看護師は性格で向き不向きが決まる！現役主任がタイプ別に職場適正を診断

「自分の性格は看護師に向いている？」「今の職場で働き続けるのは辛い…」と悩んでいませんか？

看護師の仕事は、性格によって向き不向きが大きく左右されるのが現実です。この記事では、現役主任看護師の視点から、看護師に向いている性格・向いてない性格を解説します。さらに、性格別の適性診断チャートで、あなたにピッタリの職場や働き方がわかります。

看護師の適性と性格の関係性

「看護師の仕事は、性格によって向き不向きが大きく左右される」
これは、私が長年、主任看護師として多くの看護師たちと向き合ってきた中で、確信していることです。人の命を預かるという強いプレッシャーの中で多くの医療スタッフと関わる看護師の仕事は、知識や技術だけでは乗り越えられない場面が数多く存在します。

もちろん、「この性格でなければ看護師になれない」というわけではありません。しかし、自分の性格を深く理解し、それが看護の現場でどのように作用するのかを知ることは、ミスマッチによる早期離職を防ぎ、自分らしく輝ける職場を見つけるための重要な羅針盤となります。

性格が看護業務に与える影響

看護師の業務は多岐にわたりますが、性格によって得意な業務、逆にストレスを感じやすい業務は明確に分かれます。例えば、患者さんの些細な変化に気づく観察力、緊急事態に冷静に対応する判断力、多職種と円滑に連携する協調性など、様々な場面でその人の性格が色濃く反映されるのです。

以下の表は、性格特性が看護業務に与える具体的な影響を、良い面と注意すべき面の両方から表しています。

性格特性	業務への良い影響	注意すべき点
真面目で几帳面	医薬品の管理や投与、記録などを正確に行える 手順を遵守し、医療事故のリスクを低減できる	イレギュラーな事態への対応に時間がかかることがある 完璧を求めすぎて、自分を追い詰めてしまう
共感力が高く優しい	患者さんやご家族の不安な気持ちに寄り添える 信頼関係を築きやすく、精神的なケアが得意	感情移入しすぎて、精神的に疲弊しやすい プライベートとの切り替えが難しくなることがある
冷静で論理的	緊急時にもパニックにならず、的確な判断ができる 複雑な病態や治療計画を論理的に理解できる	患者さんの感情面への配慮が不足していると誤解されることがある 機械的な対応と見なされ、人間関係で悩むことがある
社交的で明るい	患者さんやスタッフとすぐに打ち解け、チームの雰囲気を良くする コミュニケーションが円滑で、情報共有がスムーズに進む	細かい作業や黙々と行う業務が苦手な場合がある プライベートな話をしすぎて、公私混同と捉えられることがある

長く続けられる看護師の3つの共通点

看護師は離職率が高いと言われることもありますが、一方で、やりがいを感じながら長く現場で活躍し続けている看護師もたくさんいます。私がこれまで見てきた「長く続けられる看護師」には、いくつかの共通点がありました。それは特定の性格というよりも、仕事に対するスタンスや物事の捉え方に関係しています。

一つ目は、「自分なりのストレス解消法を持っている」ことです。この仕事にストレスは付き物です。仕事の悩みやプレッシャーをプライベートに持ち込まず、上手に心身をリフレッシュできる人は、精神的なバランスを保ちながら働き続けることができます。

二つ目は、「完璧を目指しすぎない」柔軟性です。真面目さや責任感はもちろん重要ですが、「100点でなければならない」と自分を追い詰めてしまうと、心身ともに疲弊してしまいます。「80点でも大丈夫」と考え、時には周りのスタッフに頼ったり、優先順位をつけて業務に取り組んだりするしなやかさが必要です。

そして三つ目は、「学び続ける意欲がある」ことです。医療は日々進歩しており、常に新しい知識や技術が求められます。この変化を楽しみ、自身の成長に繋げようとする向上心は、仕事へのモチベーションを維持する上で欠かせない要素と言えるでしょう。

看護師に向いている性格の5つの特徴

看私は現役の主任看護師として多くの看護師を見てきた経験から、長く活躍し、患者さんや仲間から信頼されている看護師には共通する性格的特徴があると感じています。ここでは、看護師に向いているとされる5つの性格的特徴を、具体的な業務との関連性や現場でのエピソードを交えながら解説します。

≫看護師に向いている人の特徴5選！理想の職場選びのコツも解説

観察力と洞察力がある

看護師の仕事において、観察力と洞察力は最も重要なスキルの一つです。

私が主任として働く施設でも、あるベテラン看護師が、利用者さんの「いつもより口数が少ない」というわずかな変化に気づき、かかりつけ医に報告したことで、脳疾患の早期発見につながったケースがありました。このように、「いつもと違う」という違和感を察知する能力は、日々の経験と意識的な観察によって磨かれます。

バイタルサイン測定

測定値の確認だけでなく、患者さんの表情や呼吸の様子、皮膚の色やつやなども同時に観察する。

患者さんとの対話

会話の内容だけでなく、声の張りやトーン、視線の動き、しぐさなどから心理状態や苦痛の程度を読み取る。

ナースコール対応

用件を伺うだけでなく、病室の状況や患者さんの様子から潜在的なニーズや不安を察知する。

ストレス耐性が高い

看護師は、身体的にも精神的にも大きな負担がかかる職業です。 人の命を預かるというプレッシャー、緊急入院や急変といった予測不能な事態への対応、夜勤を含む不規則な勤務形態、そして患者さんやその家族との人間関係など、ストレスの原因は多岐にわたります。 そのため、困難な状況でも冷静さを失わず、自身の感情をコントロールできるストレス耐性の高さは、看護師を長く続ける上で不可欠な要素です。

もちろん、ストレスを全く感じない人はいません。大切なのは、ストレスと上手に付き合っていくことです。仕事のオンとオフをしっかり切り替えたり、趣味や運動でリフレッシュしたり、同僚や友人に話を聞いてもらったりと、自分なりのストレス解消法を見つけることが重要になります。完璧を目指しすぎず、時には「仕方ない」と受け流すことも、心を健康に保つためには必要です。

チームワークを大切にできる

現代の医療は、医師、看護師、薬剤師、理学療法士など、さまざまな専門職が連携して一人の患者さんを支える「チーム医療」が主流です。 その中で看護師は、患者さんと最も長く接する存在として、チームの中心的な役割を担うことが少なくありません。 そのため、自分の意見を的確に伝えつつ、他の職種の意見にも耳を傾け、尊重する協調性が強く求められます。

特に看護師同士の連携は、患者さんの安全を守る上で極めて重要です。 忙しい時でもお互いに声をかけ、協力し合う姿勢が、医療ミスの防止や業務の効率化につながります。 情報を共有し、お互いを尊重し、フォローし合う文化がある職場は、看護の質も高く、スタッフの定着率も高い傾向にあると実感しています。

学習意欲が高く向上心がある

医療の世界は日進月歩であり、新しい治療法や医薬品、医療機器が次々と開発されています。 看護師は、一度資格を取得したら終わりではなく、常に新しい知識や技術を学び続ける姿勢が不可欠です。 向上心を持ち、主体的に学習を続けることは、患者さんにより質の高い看護を提供するために欠かせません。

私の職場にも、積極的に施設内外の研修に参加したり、認知症ケア専門士などの資格取得を目指して勉強に励んだりしている看護師がいます。そうした意欲的な姿勢は、本人のスキルアップになるだけでなく、周囲のスタッフにも良い刺激を与え、チーム全体の知識レベルの向上にも貢献します。

柔軟性と適応力がある

医療現場では、マニュアル通りにはいかない予測不能な事態が日常的に発生します。 例えば、患者さんの容態が急変したり、緊急入院の要請が舞い込んできたりと、予定していた業務が計画通りに進まないことも珍しくありません。このような状況で求められるのが、臨機応変に対応できる柔軟性と、変化を受け入れる適応力です。

固定観念にとらわれず、状況に応じて優先順位を判断し、最善の行動をとることが患者さんの安全確保につながります。 また、部署異動や新しい医療機器の導入といった環境の変化にも、スムーズに適応できる能力は、看護師としてのキャリアを築く上で大きな強みとなります。予期せぬ出来事にも冷静かつ前向きに対処できる人は、医療現場において非常に頼りになる存在です。

患者の急変

医師の指示を待つだけでなく、状況から予測される事態に備え、必要な物品の準備や初期対応を迅速に行う。

緊急入院の受け入れ

既存の業務計画を迅速に調整し、チームメンバーと協力してスムーズな受け入れ体制を整える。

他部署への応援

初めての環境でも、その部署のルールや流れを素早く理解し、自分の役割を果たそうと努める。

看護師に向いていない性格とその理由

ここでは、私が主任看護師として多くの看護師を見てきた経験から、一般的に看護業務で困難を感じやすい性格とその理由について解説します。

≫看護師に向いてない人の特徴5選！実体験から学ぶ対処法と職場探しのコツを紹介

短気な性格

医療現場では、患者さんやそのご家族、そして多くの医療スタッフと関わります。中には、理不尽な要求をされたり、緊急事態で迅速かつ冷静な対応を求められたりする場面も少なくありません。短気な性格だと、緊迫した状況で感情的になりやすく、患者さんとの信頼関係を損ねたり、チーム内の連携を乱したりする可能性があります。

特に、焦りが生じると冷静な判断が難しくなり、医療ミスにつながるリスクも高まります。

協調性に欠ける性格

看護の仕事は、医師や他の看護師、薬剤師、理学療法士など、多職種との連携が不可欠なチームプレーです。 「自分の仕事だけ終われば良い」という考え方や、他スタッフとの情報共有を怠る姿勢は、チーム全体の機能を低下させ、結果的に患者さんに不利益をもたらす可能性があります。

報告・連絡・相談（ホウレンソウ）が苦手な場合や、一人で仕事を抱え込んでしまう傾向がある場合は、特に注意が必要です。

マルチタスクが苦手な性格

病棟看護師は、複数の患者さんを同時に受け持ち、点滴の準備、バイタルサインの測定、ナースコールへの対応、記録業務など、多岐にわたる業務を並行してこなす必要があります。 一つのことに集中したいタイプや、同時に複数のことを考えると混乱してしまう性格の場合、業務の優先順位付けに苦労し、仕事の遅れや抜け漏れが生じやすくなります。これにより、患者さんを危険に晒してしまう可能性も否定できません。

精神的に不安定な性格

看護師は、患者さんの死に直面したり、急変対応に追われたりと、精神的に大きな負担がかかる仕事です。 気持ちの切り替えが苦手だったり、他人の感情に過度に共感しすぎてしまったりすると、精神的な疲労が蓄積しやすくなります。 プライベートの感情を仕事に持ち込んでしまうと、ケアの質にムラが出たり、冷静な判断ができなくなったりする恐れがあります。

【看護師の性格別】おすすめ職場診断チャート

性格タイプから、どのような職場環境や診療科が合っているのか、その適性を診断します。以下のチャートは、現役主任看護師の経験に基づいた一般的な傾向を示すものです。

活発で行動的な性格に合う職場

フットワークが軽く、スピード感のある環境で力を発揮できる行動的なタイプの方。次々と新しい課題に取り組むことにやりがいを感じ、じっとしているよりも動き回っている方が性に合っているのではないでしょうか。その行動力と判断力は、特に緊急性の高い医療現場で重宝されます。

このタイプの看護師には、迅速な判断と的確な処置が求められる職場が向いています。患者さんの状態が目まぐるしく変化する環境で、テキパキと業務をこなすことに充実感を得られるでしょう。

おすすめの職場と特徴

職場	特徴	求められるスキル・やりがい
救命救急センター・ER	緊急性が高く、重篤な患者さんが搬送される。一刻を争う場面が多い。	迅速なアセスメント能力、的確な判断力、高いストレス耐性。多くの症例を経験でき、スキルアップのスピードが速い。
手術室（オペ室）	緊張感の中で、執刀医や他のスタッフと連携し、手術をスムーズに進行させる。	集中力、先を読む力、チームワーク。専門的な知識と技術が身につき、外科系のスペシャリストを目指せる。
ICU・CCU（集中治療室）	生命維持装置に繋がれた重篤な患者さんの全身管理を行う。少しの変化も見逃せない。	高度な医療機器の知識、緻密な観察力、冷静な対応力。生命の最前線で働くという強い使命感を感じられる。
急性期病棟（外科・循環器科など）	手術前後の患者さんや、入退院のサイクルが速い患者さんが多い。	マルチタスク能力、コミュニケーション能力、体力。患者さんの回復過程を間近で見ることができ、やりがいを感じやすい。

慎重で計画的な性格に合う職場

物事を順序立てて考え、丁寧かつ正確に業務をこなすことが得意な慎重派タイプの方。ミスのないように何度も確認し、計画通りに物事が進むことに安心感を覚える人も多いでしょう。その着実さと責任感は、患者さんに安心と信頼を与える上で非常に重要です。

このタイプの看護師には、ルーティン業務が多く、一つひとつのケアにじっくり取り組める職場が向いています。患者さんと長期的な関係を築きながら、計画に基づいた看護を提供することにやりがいを感じるでしょう。

おすすめの職場と特徴

職場	特徴	求められるスキル・やりがい
慢性期病棟・療養型病院	容体が安定している患者さんが多く、長期的な視点でのケアが中心となる。	継続的な観察力、根気強さ、丁寧なコミュニケーション能力。患者さん一人ひとりと深く関われる。
透析クリニック	ルーティン業務が多く、穿刺やバイタルチェックなど決められた手順を正確に行う。	正確な手技、自己管理能力の指導スキル。患者さんとのコミュニケーションが重要で、信頼関係を築きやすい。
健診センター・人間ドック	健康な方を対象に、決められた検査を時間通りに実施する。	効率的な業務遂行能力、接遇スキル。夜勤がなく、ワークライフバランスを保ちやすい。
研究ナース（CRC）	治験や臨床研究のプロトコルに沿って、正確に業務を進める。	情報管理能力、几帳面さ、調整能力。医療の発展に貢献しているという実感を得られる。

感受性豊かな性格に合う職場

共感力が高く、相手の気持ちを汲み取ることが得意な感受性豊かなタイプの方。患者さんの些細な表情の変化や言葉のニュアンスから、その心の内に秘めた不安や痛みを察することが可能です。その優しさと寄り添う姿勢は、患者さんの精神的な支えになります。

このタイプの看護師には、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションを大切にし、精神的なケアが重視される職場が向いています。一人ひとりの心に寄り添い、信頼関係を築くことに喜びを感じるでしょう。

おすすめの職場と特徴

職場	特徴	求められるスキル・やりがい
精神科	心の病を抱える患者さんとじっくり向き合い、信頼関係を築きながらケアを行う。	高い傾聴力、共感力、忍耐強さ。患者さんの回復過程を長期的にサポートでき、深い関わりを持てる。
緩和ケア病棟・ホスピス	終末期の患者さんとそのご家族に対し、身体的・精神的な苦痛を和らげるケアを行う。	スピリチュアルケアの知識、高い倫理観、チームでの連携力。QOL（生活の質）の向上を支えることに深く貢献できる。
小児科	子どもだけでなく、不安を抱える保護者への配慮も重要。	子どもとのコミュニケーションスキル、保護者への共感力。子どもたちの成長を見守り、家族全体を支えることができる。
訪問看護ステーション	利用者さんのご自宅に伺い、生活の場で個別性の高いケアを提供する。	アセスメント能力、自律性、利用者や家族との信頼関係構築力。その人らしい生活を支えることに直接的に関われる。

現実的で実務的な性格に合う職場

専門的な知識や技術を駆使して、具体的な成果を出すことに喜びを感じる実務的なタイプの方。理論に基づいて物事を考え、手先を使った細かい作業や高度な医療機器の操作を得意としています。その専門性と技術力は、最先端の医療を支える上で不可欠です。

このタイプの看護師には、特定の分野における高度な専門性が求められる職場が向いています。自身の技術を磨き、その道のプロフェッショナルとして活躍することに大きなやりがいを感じるでしょう。

おすすめの職場と特徴

職場	特徴	求められるスキル・やりがい
手術室（オペ室）	器械出しや外回りなど、専門的な知識と技術を駆使して手術をサポートする。	解剖学の知識、正確でスピーディーな手技、集中力。外科医のパートナーとして手術の成功に貢献できる。
内視鏡室・カテーテル室	医師の介助につき、専門的な検査や治療をサポートする。	医療機器の操作スキル、精密な作業への適性。特定の分野の知識と技術を深く追求できる。
ICU・CCU（集中治療室）	人工呼吸器やモニター類など、多くの医療機器を管理・操作する。	機械工学的な知識、論理的思考力、急変対応能力。データに基づいた客観的な看護を実践できる。
美容クリニック	美容医療に関する専門知識や技術を提供し、患者さんの「美」をサポートする。	美容に関する知識、カウンセリングスキル、接遇マナー。成果が目に見えやすく、患者さんの満足度が直接的なやりがいに繋がる。

野心家な性格に合う職場

常に上を目指し、キャリアアップや自己成長に強い意欲を持つ野心家タイプの方。リーダーシップを発揮したり、組織のマネジメントに関わったりすることに関心が向きやすいです。その向上心と主体性は、組織を活性化させ、より良い医療を提供する原動力となります。

このタイプの看護師には、キャリアパスが明確で、専門性を高めるための教育制度が整っている職場が向いています。専門看護師や認定看護師の資格取得、管理職へのステップアップなど、目標を持って働き続けられる環境で輝けるでしょう。

おすすめの職場と特徴

職場	特徴	求められるスキル・やりがい
大学病院・大規模な国公立病院	教育体制や研修制度が充実しており、多様なキャリアパスが用意されている。	学習意欲、リーダーシップ、研究マインド。最先端の医療に触れながら、専門・認定看護師や管理職を目指せる。
訪問看護ステーション（管理者候補）	ステーションの運営やスタッフのマネジメントなど、経営的な視点も求められる。	マネジメント能力、経営知識、地域連携のスキル。自身の理想とする看護サービスを形にしていくことができる。
企業（産業看護師・フィールドナースなど）	企業の従業員の健康管理や、医療機器メーカーでの製品サポートなどを行う。	ビジネススキル、プレゼンテーション能力、専門分野の深い知識。看護師の枠を超えたキャリアを築くことができる。
美容クリニック（管理職候補）	成果主義が導入されていることが多く、実績次第で高収入や役職を目指せる。	マネジメント能力、マーケティング知識、高いコミュニケーション能力。自身の頑張りが直接評価や報酬に繋がりやすい。

病院以外の看護師の働き方と性格適性

看護師の活躍の場は、病院だけではありません。ライフステージの変化やご自身の性格に合わせて、多種多様な職場で専門性を発揮できます。ここでは、代表的な4つの職場を取り上げ、それぞれの仕事内容と求められる性格の適性について、現役主任看護師の視点から詳しく解説します。

訪問看護に向いている性格

訪問看護師は、利用者様のご自宅に伺い、住み慣れた環境でその人らしい生活が送れるよう医療的なケアや支援を行います。医師の指示のもと、点滴や褥瘡の処置、服薬管理などを行いますが、その場にいる医療専門職は自分一人という場面がほとんどです。そのため、主体的に状況を判断し、臨機応変に対応できる力が不可欠です。

ご利用者様やそのご家族とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことがケアの土台となります。 ささいな変化を見逃さない観察力と、相手の話を丁寧に聞ける傾聴力も極めて重要になります。 決められた業務をこなすだけでなく、自ら考えて行動できる自立心旺盛な性格の方に最適な職場と言えるでしょう。

»訪問看護とは？現役看護師が語る仕事内容とおすすめ訪問看護ステーション8選

クリニック勤務に向いている性格

クリニック（診療所）は、入院設備のない、あるいはベッド数が少ない医療施設で、外来患者さんへの対応が中心です。仕事内容は、診察の補助、採血や点滴、検査の説明など多岐にわたります。病院に比べて緊急性が高い場面は少なく、日勤のみで残業も少ない傾向にあるため、ワークライフバランスを重視したい方に人気です。

医師や医療事務など、限られたスタッフと協力して業務を進めるため、高い協調性とコミュニケーション能力が求められます。 多くの患者様が来院されるため、丁寧さを保ちつつも、効率よく業務をこなす手際の良さも大切です。地域に密着し、患者様の顔なじみになりながら、アットホームな雰囲気で働きたいという性格の方に向いています。

»クリニックに勤務する看護師の仕事内容がつらい理由と対処法

保育園や学校の看護師に向いている性格

保育園や学校に勤務する看護師は、「保健室の先生」として、子どもたちの健康管理を担います。主な役割は、怪我や体調不良時の応急処置、健康診断の補助、ほけんだよりの作成を通じた健康教育などです。 病院のように治療を行うことはほとんどなく、子どもたちの健やかな成長を見守り、支えることが使命です。

予期せぬ怪我やトラブルにも冷静に対応できる落ち着きと、子どもだけでなく保護者や教職員とも円滑な関係を築ける高いコミュニケーション能力が求められます。 医療の最前線から少し離れ、予防的な観点から子どもたちの健康に関わりたいという、穏やかで面倒見の良い性格の方にぴったりの職場です。

»保健室の先生は看護師免許のみでなれる？採用条件と働き方も解説

介護施設に向いている性格

介護施設で働く看護師は、入居者である高齢者の健康管理が主な業務です。バイタルチェックや服薬管理、褥瘡の処置、経管栄養、看取りのケアなど、医療的な側面から入居者の生活を支えます。病院との大きな違いは、治療が目的ではなく、生活の場としての穏やかな環境で、入居者一人ひとりの人生に長期間寄り添う点です。 そのため、高齢者と話すのが好きで、相手の気持ちに共感し、じっくりと話を聞ける傾聴力のある方が向いています。

介護職員やリハビリ専門職など、他職種と連携してチームでケアを行うため、協調性も欠かせません。 急性期のような目まぐるしい変化は少ないですが、日々の小さな変化に気づき、根気強くケアを続けられる、穏やかで忍耐強い性格の方が活躍できるでしょう。

»介護施設の看護師の役割と働き方を経験者が解説｜施設別の具体例とリアルな本音

特別養護老人ホーム（特養）

要介護度の高い方が多く、看取りまで対応することが多いです。生活に密着した長期的な健康管理が中心です。一人ひとりと深く関わり、終末期ケアに関心がある穏やかな性格に向いています。

介護老人保健施設（老健）

在宅復帰を目指すリハビリが中心です。医療依存度が高い方もおり、病院と施設の中間的な役割を担います。多職種と連携し、在宅復帰という目標に向かって働くのが好きな協調性の高い性格が向いています。

有料老人ホーム

施設によって特色が多様です。比較的自立度の高い方が多い施設から、手厚い介護・医療ケアを提供する施設まで様々あります。接遇スキルを活かしたい、あるいは特定のケア（認知症ケアなど）に特化したいなど、自分の強みを活かしたい人に向いています。

【現役主任が教える】看護師の性格を活かす働き方

性格に合わない環境で無理を続けると、心身ともに疲弊してしまいます。ここでは、現役主任看護師の視点から、性格を最大限に活かすための具体的なキャリアプランの立て方、職場選び、そして専門分野の見つけ方について詳しく解説します。

強みを伸ばすキャリアプラン

自分の性格的な強みを認識し、それをキャリアに結びつけることで、仕事への満足度やモチベーションは大きく向上します。まずは自己分析を行い、自分の得意なことや、やりがいを感じる瞬間を振り返ってみましょう。その上で、強みを伸ばせるようなキャリアプランを設計することが大切です。

以下に、性格の強みとそれに合ったキャリアパスの例をまとめました。

強み	向いてるキャリアパス	アクションプラン
リーダーシップがあり、人をまとめるのが得意	看護師長 主任などの管理職 チームリーダー	リーダーシップ研修への参加 マネジメント関連の学習 後輩への積極的な指導 チーム内の課題解決に率先して取り組む
探究心が強く、専門知識を深めるのが好き	専門看護師 認定看護師 大学院進学 研究職	興味のある分野の学会や研修に参加する 資格取得に関する情報収集を行う 院内の勉強会を企画・運営する
共感力が高く、じっくり人と向き合える	緩和ケア 精神科看護 がん看護 患者相談窓口	カウンセリングやコミュニケーション技法に関する研修を受講する 関連分野のボランティア活動に参加してみる
冷静で的確な判断力に自信がある	救急看護 手術室看護 集中治療室（ICU）看護	急変時対応のシミュレーション研修に積極的に参加する アセスメント能力を高めるための学習を継続する

弱みをカバーする職場選び

「短所」や「弱み」だと感じている性格も、環境を変えれば全く問題にならない、あるいは長所に転換できる可能性があります。自分の性格的な弱みを無理に克服しようとするのではなく、その弱点が働きにくさに繋がりにくい職場を選ぶという視点も、長く看護師を続けるためには重要です。

例えば、以下のように自分の性格と職場環境のマッチングを考えてみましょう。

弱み	カバーできる職場環境	避けた方が良い職場環境
マルチタスクが苦手で、一つのことに集中したい	専門クリニック 手術室 透析室 健診センター	急性期病棟 救急外来 HCU/ICU
人間関係のストレスを感じやすい	訪問看護ステーション 企業（産業看護師） 保育園・学校	スタッフ数が非常に多く人間関係が複雑になりがちな大規模病院
体力に自信がなく、夜勤が身体的に辛い	クリニック 健診センター 保育園 介護老人保健施設（日勤のみ）	3交代制や夜勤回数の多い急性期病棟 救命救急センター
おっとりしていて、自分のペースで仕事がしたい	慢性期病棟 療養型病院 精神科病棟	秒単位での判断と行動が求められる救急外来や手術室

転職を考える際は、給与や待遇だけでなく、その職場の理念、看護体制、平均年齢、平均勤続年数といった情報も収集し、自分の性格に合うかどうかを多角的に判断することが大切です。

性格に合った専門分野の見つけ方

看護師のキャリアは多岐にわたります。自分の性格と興味関心を掛け合わせることで、やりがいを感じられる専門分野を見つけられるでしょう。日本看護協会では、特定の看護分野において高度な知識と技術を持つ「専門看護師」や「認定看護師」といった資格制度を設けており、キャリアアップの目標とすることも可能です。

自分がどのような看護を実践したいのか、どんな患者さんと関わることに喜びを感じるのかを考え、専門分野を探してみましょう。

性格タイプ	おすすめの専門分野の例	分野が持つ特徴
論理的で冷静な判断が得意	手術看護 救急看護 集中ケア 感染管理	迅速かつ正確な判断力、高度な知識と技術が求められる分野です。
人と深く関わり、寄り添うのが得意	緩和ケア がん看護 精神看護 在宅ケア	患者さんやそのご家族と長期的に関わり、信頼関係を築きながら支援していくことが中心となります。
知的好奇心が旺盛で、教えるのが好き	糖尿病看護 皮膚・排泄ケア 認知症看護	専門知識を基に、患者さんへの生活指導や他の看護スタッフへの教育的な役割を担うことが多い分野です。
子どもが好きで、成長を見守りたい	小児看護 新生児集中ケア	子どもたちの発達段階に合わせたケアや、その家族への支援が重要となる分野です。

興味のある分野を見つけるためには、まず院内で部署異動を希望してみる、関連する学会や研修に積極的に参加して情報収集をするといった行動が求められます。すでにその分野で活躍している認定看護師や専門看護師の先輩に話を聞くことも、具体的なイメージを掴む上で非常に有効です。詳細な資格情報については、公益社団法人日本看護協会のウェブサイトで確認できます。

性格が原因で看護師の仕事がつらいと感じたら

性格と仕事内容のミスマッチは、心身の不調やバーンアウト（燃え尽き症候群）につながりかねません。ここでは、つらい状況を乗り越えるための具体的な方法を、自己分析から環境を変える決断まで、ステップごとに解説します。

自己分析の方法

つらさの原因を客観的に理解し、自分に合った解決策を見つけるためには、まず自己分析が不可欠です。感情的に「向いていない」と決めつける前に、一度立ち止まって自分自身を深く掘り下げてみましょう。自分の強みや弱み、価値観が明確になり、今後のキャリアを考える上での重要な指針となります。

経験の棚卸し

これまでの看護師経験を振り返り、感情と思考を整理します。以下の点をノートなどに書き出してみましょう。

やりがいを感じた業務・場面

どのような患者さんへのケア、どんな手技、チームでのどんな役割に喜びを感じましたか？

強いストレスを感じた業務・場面

緊急対応、特定の診療科の業務、人間関係など、何が一番辛かったですか？

得意だと感じたこと・褒められたこと

先輩や患者さんから「丁寧だね」「手際がいいね」など、どんな言葉をかけられましたか？

苦手だと感じたこと・失敗したこと

マルチタスク、コミュニケーション、特定の処置など、何に困難を感じましたか？

上司や先輩への相談のコツ

一人で抱え込まず、信頼できる上司や先輩に相談することも重要です。しかし、伝え方を間違えると、ただの愚痴と捉えられかねません。相談を実りあるものにするためには、事前の準備と伝え方の工夫が必要です。

相談前の準備

相談相手を選ぶ

あなたの話を親身に聞いてくれ、客観的なアドバイスをくれそうな人を選びましょう。師長や主任など、具体的な権限を持つ上司が望ましい場合もあります。

相談内容を整理する

自己分析で明確になった「何に困っているのか」「どうして辛いのか」「どう改善したいと考えているのか」を簡潔にまとめておきます。

時間を確保してもらう

「ご相談したいことがあるのですが、15分ほどお時間をいただけないでしょうか」と、事前にアポイントを取りましょう。相手が忙しい時間帯を避ける配慮も大切です。

効果的な伝え方

相談の場では、感情的にならず、建設的な対話を心がけることが大切です。以下の表を参考に、伝え方を工夫してみましょう。

	OK例（建設的な相談）	NG例（愚痴や不満）
切り出し方	「お忙しいところ恐れ入ります。現在の業務についてご相談があり、お時間をいただきました。」	「もう無理です。辞めたいです。」
現状説明	「〇〇の業務において、自分の△△という性格上、うまく対応できず悩んでいます。具体的には…（事実を説明）。」	「とにかく忙しすぎるし、〇〇さん（同僚）は何もしてくれないし、本当に最悪です。」
自分の考え	「〇〇の業務において、自分の△△という性格上、うまく対応できず悩んでいます。具体的には…（事実を説明）。」	「なんで私ばっかりこんな目に遭うんですか。」
要望の伝え方	「もし可能であれば、〇〇の業務の比重についてご配慮いただいたり、将来的に〇〇科への異動の可能性についてもお話を伺えないでしょうか。」	「なんとかしてください。」

環境を変えるべきサイン

自己分析や相談をしても状況が改善せず、心身に不調をきたしている場合は、現在の環境から離れることを考えるべきタイミングかもしれません。我慢し続けることは、キャリアだけでなく健康そのものを損なう可能性があります。以下のようなサインが見られたら、それは心と体が発する危険信号です。

これらのサインが複数当てはまる、あるいは長期間続いている場合は、一人で判断せず、まずは休職して心身を休める、部署異動を願い出る、そして最終手段として転職を視野に入れるなど、具体的な行動を起こすことが重要です。

看護師が性格に合った職場を探すなら「ナース専科 転職」がおすすめ

自身の性格タイプや職場との相性について理解が深まったが、「自分に合う職場が具体的にどこなのか分からない」「どうやって探せばいいの？」と感じている方も多いはずです。そんな時、心強い味方になるのが看護師専門の転職支援サービスです。中でも、年間10万人以上の看護師が利用する「ナース専科 転職」は、看護師の性格を活かせる職場探しを強力にサポートしてくれます。

「ナース専科 転職」が性格に合った職場探しに強い理由

運営会社	株式会社エス・エム・エス
設立年	2005年(旧ナース人材バンク)
累計利用者数	100万人以上
対応職種	看護師・准看護師・保健師・助産師
対応エリア	日本全国
取り扱い求人数	20万件以上 (非公開求人含む)
対応施設形態	クリニック・訪問看護・介護施設
対応雇用形態	正社員・契約社員 派遣社員・常勤・非常勤
連絡方法	電話・メール・LINE

数ある転職サイトの中でも、なぜ「ナース専科 転職」が性格に合った職場探しにおすすめなのでしょうか。その理由は、看護師一人ひとりに寄り添う手厚いサポート体制にあります。

»ナース専科 転職の手厚いサポートと口コミ｜年収150万アップした成功体験

理由1：看護業界を熟知したキャリアアドバイザーの存在

「ナース専科 転職」には、看護師のキャリア支援を専門とするプロのキャリアアドバイザーが多数在籍しています。 彼らは単に求人を紹介するだけでなく、あなたの性格的な強みや弱み、価値観などを丁寧にヒアリングした上で、最適なキャリアプランを一緒に考えてくれます。

自分では気づかなかった適性や可能性を引き出し、客観的な視点から「あなたらしさ」を活かせる職場を提案してくれるでしょう。

理由2：職場のリアルな内情を把握した豊富な情報量

転職で最も避けたいのが、入職後のミスマッチです。特に人間関係や職場の雰囲気は、求人票だけでは決して分かりません。「ナース専科 転職」のキャリアアドバイザーは、地域担当制で各医療機関と密に連携しているため、現場のリアルな情報を豊富に持っています。

「活気があって意見を言いやすい職場」「落ち着いた雰囲気でじっくり患者さんと向き合える環境」など、性格に合わせた具体的な職場環境を教えてくれるため、安心して転職活動を進めることができます。

理由3：多様な働き方を可能にする非公開求人の多さ

「ナース専科 転職」は、一般には公開されていない「非公開求人」を多数保有しています。 非公開求人には、好条件のポストや、特定のスキル・経験を持つ人材を求める求人が多く含まれます。キャリアアドバイザーに相談することで、こうした非公開求人の中から、性格や希望にぴったりの職場を紹介してもらえる可能性があります。

病院だけでなく、クリニック、介護施設、企業など、多様な選択肢から検討できるのも大きな魅力です。

「ナース専科 転職」の登録から転職までの流れ

「ナース専科 転職」の利用はすべて無料です。登録から入職まで、手厚いサポートを受けられます。

まとめ

看護師の仕事は、性格によって向き不向きがあるのは事実ですが、「この性格でなければ務まらない」ということは決してありません。本記事で解説したように、急性期病棟からクリニック、訪問看護まで、看護師が活躍できる職場は多岐にわたります。大切なのは、自身の性格特性を深く理解し、強みを活かせる環境を選ぶことです。

もし今の職場で性格が原因でつらいと感じているなら、それは職場とのミスマッチが原因かもしれません。自己分析を通じて自分に合った働き方を見つけ、やりがいを持って長く看護師を続けていきましょう。

転職を検討するのであれば、転職エージェントの利用はかなりおすすめです。無料で利用できるうえに、情報収集のためだけのツールとしても優秀なので私も転職の際にはマストで登録しています。私がおすすめする看護師転職エージェントは、以下の記事で紹介しています。