「看護師の転職に最適な時期はいつ?」「求人が多い時期ってあるの?」と気になっている人も多いでしょう。この記事では、主任看護師である私の採用側の視点と実体験に基づき、求人が増えるタイミングを月別カレンダーで徹底解説します。
記事を読めば、年収アップや働き方改善などの目的に合わせたベストな時期と、4月入職から逆算した失敗しないスケジュールが明確になります。ボーナス後の退職や面接のコツも網羅し、転職成功への最短ルートを目指しましょう。
»【看護師の転職で失敗しない!】おすすめの方法と準備のポイント
看護師の転職時期はいつがベスト? 目的別の最短ルート

看護師の転職に「絶対にこの時期が正解」というものはありません。なぜなら、転職の目的によって、有利になる時期や最適なスケジュールが大きく異なるからです。まずは、以下のように目的を明確にすることが転職成功への第一歩となります。一般的に転職活動は3ヶ月から半年ほどかかると言われており、ゴールから逆算して計画的に準備を進めることが重要です。
- 年収アップを目指す場合
- 公務員として働きたい場合
- 人気の職場で働きたい場合
年収アップを目指す場合
年収アップを最優先に考えるなら、ボーナス支給後と年度末が絶好のタイミングです。

夏のボーナスが支給される6月以降や、冬のボーナス支給後の12月から1月にかけて求人が活発化します。
この時期は、ボーナスを受け取ってから退職する看護師が多く、その欠員補充のために好条件の求人が出やすい傾向にあります。 特に、基本給や手当が充実している精神科、透析クリニック、美容クリニックなどは年収アップを目指しやすい職場として挙げられます。
»【厳選】看護師の給料が高い職場5選!職場の特徴や平均年収を徹底比較
また、1月から3月にかけては、4月の新年度体制に向けて経験豊富な看護師の採用がピークを迎えます。 管理職やリーダー候補といった役職付きの求人が増えるのもこの時期の特徴で、キャリアアップと同時に大幅な年収増も期待できるでしょう。 年収アップを成功させるためには、これらの時期を逃さず、計画的に情報収集と準備を進めることが大切です。
活動開始時期 | 狙う入職時期 | 主なアクション |
4月~5月 | 7月~9月 | 夏のボーナス後に出る求人の情報収集、転職エージェントへの登録 |
10月~11月 | 1月~4月 | 冬のボーナス後・来年度の好条件求人の情報収集、自己分析、応募書類の準備 |
1月~2月 | 4月 | 応募・面接の最盛期。給与や待遇などの条件交渉も積極的に行う |
公務員として働きたい場合
公務員看護師を目指す場合、民間の医療機関とは全く異なるスケジュールで動く必要があります。公務員の採用は、基本的に年に1回、各自治体や独立行政法人が定める採用試験の日程に沿って行われます。
多くの自治体では、翌年4月からの採用に向けて、前年の春から夏にかけて募集要項が公開され、夏から秋にかけて採用試験(筆記試験や面接)が実施されるのが一般的です。 そのため、公務員への転職を考えるなら、遅くとも春には希望する自治体や機関のウェブサイトをチェックし、情報収集を開始する必要があります。
»公務員看護師として働ける職場8選!給料事情やメリット・デメリットを徹底解説



募集期間が短い場合もあるため、定期的な確認が欠かせません。
民間病院のように、ボーナス後や欠員が出たタイミングで随時募集がかかるケースは少ないため、年間の採用スケジュールを把握し、長期的な視点で準備を進めることが必須です。
人気の職場で働きたい場合
大学病院やがん専門病院、有名クリニックといった人気の高い職場への転職は、計画的な準備とタイミングが成功を大きく左右します。最も大きなチャンスは、新年度を迎える4月入職のタイミングです。 これらの施設では、新卒採用と並行して中途採用の枠を設けることが多く、4月入職に向けた募集が最も規模が大きくなります。 具体的には、前年の秋頃から募集が始まり、冬には選考が本格化するケースが多いため、夏過ぎから情報収集を始めるのが理想的です。
4月入職のメリットは、中途採用者向けの研修が新卒者と同時に行われることが多く、手厚いサポートを受けながら新しい環境に馴染みやすい点です。 また、ボーナス支給後の6月~7月や12月~1月も、退職者による欠員補充の求人が出る可能性があるため、第二のチャンスと言えるでしょう。 人気の職場は競争率が非常に高いため、転職エージェントが保有する非公開求人も含めてアンテナを張り、早めに行動を開始することが重要です。
夜勤少なめ・年収150万円UPを実現した私の転職時期の逆算術


「このまま今の職場で働き続けていいのだろうか…」多くの看護師さんが一度は抱える悩みだと思います。私自身、3次救急を担う急性期病院で5年間勤務した後、ワークライフバランスの乱れと将来のキャリアへの漠然とした不安から、転職を決意しました。結果として、夜勤回数を月8回から4回に減らしつつ、年収を150万円アップさせるという、自分でも驚くような転職を成功させることができました。
ここでは、そのリアルな体験談と、主任看護師として採用面接を行っていた経験から得た「採用側の視点」を交え、具体的な逆算スケジュールと成功のポイントを詳しく解説します。
「ナース専科 転職」を使って夜勤減+年収150万円アップを達成
私が転職活動で掲げた目標は、以下の3つでした。
- 夜勤回数を月4回以下に減らすこと
- 手取り年収を現状よりアップさせること(前職:約480万円)
- 教育体制が整っていること
一見すると「わがまま」とも思える条件ですが、正しい時期選定と戦略的なアプローチで、これらは十分に実現可能です。私が活用したのは、看護師専門の転職エージェントである「ナース専科 転職(旧ナース人材バンク)」でした。業界最大級の求人数と、病院の内部情報に詳しいキャリアアドバイザーの存在が決め手となりました。
»年収150万円アップした筆者が語る!ナース専科 転職の手厚いサポートと口コミを紹介
以下に、私が実際に行った転職活動の全貌を公開します。
4月入職を目指した私の逆算スケジュール
多くの病院が4月入職に向けて前年の秋頃から採用枠を確定させ、1月〜2月に採用活動のピークを迎えます。そのため、私は4月入職をターゲットとし、1月から本格的に活動を開始しました。以下の表が私のリアルなスケジュールです。
時期 | 活動内容 | ポイント |
1月上旬(始動期) | 自己分析・情報収集・転職エージェント登録 | 「なぜ転職したいのか」「何を叶えたいのか」を言語化。ナース専科に登録し、キャリアアドバイザーと初回面談。希望条件のすり合わせを行う。 |
1月中旬(準備期) | 求人紹介・書類作成 | アドバイザーから非公開求人を含む10件の求人を紹介してもらう。主任経験をアピールできるよう、職務経歴書を徹底的に添削してもらう。 |
1月下旬〜2月上旬(応募・面接期) | 応募・面接・病院見学 | 特に興味のあった3つの病院に応募。面接日程はアドバイザーが全て調整。病院見学もセッティングしてもらい、職場の雰囲気を直接確認。 |
2月中旬(内定・交渉期) | 内定獲得・条件交渉 | 2つの病院から内定を獲得。給与や夜勤回数などの条件交渉は全てアドバイザーに一任。これが年収UPの鍵となった。 |
2月下旬(退職交渉期) | 退職交渉・引き継ぎ | 現職の師長に退職の意向を伝える。円満退職できるよう、引き継ぎ資料を丁寧に作成。有給消化のスケジュールも確定させる。 |
3月(準備・休息期) | 入職準備・有給消化 | 入職に必要な書類を準備。プライベートの時間を満喫し、心身ともにリフレッシュして4月からの新しいスタートに備える。 |
年収150万円アップを実現した交渉の裏側
「夜勤を減らせば給料が下がる」というのは、看護師の転職における“常識”かもしれません。しかし、私はこの常識を覆すことに成功しました。その最大の要因は、自分の市場価値を客観的に把握し、それを的確にアピールしたことにあります。



採用側の視点を持つと、病院側が「この人ならこの給与を払っても惜しくない」と考えるポイントが見えてきます。
具体的には、ナース専科のキャリアアドバイザーと協力し、以下の2点を強みとして押し出しました。
- プリセプターとしてのマネジメント経験
- 新人スタッフの指導や業務改善に取り組んだ実績を具体的な数値(例:時間外労働の削減率、インシデント発生率の低下など)で示し、即戦力として貢献できることをアピールしました。
- 福祉領域の専門性
- 介護士時代で培った専門知識や介護ケアの技術が、応募先施設が強化しようとしていた認知症領域で直接的に活かせる点を強調しました。
これらの強みを職務経歴書や面接で的確に伝えた上で、キャリアアドバイザーが病院側と交渉します。結果として、基本給の大幅アップに成功し、年収の内訳は以下のように変化しました。
項目 | 前職(3次救急病院) | 現職(介護施設) | 増減 |
基本給 | 250,000円 | 320,000円 | +70,000円 |
夜勤手当 | 約120,000円(月8回) | 約60,000円(月4回) | -60,000円 |
役職手当 | 0円 | 50,000円(主任) | +50,000円 |
その他手当 | 30,000円 | 30,000円 | ±0円 |
月収(目安) | 420,000円 | 460,000円 | +40,000円 |
賞与(年2回) | 約900,000円 | 約1,380,000円 | +480,000円 |
年収 | 約480万円 | 約630万円 | +150万円 |
このように、転職エージェントを介して客観的な自分の強みを伝え、戦略的に交渉することで、「夜勤減・年収アップ」という理想の転職は実現可能です。
採用側はこう見ている|主任看護師の面接現場から


転職活動では、応募先が「どのような視点で候補者を見ているか」を知ることが、内定への最短距離となります。ここでは、実際に主任看護師として多くの面接に立ち会ってきた経験から、採用側の本音と実情を具体的にお伝えします。
- 求人が動くきっかけ
- 面接で見ている3点
- 面接日程が通りやすい曜日/時間の実感値
- 内定スピード
求人が動くきっかけ
看護師の求人が増えるタイミングは、主に「欠員の発生」に連動します。計画的な増員よりも、退職者の穴を埋めるための「補充採用」が圧倒的に多いのが実情です。この波を理解することで、転職活動を有利に進めることができます。
主な求人の波は、年に3回あると捉えておくと良いでしょう。
- 第1の波:年度替わり
- 時期は1月〜3月。4月入職に向けた最も大きな募集時期です。定年退職やライフイベントによる退職者が確定し、一斉に補充が始まります。新年度の体制構築のため、教育体制も整っていることが多いです。ただし、応募者も多いため、競争率は高まる傾向にあります。
- 第2の波:ボーナス後
- 時期は6月~7月、12月~1月ごろ。夏・冬の賞与を受け取ってから退職する看護師は非常に多く、この時期に欠員が集中します。特に夏のボーナス後は、4月に入職した新卒や中途採用者が早期離職するケースもあり、経験者採用のニーズが高まります。
- 第3の波:下半期補強
- 時期は8月~9月。10月入職をターゲットとした採用活動。夏の繁忙期を乗り越えて燃え尽きてしまう退職者の補充や、冬の感染症シーズンに備えた人員強化が目的です。年度替わりほどの規模ではありませんが、即戦力を求める質の高い求人が出やすい時期です。
面接で見ている3点
面接では、経歴やスキルはもちろんですが、それ以上に「長く、気持ちよく一緒に働ける人材か」という視点を重視しています。特に以下の3点は、合否を分ける重要なポイントです。
≫【看護師の面接対策】よくある質問と答え方のポイントを徹底解説
1. 継続性と定着への意欲
採用側が最も懸念するのは「早期離職」です。そのため、退職理由には非常に注目します。たとえ人間関係や待遇への不満が本音であっても、それをそのまま伝えるのではなく、「〇〇という看護を実践したく、貴院の環境であれば実現できると考えた」といった前向きな志望動機に繋げられるかが重要です。
「当院で5年後、どのような看護師になっていたいですか?」といった将来のキャリアプランに関する質問は、応募者の定着意欲と成長への期待値を測るためのものです。明確なビジョンを語れるように準備しておきましょう。
2. チームへの貢献度と協調性
看護はチームで行うものです。個人のスキルがどれだけ高くても、周囲と連携できなければ現場は回りません。面接では、過去の経験からあなたの協調性を確認しようとします。
「これまでチームの中でどのような役割を担ってきましたか?」「多職種と連携する上で心がけていたことは何ですか?」といった質問に対し、具体的なエピソードを交えて答えられると高評価に繋がります。



インシデント発生時にどのように対応し、チームで再発防止に取り組んだか、といった経験もアピール材料になります。
3. スキルと経験の再現性
職務経歴書に書かれたスキルが、私たちの職場で本当に活かせるのかを見ています。単に「急性期病棟で5年経験」と伝えるだけでは不十分です。「消化器外科病棟で、周術期看護を中心に月平均8名の患者を受け持ち、リーダー業務も担当していました」というように、具体的な数字や役割を交えて説明することで、採用側は応募者が活躍する姿をイメージしやすくなります。
応募者の経験が、当院のどの部署で、どのように貢献できるのか。その「再現性」を具体的に言語化することが、内定を勝ち取るために重要です。
面接日程が通りやすい曜日/時間の実感値
面接日程を調整する際、少しでも採用側の都合に合わせることで、スムーズな選考と良い心証に繋がることがあります。現場の師長や主任が面接官となる場合、病棟の業務サイクルを考慮すると、比較的調整しやすい時間帯が見えてきます。
- 狙い目の曜日
- 週明けの月曜日や週末前の金曜日は会議や委員会で多忙なことが多く、比較的落ち着いている火曜日~木曜日が狙い目です。
- 狙い目の時間帯
- 午前中のケアが一段落する10時~11時頃、もしくは午後の業務が本格化する前の14時~15時頃は、面接官も時間を確保しやすい傾向にあります。
もちろん、これはあくまで一般論です。病院から提示された候補日の中で、自身の都合がつく時間を伝えれば問題ありません。ただ、複数の候補を提示することで「調整に協力的である」という姿勢を示すことができます。
内定スピード
複数の病院を同時に受けることに、ためらいを感じる必要は全くありません。むしろ採用側から見ると、複数の選考を受けている応募者は「転職への意欲が高い」と判断され、好意的に受け止められることが多いです。
「他院の選考も進んでいます」と正直に伝えることで、病院側も「早く内定を出さないと、他所に決まってしまうかもしれない」という心理が働き、選考プロセスがスピーディーに進む傾向があります。



ただし、「どこでも良い」という印象を与えないよう注意が必要です。
「複数の病院様を拝見する中で、改めて貴院の〇〇という点に最も魅力を感じています」と、それぞれの病院に対する志望度の高さを明確に伝える準備が不可欠です。これにより、内定後の条件交渉などを有利に進められる可能性も高まります。
月別カレンダーでみる看護師の転職時期


看護師の転職市場は、年間を通じて波があります。求人数が増える時期や、採用側のニーズが変化するタイミングを知ることで、転職活動を有利に進めることができます。ここでは、各月の転職市場の動向と、それに合わせた戦略をカレンダー形式で詳しく解説します。
月 | 現場・季節要因 | 求人・採用動向 | 今やるべきこと | 転職エージェント活用ポイント |
1月 | 求人再開・4月入職ラストスパート | 面接集中期、即決案件多い | 面接同時進行、退職届の準備 | 面接日程の同時調整を依頼 |
2月 | 国試前後・直前欠員求人が出やすい | スピード選考中心 | 見学同席、条件書面化 | 即日面談→最短内定サポート |
3月 | 退職・入職入替直前 | 欠員補充求人が多いが競争高 | 労働条件確認、残業実態ヒアリング | 条件交渉・見学同席を依頼 |
4月 | 新年度体制・ミスマッチ判明期 | 中途求人は一時減 | キャリア棚卸し、希望条件を明文化 | 匿名スカウトで市場調査 |
5月 | GW明けの早期離職発生 | 求人再活発化 | 職場見学・面接並行実施 | 評判・人間関係情報を活用 |
6月 | 夏ボーナス前後で退職検討者増 | 求人増加の兆し | 逆算スケジュール開始 | 10月入職求人を事前確認 |
7月 | ボーナス後・求人ピーク | 条件交渉期 | 年収交渉・面接同時進行 | 条件交渉代行で効率化 |
8月 | お盆で一時停滞→明けに再加速 | お盆明け求人再開 | 見学同席・比較表作成 | お盆明け優先紹介リスト登録 |
9月 | 下半期補強・面接最盛期 | 10月入職直前の決定ラッシュ | 条件比較・内定整理 | 面接調整と同時内定フォロー |
10月 | 入職・定着期 | 年末人員見直しが始まる | 評価面談準備・定着確認 | 再転職・再提案の相談も可 |
11月 | 年末体制の前哨戦/インフル流行本格化 | 年末欠員補充が増加、年明け採用の準備開始 | 履歴書更新、面接日程の先取り | 年明け求人の面接枠を先取り予約 |
12月 | 冬ボーナス前後で現場繁忙、採用一時停滞 | 新規求人は減るが「年明け採用枠」動き出す | 職務経歴書完成、逆質問集を準備 | 1月面談予約・非公開求人の情報収集 |
4月|新年度の実情が見える月
4月は多くの病院や施設で新年度がスタートし、新人看護師が入職する時期です。そのため、中途採用の求人は一旦落ち着く傾向にあります。
現場は新人教育や新しいチーム体制への適応で慌ただしくなりがちですが、転職希望者にとっては、その内情を見極める良い機会となります。この時期に入職したものの、理想と現実のギャップから早期離職を考える看護師も出始めるため、離職率を把握するのにも適しています。



求人自体は少ないものの、急な欠員が出た場合に好条件で迎えられる可能性もあります。
市場の動向 | 求職者の動き | 採用側の視点 |
中途採用の求人は減少傾向 | 情報収集や自己分析に時間をかける時期 | 新人教育と組織の安定化が最優先 |
新人や異動者の配置で現場が多忙 | 求人サイトに登録し、非公開求人の情報を待つ | 急な欠員が出ない限り、採用活動は一旦休止 |
5月|GW明けは“早期離職”が動く
ゴールデンウィークが明ける5月中旬頃から、4月に入職した新人看護師や異動したスタッフの中に、新しい環境に適応できず早期離職を選択する人が出始めます。いわゆる「五月病」もこの時期です。
特に中小規模の病院やクリニック、介護施設などで欠員補充のための急募求人が出てくることがあります。転職市場全体が活発になるわけではありませんが、小回りの利く組織への転職を考えている場合は、アンテナを張っておくと良いでしょう。
6月|夏ボーナス前後
夏のボーナス支給時期にあたる6月は、転職市場が再び動き出す重要な転換点です。 ボーナスを受け取ってから退職を考える看護師が増えるため、それを見越した求人が出始めます。 また、新人看護師の研修が一段落し、現場も少し落ち着きを取り戻すため、中途採用者へのフォロー体制を整えやすくなる時期でもあります。



転職活動を本格化させるには絶好のタイミングと言えるでしょう。
7月|比較と交渉のベストタイミング
6月のボーナス支給後に退職した看護師の欠員を補充するため、7月は求人数が大きく増加します。 多くの医療機関が即戦力を求めて採用活動を活発化させるため、転職希望者にとっては選択肢が広がり、複数の求人を比較検討しやすくなります。
スタッフが不足している職場が多いため、給与や勤務条件などの交渉が有利に進めやすい時期でもあります。 ただし、現場は夏休みを取得するスタッフも多く人手不足になりがちなので、入職後のサポート体制については事前に確認が必要です。
8月|お盆で一服→明けから再加速
8月はお盆休みを挟むため、採用担当者も休暇に入ることが多く、選考活動は一時的に停滞します。 求職者も夏休みを取るため、市場全体が落ち着く時期です。しかし、水面下では10月の「下半期入職」に向けた採用計画が進んでいます。この時期は、履歴書や職務経歴書の見直し、面接対策など、本格的な活動再開に向けた準備期間と捉えるのが賢明です。
9月|下半期の人員補強で“面接最盛期”
10月からの下半期スタートに向けて、多くの医療機関が人員体制を強化するため、9月は年間でも有数の求人増加シーズンとなります。 特に、即戦力となる経験豊富な看護師の需要が高まり、キャリアアップを目指す転職には最適な時期です。 面接の機会も増え、採用活動が活発化するため、複数の選考を同時進行させやすいでしょう。
市場の動向 | 求職者の動き | 採用側の視点 |
夏のボーナス後の退職者補充で求人が増加 | 複数の求人を比較検討し、積極的に応募 | 即戦力を求めて採用活動が活発化 |
10月入職に向けた採用がピークに | 条件交渉なども視野に入れて活動 | 下半期の体制を整えるため、採用意欲が高い |
10月|入職・定着フェーズ
9月までの採用活動で入職者が決まり、新しいスタッフが現場に慣れ始める時期です。そのため、求人数は一時的に減少します。しかし、採用した人材が定着しなかった場合や、予期せぬ退職者が出た場合には、追加の募集がかかることもあります。



転職市場が落ち着いている分、ライバルは少なくなるため、こまめに求人情報をチェックしておくと良いでしょう。
11月|年末体制の前哨戦
年末の繁忙期や冬のボーナス支給後の退職者を見越して、採用活動が再び活発化し始める時期です。 特に、4月入職を目標とした大規模な採用活動がスタートする時期でもあり、大学病院や総合病院などの求人も出始めます。 年内に転職を決めたい人と、来春に向けてじっくり準備したい人の両方が動き出すため、市場が賑わいを見せ始めます。
12月|冬ボーナス前後は“準備投資”が勝敗を分ける
冬のボーナス支給後には退職者が増え、それを補充するための求人が増加します。 しかし、年末年始の休暇に入るため、採用活動自体は年明けに本格化するケースが多いです。この時期は、転職エージェントに登録して情報収集を行ったり、自己分析を深めたりと、来年1月からの本格的な活動に向けた「準備期間」とすることが成功の鍵を握ります。
1月|4月入職の最終増枠
4月入職に向けた採用活動がピークを迎える1月は、年間で最も求人が多くなる月の一つです。 年末に退職した人の補充も重なり、病院からクリニック、介護施設まで幅広い選択肢から求人を探すことができます。 年始はまだ求職者の動きが活発でないため、競争率が比較的低い状態で活動を始められるというメリットもあります。



経験者にとっては有利な条件で転職活動を進められる可能性が高い時期です。
2月|国試前後で“直前欠員”増
看護師国家試験が実施されるこの時期は、新卒採用の内定辞退や、採用予定だったものの国家試験に合格できなかったことによる「直前欠員」が発生することがあります。そのため、病院側は急遽、即戦力となる中途採用の枠を設けることがあります。求人数は多くありませんが、思わぬ好条件の求人が出る可能性があるため、見逃せません。



現場も比較的落ち着いているため、入職後のフォローを受けやすい時期です。
3月|入替直前の最終確認
年度末にあたり、退職者が最終的に確定するため、駆け込みでの欠員補充求人が出ることがあります。 4月からの新体制を万全にするための最終調整が行われる時期です。求職者も4月からの転職を目指して活動が活発になるため、競争率は高くなる傾向にあります。 選択肢は限られますが、タイミングが合えばスピーディーに転職先が決まる可能性も秘めています。
市場の動向 | 求職者の動き | 採用側の視点 |
4月入職に向けた求人がピークに達する | 豊富な選択肢から比較検討し、応募先を絞る | 新年度の体制を固めるため、採用意欲が最も高い |
国試結果による急な欠員募集が発生することも | 退職交渉や引継ぎを考慮し、計画的に動く | 即戦力となる中途採用者への期待が大きい |
逆算スケジュールで最適化する看護師の転職時期


看護師の転職活動は、行き当たりばったりで進めるのではなく、希望の入職時期から逆算して計画的に進めることが成功に不可欠です。一般的に、情報収集から内定、そして退職手続きを経て新しい職場に入職するまでには、2〜3ヶ月程度の期間が必要です。 ここでは、求人が増える代表的な入職時期である「4月」と「10月」をゴールに設定し、それぞれの具体的な逆算スケジュールを解説します。
- 4月入職ルート(1–2月始動)
- 10月入職ルート(6–7月始動)
4月入職ルート(1–2月始動)
4月は新年度の始まりであり、新卒看護師の入職と合わせて中途採用も活発になる一年で最も求人数が増加する時期です。 同期入職者が多く、新しい環境に馴染みやすいというメリットがあります。 冬のボーナスを受け取ってから活動を始める看護師も多く、競争率は高まる傾向にありますが、その分選択肢も豊富です。
やることリスト
- 転職理由と希望条件の明確化
- 転職サイト・エージェントに登録、相談
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 気になる求人のリストアップ
年末年始の休暇などを利用して、まずは自己分析から始めましょう。なぜ転職したいのか、次の職場で何を叶えたいのかを言語化することで、求人探しの軸が定まります。1月は求人が増え始める時期なので、早めにエージェントに登録し、非公開求人などの情報を得られるようにしておくのが得策です。
やることリスト
- 求人への応募
- 面接対策
- Web面接・対面面接の実施
- 可能であれば職場見学
4月入職の採用活動がピークを迎える時期です。 気になる求人があれば積極的に応募しましょう。複数の選考を同時に進めることで、比較検討ができ、より納得のいく選択が可能になります。 面接日程の調整が難しい場合も出てくるため、スケジュール管理を徹底することが重要です。
やることリスト
- 内定の承諾・辞退の決定
- 給与や勤務条件の最終確認・交渉
- 現職の上司へ退職の意向を伝える
内定が出たら、雇用条件通知書の内容を隅々まで確認します。もし疑問点や交渉したい点があれば、この段階でエージェントを通じて確認・交渉を行いましょう。現職への退職の申し出は、就業規則を確認し、定められた期間(通常は1ヶ月前まで)を守って直属の上司に伝えます。
やることリスト
- 退職届の提出
- 業務の引き継ぎ
- 貸与品の返却
- 新しい職場への提出書類準備
円満退職のためにも、後任者への引き継ぎは丁寧に行いましょう。最終出勤日までに必要な手続きをすべて完了させ、新しい職場でのスタートに備えます。
10月入職ルート(6–7月始動)
10月は下半期の始まりにあたり、夏のボーナス支給後の退職者の補充や、体制強化のための求人が増える時期です。 4月入職に比べると求人数はやや落ち着きますが、即戦力を求める質の高い求人が出やすい傾向にあります。 また、ライバルが比較的少ないため、自分のペースでじっくりと転職活動を進めやすいというメリットも考えられます。
やることリスト
- 夏のボーナスを見据えつつ情報収集開始
- 転職サイト・エージェントに登録、相談
- キャリアの棚卸し、自己分析
- 応募書類の準備
夏のボーナス支給後(6〜7月)は退職者が増えるため、求人が出始めるタイミングです。 この時期から情報収集をスタートすることで、好条件の求人を逃さずキャッチできます。特に経験豊富な看護師は、即戦力として高く評価される可能性があります。
やることリスト
- 求人への応募
- 面接対策
- Web面接・対面面接の実施
- 見学面接・職場見学
7月下旬から8月にかけては医療機関も夏休みシーズンに入るため、選考スピードが緩やかになることがあります。 そのため、お盆休み前までに応募や面接の目処を立てておくとスムーズです。スケジュールに余裕を持って活動しましょう。
やることリスト
- 内定獲得、条件の確認・交渉
- 給与や勤務条件の最終確認・交渉
- 現職への退職の申し出
9月は下半期に向けて人員を確定させたい医療機関が多いため、内定が出やすい時期です。夏のボーナスを受け取った後、このタイミングで退職を申し出るのが一般的な流れとなります。退職交渉が難航することも想定し、早めに意向を伝えることが大切です。
やることリスト
- 退職届の提出、業務引き継ぎ
- 有給休暇の消化
- 入職に向けた準備
4月入職と同様に、円満退職を目指してしっかりと引き継ぎを行います。残っている有給休暇の消化計画も立てておくと、心身ともにリフレッシュして新しいスタートを切ることができます。
【看護師の転職時期別】おすすめ求人タイプ


転職を成功させるには、自身の希望と求人が増える時期のニーズを合致させることが重要です。ここでは、「夜勤を減らしたい」「年収を上げたい」といった具体的な目的別に、おすすめの求人タイプとその特徴を解説します。ご自身のキャリアプランと照らし合わせながら、最適な転職先を見つけるためのヒントにしてください。
- 夜勤少なめ
- 年収UP
- 人間関係重視
- 番外
夜勤少なめ
ワークライフバランスを重視し、心身の負担を軽減したい看護師に人気の「夜勤少なめ」や「日勤のみ」の求人。特に、子育てや介護との両立を目指す方、体力的な負担から生活リズムを整えたい方におすすめです。
»看護師が夜勤をやめてよかった5つの理由|10年以上夜勤を続けた私の体験談
求人を探す際のポイントは、勤務形態と教育体制です。求人票に「二交替制」「夜勤月4回まで」など、夜勤の回数や勤務スケジュールが具体的に明記されている職場は、労務管理がしっかりしている可能性が高いでしょう。 また、日勤のみの業務にブランクがある、あるいは経験が浅いといった不安がある場合は、中途採用者向けの研修やフォローアップ体制が整っている一般病院や療養型病院が狙い目です。



クリニックや健診センター、病院の外来は日勤が基本です。
特に4月入職に向けた1~3月や、夏のボーナス後の6~7月は退職者補充のために求人が出やすくなるため、タイミングを合わせて情報収集を始めると良いでしょう。
年収UP
さらなる収入アップを目指すなら、専門性が高く、診療報酬も高く設定されている職場がターゲットです。 具体的には急性期病院、救急外来、手術室、ICU/CCUなどが挙げられます。 これらの職場は、夜勤手当に加えて危険手当や特殊業務手当などが充実しており、基本給も高い傾向にあります。
給与は基本給だけでなく、役職や役割によっても大きく変動します。プリセプターやチームリーダー、各種委員会の担当など、自身の役割を拡張することで役職手当がつき、年収アップに直結します。 転職の面接時には、これまでの経験を具体的にアピールし、給与交渉を行うことも重要です。
専門性の高い求人は、下半期の体制強化を図る9月以降や、新年度の即戦力を求める1月~3月にかけて増加する傾向があります。 自身のスキルや経験を高く評価してくれる職場を見つけることが、年収アップ成功のカギとなります。
人間関係重視
看護師の退職理由の上位に常に挙げられるのが「人間関係」です。 転職を機に、風通しの良い職場で働きたいと考えるのは自然なことです。人間関係の良好な職場を見極めるには、いくつかの客観的な指標があります。
まず注目したいのが、病院の規模とチーム医療への取り組みです。一般的に、職員の顔と名前が一致しやすい100~300床程度の中規模病院は、部署間のコミュニケーションが活発な傾向にあります。また、医師やリハビリスタッフ、ソーシャルワーカーなど多職種が参加するカンファレンスが定期的に開催されている職場は、チームで患者を支える文化が根付いており、人間関係も円滑なことが多いです。



求人票や公式サイトで「離職率」を開示しているかも重要な判断材料です。
面接や病院見学の際には、看護師の平均年齢や勤続年数、有給消化率などを質問することで、職場の雰囲気や定着率を推し量ることができます。 職員が笑顔で挨拶を交わしているか、ナースステーションが整理整頓されているかといった点も、見学時にチェックしたいポイントです。
番外
病棟勤務以外のキャリアパスとして、近年人気が高まっているのが「産業保健師」「訪問看護師」「美容クリニック」の3つの分野です。それぞれに特有の働き方や求められるスキルがあり、メリット・デメリットも異なります。転職を検討する際は、自分の適性やキャリアプランに合っているかを慎重に見極めることが大切です。
産業保健師
企業に勤務し、従業員の健康管理やメンタルヘルスケアを担うのが産業保健師です。 主な業務は健康診断の企画・実施、ストレスチェック、健康相談、応急処置など多岐にわたります。 臨床現場とは異なり、予防医療の観点から人々の健康を支える役割を果たします。
基本的に夜勤がなくカレンダー通りの休日が多いため、プライベートとの両立がしやすいのが最大の魅力です。 一方で、看護師としての臨床スキルを直接活かす場面は少なく、求人数自体が非常に少ないという注意点があります。特に大企業では保健師資格を必須とする場合が多く、狭き門です。 企業の健康経営に興味があり、コミュニケーション能力や企画力に自信がある方に向いています。
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訪問看護師
利用者様の自宅を訪問し、主治医の指示のもとで医療的ケアや療養上のサポートを提供するのが訪問看護師の仕事です。 病状の観察から、点滴や褥瘡の処置、ターミナルケアまで、幅広い知識と技術が求められます。



利用者様一人ひとりとじっくり向き合い、その人らしい生活を支えることに大きなやりがいを感じられるのが特徴です。
日勤が基本ですが、オンコール対応がある事業所も多いです。一人で判断・対応する場面が多いため、3~5年以上の臨床経験と高いアセスメント能力が求められます。給与水準は比較的高い傾向にありますが、オンコールの頻度や手当については事前にしっかり確認することが重要です。
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美容クリニック
美容医療に特化したクリニックで、医師の施術介助やカウンセリング、レーザー照射などを行うのが美容看護師です。 自由診療が中心のため、一般的な病院に比べて給与水準が高く、インセンティブ制度を導入している施設も多くあります。
日勤のみで働ける職場が多く、美容への興味を仕事に活かせる点が魅力です。 ただし、医療行為だけでなく、営業的な側面も持ち合わせており、売上目標(ノルマ)が課されることもあります。



看護技術よりも高い接遇スキルやコミュニケーション能力が重視される傾向が強いです。
最新の美容医療の知識を学び続ける意欲があり、お客様の「美しくなりたい」という願いに寄り添うことに喜びを感じられる方に向いています。
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看護師の転職時期に沿った「今日やることチェックリスト」5つ


最適な転職時期を見極めるのと同時に、具体的なアクションを起こすことが大切です。ここでは、転職を決意したその日から始められる5つのチェックリストをご紹介します。
- 希望の優先度を3つに絞る
- 履歴書テンプレで“業務量→成果”に言い換え
- 転職エージェントに登録
- 見学用の逆質問10を準備
- 面接は最低2院同時進行
希望の優先度を3つに絞る
転職で実現したいことは数多くあるかもしれませんが、「あれもこれも」と欲張ってしまうと、本当に自分に合った職場を見つけるのが難しくなります。 まずは自分のキャリアやライフプランと向き合い、転職において「絶対に譲れない条件」を3つだけ選び出しましょう。



条件を絞ることで、求人情報を比較検討する際の明確な基準ができます。
条件を整理するために、以下の表のように「絶対に譲れない」「できれば叶えたい」「妥協できる」の3つに分類してみるのがおすすめです。
絶対に譲れない(Must)
例:年収500万円以上、年間休日120日以上、夜勤なし(日勤のみ)、プリセプター制度あり、通勤時間30分以内など
できれば叶えたい(Want)
例:託児所あり、残業月10時間未満、特定分野のスキルアップが可能、駅から徒歩5分以内など
妥協できる(Can Give Up)
例:病棟の希望、ユニフォームのデザイン、職員食堂の有無など
この作業を通じて、自分の中での転職の軸が明確になり、エージェントとの面談や求人検索がスムーズに進みます。
履歴書テンプレで“業務量→成果”に言い換え
採用担当者は、応募者が「何をどれだけやってきたか(業務量)」だけでなく、「それによってどのような成果を上げたか」を知りたいと考えています。 職務経歴書を作成する際は、具体的な数字やエピソードを交えて、自分の貢献度をアピールすることが重要です。
厚生労働省が提供するハローワークのキャリアガイドなどを参考に、アピールできる経験を洗い出すのがおすすめです。
例えば、以下のように業務内容を「成果」の視点で言い換えてみましょう。
よくある表現(業務量) | アピールできる表現(成果) |
新人看護師のプリセプターを担当しました。 | 技術チェックリストを活用することで、担当した後輩が目標期間内に夜勤独り立ちを達成できるようサポートし、早期離職の防止に貢献しました。 |
業務改善委員会に所属していました。 | 病棟内のヒヤリハット事例を分析し、マニュアル改訂と勉強会を主導しました。結果として、翌年のインシデント報告件数を前年比で15%削減することに成功しました。 |
具体的な成果を示すことで、採用担当者に入職後の活躍イメージを持たせることができます。
≫【例文付き】看護師の履歴書の書き方|転職成功のためのコツとポイントも解説
転職エージェントに登録
働きながらの転職活動は、情報収集やスケジュール管理が大きな負担になります。看護師専門の転職エージェントに登録することで、負担を大幅な軽減が可能です。 エージェントは、一般には公開されていない「非公開求人」を紹介してくれたり、面接の日程調整や給与交渉を代行してくれたりします。
複数の転職エージェントに登録するのも有効です。 それぞれのエージェントが持つ求人や得意分野が異なるため、選択肢が広がるだけでなく、複数のキャリアアドバイザーから客観的なアドバイスをもらえます。 「レバウェル看護」や「看護師ワーカー」、「ナース専科」など、実績豊富なサービスを2〜3社登録し、自分と相性の良い担当者を見つけるのがおすすめです。
≫【看護師転職エージェントおすすめ7選】年収150万円アップ&働きやすさを実現した私の成功体験も紹介!
見学用の逆質問10を準備
病院見学や面接の終盤に必ず設けられる「何か質問はありますか?」という時間は、応募者の意欲と関心の深さを示す絶好の機会です。 事前に質問を準備しておくことで、入職後のミスマッチを防ぎ、同時に「この職場で働きたい」という熱意を伝えることができます。
≫面接官経験者が伝授!看護師面接で刺さる逆質問20選とNG例
以下に、現場のリアルな情報を引き出すための逆質問リストを10個紹介します。
- 1日の業務のタイムスケジュールについて、具体的に教えていただけますか?
- こちらの病棟で活躍されている看護師の方に共通する特徴やスキルはありますか?
- 入職後、独り立ちするまでの教育プログラムやサポート体制について詳しく知りたいです。
- 看護師の平均年齢層や、子育てをしながら働いている方の割合はどのくらいでしょうか?
- 月平均の残業時間と、残業が発生する主な理由について教えてください。
- 多職種(医師、リハビリスタッフなど)との連携は、どのような形で行われていますか?
- 貴院の看護部が、今後特に力を入れていきたいと考えていることは何ですか?
- 実際に働いている看護師の方からお話を伺う機会はありますでしょうか?
- (もしあれば)Webサイトで拝見した〇〇という取り組みについて、さらに詳しく教えていただけますか?
- 私がこれまで培ってきた〇〇の経験は、貴院でどのように活かせるとお考えですか?
ただし、給与や待遇に関する直接的すぎる質問や、調べればすぐにわかるような質問は避けるのがマナーです。
面接は最低2院同時進行
転職活動において、応募先を一つに絞るのはリスクが伴います。精神的な余裕を持つためにも、最低でも2つ以上の病院・施設の選考を同時に進めるのがおすすめです。
複数の選考を並行して進めることには、以下のようなメリットがあります。
- 比較検討ができる
- それぞれの職場の雰囲気、給与、福利厚生などを客観的に比較し、自分にとって最適な選択ができます。
- 精神的な余裕が生まれる
- 「ここがダメでも次がある」と思えることで、面接で過度に緊張せず、本来の自分を出しやすくなります。
- 交渉の材料になる
- 複数の内定を得た場合、給与や勤務条件の交渉を有利に進められる可能性があります。
スケジュール管理が大変になるというデメリットはありますが、転職エージェントを活用すれば日程調整を代行してもらえるため、負担を軽減できます。内定後に辞退する際は、誠意をもって速やかに連絡を入れるようにしましょう。
看護師の転職時期に関するよくある質問


看護師の転職活動では、時期によって有利・不利があるのか、気になる疑問は尽きないものです。ここでは、転職を考える多くの看護師が抱く質問に対して、採用側の視点も交えながら具体的にお答えします。
- 年末年始は転職に不利?
- ボーナスはもらってから辞めるべき?
- 「日勤のみ」を最優先にすると何が起きる?
- 内定が複数出たら?
年末年始は転職に不利?
年末年始は、医療機関も休暇モードに入り、求人の動きが鈍くなるため、選考プロセスが停滞しがちです。そのため、すぐに転職先を決めたい方にとっては「不利」と感じるかもしれません。
しかし、この時期は転職活動の「準備期間」として捉えると非常に良いタイミングです。 多くのライバルが活動を休止している間に、自己分析やキャリアの棚卸し、履歴書・職務経歴書のブラッシュアップにじっくり時間を充てることができます。年明けから一気に増える求人に向けて万全の準備を整え、スタートダッシュを切るための最適な期間と言えるでしょう。
ボーナスはもらってから辞めるべき?
経済的な観点からは、ボーナスを受け取ってから退職するのが賢明です。多くの医療機関では、賞与の支給条件として「支給日に在籍していること」を就業規則で定めています。 そのため、退職を考えている場合でも、まずは就業規則の賞与規定を確認することが不可欠です。
ボーナスを受け取った直後に退職の意思を伝えると、円満退職が難しくなる可能性もゼロではありません。夏のボーナスであれば支給後の6月下旬から7月、冬であれば12月下旬から1月に退職交渉を始めると、引き継ぎ期間も十分に確保でき、スムーズに進めやすいでしょう。 ただし、退職の意思を伝えたタイミングによっては、将来への期待度が反映される賞与額が減額される可能性も考慮しておく必要があります。



退職日がボーナス支給日後でも、退職意思を伝えたのがボーナス前だったために大幅に減額されたという人もいました。
「日勤のみ」を最優先にすると何が起きる?
「日勤のみ」を最優先条件にすると、ワークライフバランスの向上や体力的負担の軽減といった大きなメリットが得られます。 一方で、いくつかのデメリットも想定しておく必要があります。
最も大きな変化は、夜勤手当がなくなることによる給与の減少です。 また、求人の選択肢は病院の外来、クリニック、健診センター、訪問看護、介護施設などが中心となり、急性期病棟でのキャリア形成を目指す場合は選択肢が狭まる可能性があります。 スキルアップの機会が限られる場合もあるため、給与だけでなく、どのような看護経験を積みたいのか、長期的なキャリアプランと照らし合わせて慎重に判断することが重要です。
内定が複数出たら?
複数の施設から内定を得た場合は、感情だけでなく客観的な指標で比較検討することが、後悔しない転職先選びに重要です。 そのために役立つのが「評価基準シート」です。自分にとって譲れない条件や重視する項目を洗い出し、点数化して比較することで、最も希望に合致する職場を冷静に見極めることができます。



複数の内定を比較することで、より良い条件を引き出す交渉材料になる可能性もあります。
以下に評価基準シートの例を示します。ご自身の優先順位に合わせて項目や配点を調整して活用してください。
評価項目 | A病院 | Bクリニック | 配点 (例) | A病院評価 | Bクリニック評価 |
給与・待遇 | 月給32万円 賞与4.0ヶ月 | 月給30万円 賞与4.5ヶ月 | 5 | 4 | 4 |
業務内容 | 急性期病棟 教育体制あり | 外来 プライマリケア中心 | 5 | 5 | 3 |
勤務条件 | 二交替 残業月15時間 | 日勤のみ 残業月5時間 | 4 | 3 | 5 |
通勤時間 | 電車で45分 | 自転車で15分 | 3 | 3 | 5 |
職場の雰囲気 | 見学で活気を感じた | アットホームな印象 | 4 | 4 | 4 |
キャリアパス | 認定看護師支援制度あり | 研修参加は自己判断 | 3 | 5 | 2 |
合計点 | 24 | 23 |
このように点数化することで、漠然とした印象だけでなく、自分自身の価値基準に基づいた客観的な判断が可能になります。内定承諾の返答期限も考慮しながら、納得のいく決断をしましょう。
まとめ


看護師の転職に絶対的なベスト時期はありませんが、目的別の最適解は存在します。求人が増える年度替わりやボーナス後の時期を狙いつつ、最も重要なのは「年収アップ」や「働き方改善」といったご自身の希望を明確にすることです。
本記事で解説した採用側の視点や逆算スケジュールを参考に、計画的に準備を進めましょう。まずは転職エージェントに登録し、情報収集と自己分析から始めることが、後悔しない転職への第一歩です。
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