看護師として働きながら他の仕事もしたいと悩む人は多いです。ダブルワークによって収入が上がったりスキルが向上したりと、多くのメリットがあります。ただし、労働過多になり体調を崩す危険性があるので注意が必要です。
本記事では、看護師がダブルワークをするメリットとデメリット、おすすめのダブルワークについて解説します。記事を読めば、ダブルワークを始める前に注意すべきことが分かります。
無理のないダブルワークを選べば、看護師としてのスキルを活かしながら収入を増やすことが可能ですよ。
ダブルワークとは正規の職務以外の仕事をすること
看護師のダブルワークとは、正規の職務に加え他の雇用主のもとで別の仕事をすることを指します。収入を増やす有効な手段で、空いた時間を活用して他の職場で働くことが可能です。ダブルワークは多様なスキルや経験を得る機会にもなります。
ただし、本業とのバランスと法規制の確認が重要です。体力的・精神的な負担も考慮する必要があります。
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看護師がダブルワークをするメリット
ダブルワークをすると、金銭面の余裕や人間的成長など多くのメリットがあります。
看護師がダブルワークをするメリットは以下の3つです。
- 収入が増える
- 新しいスキルや経験を得られる
- 気分転換やストレス解消になる
収入が増える
収入が増えると、生活の質が向上します。副業で得た収入は本業の収入に加えられ、家計に余裕が生まれます。日常生活でのストレスが減り、精神的にも安定しやすいです。余剰資金ができ、大きな出費に備える貯金や資産運用を通じて資産が増やせます。給与が低い職場でも、副業で収入を補填でき、経済的に安心です。
ダブルワークは将来の不安をなくすための資金を蓄えやすいといえます。
私の場合、副収入は貯蓄にまわしていました。
貯金を確保できたことで本業の収入を心置きなく使えるので、ストレスがかなり減りました。
新しいスキルや経験を得られる
新しいスキルや経験を得られることは、ダブルワークを選ぶ理由の一つです。多様な医療現場での経験により、異なる診療科目や専門分野の知識を身につけられ、キャリアアップに役立ちます。本業の勤務先では経験できないような緊急時の対応や判断力を養うことが可能です。
緊急事態に対応するスキルは、どの医療現場でも重要です。異なる職種の医療スタッフと協力すれば、コミュニケーションスキルも向上します。ダブルワークは自己効力感や達成感につながる良い機会です。自己成長を実感すると、仕事に対するモチベーションも高まります。
ダブルワークは今後の看護師としてのキャリアにおいても大きな助けとなります。
気分転換やストレス解消になる
新しい仕事環境は気分転換に最適です。同じ職場で同じ業務を繰り返すと、マンネリ化します。異なる職場や新しい業務に挑戦すれば、単調さから解放され、リフレッシュできます。変化があると活力を取り戻す助けとなり、仕事に対するモチベーションも上がりやすいです。
ダブルワークはストレス分散にも役立ちますよ。
ストレスが一箇所に集中するのを防ぎ、精神的な負担を軽減可能です。体調管理や精神の安定にも良い影響を与えます。ダブルワークを通じて、気分転換やストレス解消を図ることは、パフォーマンス向上にもつながりおすすめです。
看護師がダブルワークをするデメリット
看護師がダブルワークをする際のデメリットは無視できません。ダブルワークを選ぶ際には慎重な検討と計画が不可欠です。ダブルワークをするデメリットとして以下が挙げられます。
- 体力的・精神的な負担が大きくなる
- 本業に影響が出ることがある
- 就業規則違反のリスクがある
- プライベートな時間が減る
- 健康管理が難しくなる
- 労働条件が厳しい場合がある
体力的・精神的な負担が大きくなる
ダブルワークをすると、体力的・精神的な負担が大きいです。長時間労働や休息時間の減少により疲労が蓄積しやすくなります。労働時間が長いと疲労がたまりやすく、睡眠不足に陥りやすいです。体力回復が難しくなり、精神的なストレスも増加します。体力的・精神的な負担が大きくなると、体調を崩しやすくなります。
家庭やプライベートの時間も減り、モチベーションの維持が難しく、生産性の低下やバーンアウトに陥る可能性も高いです。
空いた時間を切り売りして仕事する以上、少なからず負担はあります。体調を崩せば働くこと自体できなくなるので本末転倒です。
本業に影響が出ることがある
ダブルワークを行うと、本業に影響が出ることがあります。ダブルワークにより疲労やストレスが蓄積すると、業務のパフォーマンスが低下します。シフトの調整が難しくなり、休息時間が確保できず、体調不良や病気になる可能性が高いです。体調不良によって集中力が散漫になり、ミスや事故が増える可能性もあります。
同僚とのコミュニケーションやチームワークにも悪影響が出ます。場合によっては、重要な会議や研修に参加できなくなる可能性が高いです。影響を最小限に抑えるには、シフトの調整や休息の確保をし、無理のない範囲でダブルワークを心がけてください。
看護師の仕事は患者さんの命に関わることもあります。インシデントが命取りになる可能性もあるので、無理にシフトを詰め込まないようにしましょう。
就業規則違反のリスクがある
看護師がダブルワークをする際の大きなリスクは就業規則違反の可能性です。就業規則には、副業を禁止されていることが多く、違反すると、解雇や懲戒処分の対象になります。健康のリスクや、労働基準法に抵触する恐れも生じます。
ダブルワークを検討する際は、現在の勤務先の就業規則を確認し、違反にならないように注意が必要です。
内緒でダブルワークをするとトラブルに発展する可能性もあります。就業先の許可を得るほうが無難です。
看護師におすすめのダブルワーク
看護師としてのスキルを活かし、無理なくダブルワークができる適した仕事があります。以下におすすめのダブルワークを紹介します。
- 夜勤専従アルバイト
- 健診センター
- 保育園・幼稚園
- イベントナース
- ツアーナース
- 訪問入浴
夜勤専従アルバイト
夜勤専従アルバイトは、夜間に特化した働き方です。高い時給や夜勤手当が期待でき、収入アップを目指す方には最適です。夜間の勤務なので、日中の時間を自由に使え、趣味や家族との時間を確保できます。夜勤に特化しているため、生活リズムが安定しやすいのがメリットです。
夜間の業務内容は比較的少ないですが、緊急対応が求められる場合があり、緊急時の対応力や観察力が重要となります。病院や老人ホーム、介護施設などさまざまな職場で募集されており、自分に合った勤務先を見つけやすいです。ただし、長時間の夜勤に身体が慣れない場合、体力的に負担があります。
私も夜勤バイトをしていました。月に2回入るだけでも6〜7万円ほど稼げていましたが、体力的にきつすぎて断念しました。
自分のペースで仕事ができる反面、孤独感を感じ、メンタルケアが必要です。
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健診センター
健診センターでのダブルワークには多くのメリットがあります。健診センターは健康診断専門の施設であり、定期健康診断や人間ドックを実施しています。短時間シフトが多く夜勤がないため、体力的な負担が少ない点も魅力です。
健診センターでの業務は健診結果の説明や問診を行います。通常の医療機関での業務とは異なり、緊急性の高い対応が少ないのが特徴です。医療機関での経験が活かせ、特定のスキルや資格が必要な場合があるので、自分の経験や資格を見直すことが重要となります。
フリーランスでの働き方も可能であり、社員健康管理の一環としての需要もあります。固定の勤務先を持たずに柔軟な働き方ができる点も大きな利点です。健診センターでのダブルワークは、体力的な負担が少ない仕事を探している看護師におすすめです。
検診は時間や人数で区切られているので、残業がほぼ発生しないことも大きなメリットです。
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保育園・幼稚園
保育園や幼稚園では、子どもの健康管理が主になります。子どもたちの安全と健康を確保しつつ、保育士との協力体制も必要です。子どもとのコミュニケーション能力や柔軟な対応が求められます。保育士と連携すると、より良い保育環境にすることが可能です。
子どもたちの信頼を得ることで、よりスムーズな健康管理ができます。保育園や幼稚園は短時間勤務も可能なので、ダブルワークとしての活動がしやすいです。保育園や幼稚園での看護師の役割は多岐にわたり、子どもたちの健康と安全を守るために重要な仕事といえます。
イベントナース
イベントナースは、コンサートやスポーツイベントなどの大規模なイベントでの救護活動を行う看護師です。短期や単発の仕事が多いためシフトの自由度が高く、時給が高めに設定されています。
応急処置や体調不良者の対応など、イベントナースの業務は多岐にわたります。
イベント会場での勤務は非日常的な環境であり、現場での緊急対応力や冷静さが必要です。イベントナースとしての経験を積むと、幅広いスキルが身につきます。求人情報は派遣会社やイベント会社のサイトで見つけやすく、興味がある方はチェックしてみてください。
ツアーナース
ツアーナースは、修学旅行や合宿などの旅行に同行する看護師のことです。対象は子どもや高齢者の団体旅行です。旅行中の健康管理と応急処置を担当し、安全を確保する重要な役割を果たします。旅行中には予期せぬトラブルや健康問題が発生する可能性が高く、専門的な知識を持つ看護師が必要です。
ツアーナースの報酬は日給制や一括報酬が一般的で、費用や宿泊先は主催者が手配します。勤務日数や時間は旅行日程によって異なり、不定期となります。
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訪問入浴
訪問入浴は、利用者の自宅で入浴支援を行うサービスです。看護師、介護士、オペレーターの3人1組で訪問し、バイタルサインのチェックや皮膚の観察などを行います。特殊な車を使用して入浴を提供しますが、移動が多く体力が必要です。
私も訪問入浴をした経験があります。利用者さんの移乗など力を必要とする場面も多いので、男性は特に重宝されやすいです。
訪問入浴には感染予防に厳しい対策が必要であり、スキルが求められます。利用者や家族の信頼を得ることも重要であり、コミュニケーション能力が必要です。
» 訪問看護師の仕事内容とやりがい、大変なことを解説!
看護師がダブルワークを選ぶときのポイント
看護師がダブルワークを選ぶときは以下のポイントを押さえることが重要です。ポイントを考慮すると、看護師が安全かつ効率的にダブルワークができます。
- シフト・勤務時間
- 必要なスキル
シフト・勤務時間
ダブルワークをする際にはシフトや勤務時間が重要です。ダブルワークは本業のシフトに合わせた時間帯で働ける仕事を見つけることが必要です。柔軟に対応してくれる職場を選ぶと、本業と調整がしやすくなります。
週末や祝日などの特定の曜日に集中して働ける職場を選ぶと、シフトの重複を避けられますよ。
勤務時間が短いアルバイトを選ぶと、体力的な負担が軽減可能です。夜勤明けや休日に負担が少ないシフトを選ぶことも重要です。シフトの調整が可能な職場を探すと、本業のシフト変更にも柔軟に対応できダブルワークが無理なく続けられます。
必要なスキル
看護師がダブルワークを選ぶ際に医療知識と臨床経験のスキルが求められます。医療知識と臨床経験は、患者のケアや医療行為を正確に行うために欠かせません。コミュニケーション能力も重要です。患者や家族、同僚との円滑なコミュニケーションがスムーズな業務遂行に役立ちます。
強い責任感も必要なスキルです。医療の現場では、高い責任意識を持ち、患者の命を預かるという覚悟が必要です。
ストレス管理能力も求められます。ダブルワークを行うとその分ストレスが増えるので、自分自身のメンタルヘルスを適切に管理できるスキルが必須だといえます。
時間管理能力も欠かせません。ダブルワークを行うと時間の使い方が複雑になるため、効率的な時間管理が重要です。ダブルワークの際は柔軟さも必要です。異なる職場や業務内容に柔軟に対応できる能力が、ダブルワークを成功させる鍵となります。
チームワークスキルも重要です。複数の職場で働くと、さまざまな人々と協力して仕事を進める機会が増えるため、良好なチームワークを築く力が役立ちます。
看護師がダブルワークをするときの注意点
看護師がダブルワークをする際には、以下の3つに注意してください。
- 本業に支障をきたさないようにする
- 確定申告が必要になることがある
- 就業規則を確認する
本業に支障をきたさないようにする
本業に支障をきたさないようにするには、本業の勤務時間を最優先に考えることが大切です。ダブルワークの勤務時間を調整し、本業の休息時間の確保をしてください。本業の勤務日とダブルワークの勤務日を分けると支障がありません。体調管理にも注意が必要です。休息を取り、睡眠時間を確保することが求められます。
本業の職場にダブルワークの有無を報告し、了解を得ることも必要です。職場の理解を得れば、トラブルを避けられます。ストレスマネジメントを実施し、精神的な負担を減らすことも大切です。適度な運動やリラクゼーションを取り入れると、体力的・精神的な負担が軽減可能です。
効率的な時間管理を行い、仕事の優先順位を明確にすれば、本業に支障をきたさずダブルワークを続けられます。
確定申告が必要になることがある
収入が増えることで確定申告が必要になることがあります。以下の条件に当てはまる場合、確定申告を行いましょう。副業をしている場合は忘れずに確認してください。
- 給与所得が一定額を超える場合
- 副業からの収入が20万円以上の場合
- 医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合
- 年金や保険金などの所得がある場合
- 配偶者控除や扶養控除を受ける場合
- ふるさと納税を行った場合
- 雑所得や不動産所得がある場合
- 株式や投資信託の売買で利益を得た場合
確定申告を怠ると無申告加算税などのペナルティを受けるため、必ず実施しましょう。
就業規則を確認する
ダブルワークを始める前に、まず就業規則を確認することが重要です。就業規則には副業に関するルールが詳細に記載されています。就業規則で副業が禁止されている場合、無視すると就業規則違反となり、懲戒処分を受ける可能性が高いです。
許可されている場合でも、副業の内容や勤務時間に制限があるので、規則を守る必要があります。事前に上司や人事部に相談し了承を得れば、トラブルを未然に防げます。就業規則の内容は変更されることがあるため、常に最新の情報を確認することも忘れないでください。事前に確認できれば、安心してダブルワークに取り組めます。
まとめ
看護師がダブルワークをする際には、メリットとデメリットを理解し、適切な選択をすることが重要です。収入の増加や新しいスキルの習得、気分転換など多くのメリットがあります。体力的・精神的な負担が本業に影響が出るリスクもあるので注意が必要です。
ダブルワークの際はシフトや勤務時間、必要なスキルを考慮し、本業に支障をきたさないように注意してください。確定申告や就業規則の確認も忘れずに行うことが大切です。ポイントを踏まえて最適なダブルワークを見つれば、充実した看護師ライフを送れます。
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