人の患者さんとじっくり向き合い、信頼関係を築きながらその人らしい生活を支える看護」に喜びを感じるタイプだと気づいたのです。この「向き・不向き」を言語化できたことで、「急性期でうまくやれない自分」を責める気持ちが消え、心がとても楽になりました。



過去の経験を振り返り、楽しかったこと、辛かったことを書き出してみるのがおすすめです。
厚生労働省が提供する職業情報提供サイト「jobtag」などを活用して、客観的な視点から自分の適性を探ってみるのも良いでしょう。
同僚や上司に相談する
悩みを一人で抱え込むと、視野が狭くなり、ネガティブな思考に陥りがちです。勇気を出して、信頼できる同僚や上司に相談してみましょう。
私自身、手術室勤務がつらくて主任に「今の仕事にやりがいを感じられず、辞めたい気持ちがある」と正直に打ち明けた経験があります。すると主任は、「自分も新人の頃、同じように悩んで、全く違う科に異動した経験がある」と話してくれました。そして、私の気持ちを理解した上で、業務量の調整や病棟への異動など、具体的な選択肢を一緒に考えてくれたのです。



この経験から「一人で抱え込まなくていいんだ」という事実に気づき、精神的な負担が大きく軽減されました。
相談相手は、身近な先輩やプリセプター、看護師長だけでなく、病院に産業カウンセラーがいれば、専門家の視点からアドバイスをもらうことも有効です。日本看護協会が運営する「看護職の働き方相談窓口」のような外部の機関に相談することも一つの方法です。
職場を変える
自己分析や相談をしても状況が改善しない場合、「職場を変える」という選択肢も前向きに検討しましょう。環境を変えることは「逃げ」ではなく、自分に合った看護を見つけるための「積極的な一歩」です。
私の場合は、思い切って病院から介護施設(有料老人ホーム)へ異動し、現在は主任として働いています。医療行為は減りましたが、利用者さん一人ひとりの人生に深く寄り添い、その人らしい最期を支えるという新しい役割に、大きなやりがいを見出すことができました。
もし今の職場で異動が難しい場合は、転職も視野に入れてみましょう。その際は、なぜ転職したいのか、次の職場で何を叶えたいのかを明確にすることが成功の鍵です。看護師専門の転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談すれば、客観的なアドバイスをもらいながら、自分に合った職場を探すことができます。
»【看護師転職エージェントおすすめ7選】年収150万円アップ&働きやすさを実現した私の成功体験も紹介!



実際に、転職によって燃え尽き症候群から回復し、再び活躍している看護師も多くいます。
看護師のやりがいを再確認する方法


ここでは、現役の主任である私が実際に試し、効果があった「看護師のやりがいを再確認する方法」を3つ解説します。
自分の成功体験を振り返る
大きな成果や華々しい活躍だけが成功体験ではありません。むしろ、日々の業務の中に隠れている「小さな成功」こそが、自信を取り戻すための大きな力になります。 忙しい毎日では流れていってしまうような些細な出来事を、意識的に振り返ってみましょう。
例えば、以下のような経験が挙げられます。
- 苦手だったルート確保が一回で成功した
- 患者さんのわずかな変化に気づき、医師に報告して重症化を防げた
- 認知症の患者さんと根気強くコミュニケーションをとり、笑顔を引き出せた
- ご家族の不安な気持ちに寄り添い、「あなたに話を聞いてもらえて良かった」と言われた
- 多重課題をうまく整理し、定時で業務を終えられた
こうした「小さな成功」を思い出すために、私は時々、過去の自分の看護記録や業務メモを読み返します。そこには、当時の自分がどんなことに悩み、どう工夫して乗り越えたのか、そして患者さんからどんな言葉をかけてもらったのかが記されています。



何気ない業務メモですが、今でも私を支えてくれる大切な財産です。
「成功体験リスト」は手帳やスマートフォンのメモ機能で十分です。可視化することで、自分の成長をより具体的に実感でき、モチベーションの維持に繋がります。
(例)〇月×日
- 出来事(小さな成功)
- 急変対応時、慌てずに医師へ的確な報告をし、スムーズな指示に繋げられた。
- 感じたこと・得られたこと
- 日頃のシミュレーションや学習の成果が出たことへの自信。チームの一員として貢献できたという実感。
- 次に活かせそうなこと
- 今後も定期的に急変時の対応手順を確認し、後輩への指導にも具体的に活かしていく。
看護師を志した理由を思い出す


やりがいを見失った時、最も効果的な方法の一つが「原点回帰」です。 あなたは、なぜ看護師になろうと思ったのでしょうか。看護学校の入学案内に胸を躍らせた日、初めて白衣に袖を通した時の緊張感、そして国家試験に合格した時の喜びを思い出してみてください。卒業文集や実習中の日誌を読み返してみるのも良いでしょう。



そこには、理想の看護師像や仕事にかける熱い想いが綴られているはずです。
私の原点は、看護師になる前に経験した「介護士」としての仕事にあります。有料老人ホームで介護士として働く中で、利用者さんの日々の生活に深く寄り添えることに大きな喜びを感じていました。しかし同時に、体調が急変した際に何もできない自分の無力さを痛感する場面にも数多く直面しました。「もっと医学的な知識と技術があれば、この人の命を守れるかもしれない」「医療の視点から、その人らしい最期を支えたい」。その強い想いが、私を看護師の道へと導きました。この「介護の視点」と「医療の視点」の両方を持つことが、今の私の看護観の土台となっています。
医療行為が少ない介護施設だからこそ、日々の暮らしに寄り添い、小さな変化を捉え、その人らしい生活を守り抜くことこそが「本当の看護」だと、主任となった今、改めて実感しています。
新しいことにチャレンジする
同じ環境に長くいると、仕事がマンネリ化し、成長が止まっているように感じてしまうことがあります。そんな時は、少し勇気を出して新しいことにチャレンジすると、これまで見えなかった新しいやりがいや目標が見つかることがあります。
①資格取得を目指す
自分の専門性を高めるための資格取得は、自信とキャリアアップに直結する有効な手段です。 例えば、以下のような資格が挙げられます。
- 認定看護師・専門看護師
- 特定の分野でより高度な知識と実践能力を証明する資格です。専門性が高まることで、ケアの質が向上し、院内での役割も広がります。
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 介護が必要な方へのケアプランを作成する専門職です。看護師の経験を活かし、医療と介護を繋ぐ重要な役割を担えます。
- 認知症ケア専門士
- 認知症ケアの専門知識を証明する資格です。高齢化が進む中で、あらゆる現場で需要が高まっています。
- 3学会合同呼吸療法認定士、消化器内視鏡技師、栄養サポートチーム(NST)専門療法士など
- 特定の医療領域に特化した資格も、専門性を高め、チーム医療への貢献度を高めます。
私自身、主任になる前にケアマネの取得を目指した時期がありました。主任への昇進を機に断念しましたが、学習を通して得た知識は、利用者さんやご家族へのアプローチに自信を与えてくれただけでなく、他のスタッフへの指導にも大いに役立っています。
»【ジャンル別】看護師のキャリアアップに有利な資格20選!取得のポイントも解説
②院内・施設内の委員会やプロジェクトに参加する
日々の業務から一歩視野を広げ、所属する組織全体に関わる活動に参加するのもおすすめです。感染対策委員会、医療安全委員会、教育委員会、褥瘡対策委員会など、病院や施設には様々な委員会があります。 普段の病棟業務や施設業務とは異なる視点で物事を考える必要があり、他部署のスタッフとの交流も生まれます。
組織運営に関わることで、自分の仕事が組織全体の中でどのような役割を果たしているのかを再認識でき、新たなやりがいや責任感に繋がります。
③副業やボランティアで視野を広げる
もし現在の職場の就業規則で可能であれば、副業として別の環境で働いてみることも大きな刺激になります。 例えば、以下のような働き方があります。
- 訪問看護のアルバイト
- 利用者さんの「生活の場」での看護を経験することで、退院支援や在宅療養への理解が深まります。
- 健診センターでの単発バイト
- 予防医療の視点や、短時間で多くの人と接するコミュニケーションスキルが身につきます。
- 医療系記事のライティング
- 自分の知識や経験を文章で発信することで、情報を整理し、客観的に自分のスキルを棚卸しする機会になります。
私は今も副業でWEBライターの仕事を続けています。主な仕事は、医療系のウェブメディアで医療・看護に関する記事を執筆することです。看護師としての知識や臨床経験が直接活かせるため、自身の看護感の再確認や新たなやりがいの発見にもつながります。副業は収入アップだけでなく、新たなスキルや視点を得る絶好の機会となり、本業へのモチベーション向上になっています。
まとめ


本記事では、現役看護師である筆者の実体験を交えながら、看護師の仕事のやりがいについて多角的に解説しました。看護師のやりがいは、「患者さんの回復を見届ける」「感謝の言葉をいただく」といった普遍的なものから、病棟、介護施設、訪問看護といった働く場所によって大きく異なります。
仕事にやりがいを感じられなくなるのは、多くの看護師が経験することです。そんなときは、一人で抱え込まずに「なぜやりがいを感じないのか」を自問したり、信頼できる同僚や上司に相談したりすることが大切です。



時には私のように職場を変えるという選択が、新たなやりがいを見つけるきっかけになることもあります。
もし看護師としてのやりがいを見失いかけているなら、ぜひ一度立ち止まってみてください。自分が看護師を目指した原点を思い出したり、これまでの小さな成功体験を振り返ったりすることで、仕事への情熱を取り戻せるかもしれません。











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