准看護師が転職する際は、不安や悩みが多いです。なぜなら、世の中の看護師転職市場は「正看護師」を中心とした情報ばかりだからです。給料の問題や、就業可能な職場の問題まで多くのハードルを乗り越えなければなりません。

私も准看護師だった時代があります。正看護師と比べても、圧倒的に選べる求人数が少なかったです。
この記事では、働きやすさや年収を比較したうえで、准看護師におすすめの職場を詳しく解説します。転職で重視すべきポイントや、失敗しないための転職エージェントの活用法、准看護師ならではの悩みやキャリアアップの可能性まで、あなたの疑問を解消します。
この記事を読めば、自分に合った転職先を見つけ、後悔しない転職を実現するための具体的な道筋が分かります。
≫正看護師と准看護師の違い5選!給料や役割、就業先の特徴を徹底比較
准看護師の転職を考える理由と現状


労働環境や給与、将来への不安など、転職を考えるきっかけは人それぞれです。多くの准看護師がなぜ転職を考えるのか、その背景と准看護師を取り巻く現状について解説します。



転職を考える主な理由としては、以下のような点が挙げられます。
- 給与や待遇への不満
- 人間関係の悩み
- 長時間労働や不規則な勤務形態によるワークライフバランスの乱れ
- 業務内容と責任の重さに対するプレッシャー
- 正看護師との業務範囲や役割の違いによる葛藤
- スキルアップやキャリアチェンジへの意欲
- より専門性を高めたいという思い
これらの悩みや希望を抱えながら、より良い労働条件や自己実現を目指して転職活動を始める准看護師が増えています。一方で、准看護師の求人動向や将来性について不安を感じている方もいるかもしれません。
准看護師の将来性
准看護師の将来性について不安視する声も多いです。結論から言えば、今後も活躍の場は多く存在すると考えられます。日本の急速な高齢化に伴い、医療や介護の現場では看護人材の需要がますます高まっているためです。
厚生労働省のデータによると、准看護師の就業者数は近年減少傾向にありますが、依然として多くの准看護師が医療・福祉の現場を支えています。
年度 | 准看護師の就業者数 |
---|---|
平成28年 | 323,111人 |
平成30年 | 304,479人 |
令和2年 | 284,589人 |
法律上、准看護師は医師や歯科医師、または看護師の指示を受けて業務を行う必要があり、自己の判断で業務を遂行できる範囲は正看護師と比べて限定されます。



管理職への昇進が難しいといった側面もあります。
しかし、地域包括ケアシステムの推進により、訪問看護ステーションや介護施設など、地域に根差した医療・介護サービスにおける准看護師の役割は重要性を増しています。基本的な看護技術や患者さんとのコミュニケーション能力は、多くの現場で高く評価されます。クリニックや健診センターなど、比較的業務範囲が明確な職場でも多くの准看護師が活躍しています。
働きながら正看護師の資格取得を目指せる支援制度を持つ病院や施設も増えています。准看護師としての経験を活かしながらキャリアアップを図る道も開かれているのです。通信制の学校や夜間の学校に通いながら働くことも可能です。



私は准看護師として昼間は病院勤務、夕方から正看護師の学校に3年間通っていました。
将来性を悲観しすぎる必要はありません。自身の希望やライフプランに合った働き方を見つけることが重要と言えるでしょう。
准看護師時代に転職で苦労した筆者の体験談
私自身も准看護師として働いていた頃、転職で苦労した経験があります。新卒で入職した急性期病院では、日々の業務に追われ、スキルアップや将来について考える余裕がありませんでした。



学校に通いながら働いていたので、心も体も余裕はゼロでした。
給与面での不満や、正看護師との業務内容の違いに悩むこともあり、3年目を迎える頃には「もっと自分らしく働ける場所があるはずだ」と転職を決意しました。
しかし、いざ転職活動を始めてみると、想像以上に大変でした。まず、求人情報の探し方です。当時は今ほど転職サイトも充実しておらず、ハローワークや知人の紹介が中心でした。准看護師向けの求人はあるものの、「正看護師資格があれば尚可」といった条件も多く、応募できる求人が限られているように感じました。
面接では「なぜすぐに正看護師を目指さなかったのか」「准看護師としてどのような貢献ができるのか」といった質問を繰り返し受け、うまく答えられずに落ち込むこともありました。特に、給与交渉では「准看護師だから」という理由で難色を示されることもあり、悔しい思いをしたことを覚えています。
決して楽な経験ではありませんでしたが、自分自身のキャリアを見つめ直し、本当にやりたいことや大切にしたい働き方を明確にするきっかけとなりました。転職活動で苦労している准看護師の方もいるかもしれませんが、この経験が少しでも参考になれば幸いです。
准看護師が転職先を選ぶ際に重視すべきポイント


准看護師が後悔しない転職を実現するためには、いくつかの重要なポイントを押さえて転職活動を進める必要があります。給与や待遇はもちろん、働きがいや将来性も見据えて、自分に合った職場を見つけることが大切です。ここでは、特に重視すべき4つのポイントについて詳しく解説します。
- 年収や給与水準について
- 働きやすい職場環境の特徴
- 福利厚生やワークライフバランス
- スキルアップや資格取得支援の有無
年収や給与水準について


転職を考える上で、収入面は非常に重要な要素です。准看護師の給与は、勤務先の施設形態(病院、クリニック、介護施設など)、地域、これまでの経験年数、保有しているスキルや資格によって大きく変動します。また、正看護師との給与体系の違いも理解しておく必要があります。
厚生労働省の調査データを見ると、准看護師の平均年収は正看護師と比較して低い傾向にあります。「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師全体の平均年収が約508万円であるのに対し、准看護師の平均年収は約418万円となっています。この差は、基本給の違いだけでなく、手当や賞与の算定基準が異なる場合があるためです。
(出典:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査)
求人情報を確認する際には、提示されている月給の総額だけでなく、その内訳を詳細にチェックすることが重要です。以下の点を必ず確認しましょう。
- 基本給
- 賞与(ボーナス)や退職金の算定基礎となることが多い、給与のベースとなる部分です。
- 各種手当
- 夜勤手当、時間外手当(残業代)、資格手当、役職手当、住宅手当、家族手当、通勤手当など、どのような手当が、いくら支給されるのかを確認します。特に夜勤がある場合は、夜勤手当の金額や回数が月収に大きく影響します。
- 賞与(ボーナス)
- 年に何回、合計で基本給の何ヶ月分が支給されるのか、過去の支給実績を確認しましょう。業績によって変動する可能性も考慮が必要です。
- 昇給制度
- 年に1回など、定期的な昇給があるか、昇給額の目安や評価制度についても確認できると、将来的な収入の見通しが立てやすくなります。
一般的に、病院(特に規模の大きい急性期病院など)は給与水準が高めですが、夜勤や残業が多い傾向があります。クリニックは夜勤がない場合が多いですが、病院に比べると給与水準がやや低いです。介護施設は施設の種類や運営母体によって給与体系が大きく異なります。



施設形態によって特徴が異なります。自身の希望する働き方と給与のバランスを考慮して転職先を選びましょう。
働きやすい職場環境の特徴


給与や待遇と同じくらい、あるいはそれ以上に重要視されるのが「働きやすさ」です。毎日多くの時間を過ごす職場だからこそ、ストレスなく、やりがいを持って働ける環境かどうかを見極めましょう。
人間関係と職場の雰囲気
スタッフ間のコミュニケーションが円滑でお互いに協力し合える雰囲気があるかは、精神的な安定に大きく影響します。看護師長や先輩看護師の人柄、医師との連携状況、他職種(リハビリスタッフ、介護職など)との関係性も確認したいポイントです。いじめやハラスメントがなく、新入職員や中途採用者を温かく受け入れてサポートする文化があるかどうかも重要です。
可能であれば、面接時だけでなく職場見学を依頼し、実際の職場の雰囲気やスタッフの表情などを自分の目で確かめることを強くおすすめします。
≫【実体験】看護師の人間関係がドロドロすぎる…乗り越えた私の7つの対処法
業務内容と負担のバランス
准看護師としての業務範囲が明確に定められており、責任の範囲が適切かを確認しましょう。日々の業務量、忙しさのピーク、残業時間の平均、休憩時間がきちんと確保されているかなども、身体的・精神的な負担に直結します。人員配置が適切か(看護師一人あたりの受け持ち患者数や利用者数など)、十分なサポート体制があるかも確認が必要です。



ブラックな職場では、看護職員の配置基準を守れていないところも存在します。
教育・サポート体制
転職者やブランクがある方に対して、どのような教育・研修プログラムが用意されているかを確認しましょう。入職後のオリエンテーション、OJTの期間や内容、プリセプターやメンター制度の有無、困ったときに相談しやすい先輩や上司がいるかどうかも、安心して業務に慣れていくための重要な要素です。
准看護師への理解と役割分担
職場によっては、准看護師の能力や経験に対する理解度に差がある場合があります。准看護師が主体性を持って業務に取り組める環境か、正看護師との間で指示系統や役割分担が明確にされ、スムーズな連携が取れているかどうかも、働きやすさを左右するポイントとなります。



多くの病院や施設では、准看護師も正看護師も「看護師」として同じ業務をおこないます。私の職場でも、誰が准看護師なのか調べなければ分からないほどです。
福利厚生やワークライフバランス
長期的に安定して働き続けるためには、福利厚生の充実度や、ワークライフバランスが取れる環境であるかどうかも重要です。ライフステージの変化にも対応できる制度が整っているかを確認しましょう。
福利厚生の充実度
社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)への加入は法律で義務付けられていますが、それ以外にも以下のような福利厚生制度があるかチェックしましょう。
- 退職金制度
- 住宅関連(住宅手当(家賃補助)、借り上げ社宅、職員寮などのきやすい職場環境の特徴)
- 通勤手当(上限額、交通手段など)
- その他(職員食堂や食事補助、制服貸与、保養所の利用、レジャー施設の割引、財形貯蓄制度、確定拠出年金制度など)
休日・休暇制度
心身のリフレッシュやプライベートの充実のために、休日・休暇制度は重要です。「年間休日数」は一つの目安となり、一般的に120日以上あると多いとされます。完全週休2日制かどうかに加え、有給休暇の取得しやすさ(平均取得日数や取得率)、夏季休暇、年末年始休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇などの特別休暇の有無も確認しましょう。



希望休がどの程度考慮されるかも、働きやすさに影響します。個人的には3日ほど希望できるのがベストです。
勤務時間・勤務形態
日勤のみ、夜勤あり(2交代制、3交代制)、早番・遅番などのシフト制か、固定時間制かなど、自分のライフスタイルや希望に合った勤務形態かを確認します。
夜勤がある場合は、1回あたりの勤務時間、休憩・仮眠時間の確保状況、夜勤の回数なども重要なチェックポイントです。平均的な残業時間や、残業代がきちんと支払われるかも確認が必要です。



生活スタイルや収入面を考慮して、自分に合った働き方を選択しましょう。
子育て・介護支援制度
結婚、出産、育児、家族の介護など、ライフステージの変化に対応できる支援制度が整っているかは、長く働き続ける上で重要です。院内保育所(託児所)の有無や利用条件、育児休業・介護休業の取得実績、時短勤務制度や子の看護休暇などの利用しやすさなどを確認しましょう。



男性の育児休業取得実績なども参考になります。
スキルアップや資格取得支援の有無


准看護師として働きながら専門性を高めたい、将来的には正看護師を目指したいと考えている方もいるでしょう。自身のキャリアプランを実現するために、教育制度や資格取得支援制度が整っているかどうかも、転職先を選ぶ上で重要な判断基準となります。
院内研修・勉強会の充実度
定期的に院内研修や勉強会が開催されているか、どのようなテーマを扱っているか、参加しやすい雰囲気かを確認しましょう。最新の医療・看護知識や技術を学ぶ機会、事例検討会などを通じて、日々の業務に活かせる学びがあることは、専門職としての成長に不可欠です。
正看護師資格取得支援制度
准看護師から正看護師へのキャリアアップを目指す場合、職場からのサポートがあるかどうかは大きなポイントです。具体的には、以下のような支援制度の有無と内容を確認しましょう。
- 学費支援
- 入学金や授業料の貸与または補助制度があるか。
- 勤務配慮
- 看護学校(通信制含む)に通うための勤務時間の調整、シフトの配慮、休日の確保などが可能か。
- 奨学金制度
- 独自の奨学金制度や、外部の奨学金制度利用への協力があるか。
これらの支援制度を利用する際の条件(勤続年数など)や、資格取得後に一定期間その職場で働く義務(いわゆる「お礼奉公」)があるかどうかも、事前に確認しておく必要があります。



特に実習中の勤務や給料への配慮があるかどうかは、必ず確認しておきましょう。
外部研修への参加支援
院外の学会や研修会、セミナーへの参加を奨励し、参加費用の一部または全額補助、出張扱いでの参加などの支援があるかも確認しましょう。専門分野の知識を深めたり、他の施設の看護師と交流したりする良い機会となります。
准看護師におすすめの転職先10選


准看護師の資格を活かせる職場は多岐にわたります。ここでは、それぞれの職場の特徴、仕事内容、メリット・デメリットなどを詳しく解説し、准看護師に合った転職先を見つけるための情報を提供します。
給与水準や働きやすさ、将来性なども考慮して、おすすめの転職先を10箇所厳選しました。
- 療養型病院
- 急性期病院
- 精神科病院
- 訪問看護ステーション
- 外来クリニック
- 美容クリニック
- 介護施設
- 保育園
- 健診センター
- 透析室
≫【看護師の種類と特徴】職場や関連資格の違いを分かりやすく解説!
療養型病院
療養型病院は、急性期の治療を終えて病状は安定しているものの、引き続き長期的な医療管理やリハビリテーション、介護が必要な患者さんが入院する施設です。医療療養病床と介護療養病床(または介護医療院)があります。
仕事内容
主な業務は、患者の健康管理(バイタルサイン測定、状態観察)、服薬管理、インスリン注射、血糖測定、経管栄養、喀痰吸引、褥瘡の処置・ケア、そして食事、入浴、排泄などの日常生活援助です。看取りに関わることもあります。



急性期病院に比べ、医療処置よりケアの比重が大きい傾向にあります。
メリット
- 患者と長期的に関われ、信頼関係を築きやすい
- 急変が少なく、比較的落ち着いた環境で働けることが多い
- 残業が少ない傾向にあり、ワークライフバランスを保ちやすい
- ブランクがある方や経験が浅い方でも比較的馴染みやすい
デメリット・注意点
- 急性期のような高度な医療スキルを磨く機会は少ない
- 日常生活援助が多く、体力的な負担を感じることがある
- 給与水準は夜勤の有無にもよるが、急性期病院と比較するとやや低い場合がある
向いている人
患者さんとじっくり向き合いたい方、ワークライフバランスを重視する方、高齢者看護やケア業務に関心がある方におすすめです。
急性期病院
急性期病院は、病気の発症直後や症状が急激に悪化した患者さんに対し、高度で専門的な医療を提供する病院です。手術や救急対応など、迅速な判断と処置が求められます。
仕事内容
バイタルサイン測定、点滴・注射、採血、手術前後のケア、救急対応、検査の補助、患者や家族への説明、記録などが主な業務です。准看護師は看護師の指示のもとでこれらの業務を行いますが、病院や病棟の方針により業務範囲は異なります。



急性期における准看護師はチーム医療の一員として、多職種との連携も重要です。
メリット
- 最新の医療知識や技術に触れ、スキルアップが目指せる
- 多様な症例を経験でき、看護師としての実践能力が高まる
- 教育体制が整っている病院が多く、研修なども充実している場合がある
- 給与水準は、夜勤手当などを含めると比較的高めな傾向
デメリット・注意点
- 緊急入院や急変が多く、常に緊張感が求められ、精神的なプレッシャーが大きい
- 業務が多忙で、残業が多くなる傾向がある
- 准看護師の業務範囲が制限されている場合がある
- 夜勤が必須となることが多い
向いている人
医療の最前線でスキルを磨きたい方、スピード感のある仕事がしたい方、体力と精神力に自信がある方、チーム医療に関心がある方に向いています。
精神科病院
精神科病院は、統合失調症、うつ病、依存症、認知症など、精神疾患を持つ患者の治療やケアを専門に行う病院です。症状に応じて、閉鎖病棟と開放病棟があります。
仕事内容
主な業務は、患者さんの精神状態の観察、コミュニケーションを通じた精神的ケア、服薬管理・指導、作業療法やレクリエーションの補助、日常生活の援助、行動制限時の対応などです。身体的なケアが必要な場合もあります。



精神科では患者との対話が非常に重要となります。
メリット
- 多様な症例を経験でき、看護師としての実践能力が高まる
- 身体的な負担は、一般科に比べて少ない場合がある
- 残業が比較的少ない傾向にある
- 精神科未経験でも受け入れている病院が多い
デメリット・注意点
- 患者とのコミュニケーションに難しさを感じることがある
- 暴言や暴力などのリスクに備える必要がある
- 一般科で求められる医療処置のスキルを維持・向上させる機会は少ない
- 閉鎖的な環境にストレスを感じる場合がある
向いている人
コミュニケーション能力が高い方、精神的なケアに関心がある方、忍耐強く患者と向き合える方、心理的なサポートにやりがいを感じる方におすすめです。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは、病気や障害を持ちながら自宅で療養する方に対し、看護師などが訪問してケアを提供する事業所です。医師の指示に基づき、医療処置やリハビリ、日常生活の支援を行います。
≫【需要拡大】訪問看護とは?在宅患者を支える看護師の役割と仕事内容を解説
仕事内容
利用者の自宅を訪問し、バイタルサイン測定、病状観察、服薬管理、点滴、褥瘡処置、カテーテル管理、在宅酸素療法管理、リハビリテーション、入浴介助、清拭、食事・排泄の援助、家族への介護指導・相談などを行います。准看護師は、看護師の指示のもと、または看護師と同行して業務を行うこともありますが、事業所によっては単独での訪問もあります。



私がアルバイトで勤務していた事業所では、准看護師も正看護師と変わらず「1人の看護職員」として業務していました。
メリット
- 利用者一人ひとりに合わせた個別性の高いケアを提供できる
- 利用者の生活の場でケアを行うため、より深く関わることができる
- 日勤が中心で、土日祝日が休みの場合が多く、ワークライフバランスを取りやすい傾向がある
- 多様な疾患や状況に対応するため、幅広い知識や経験が身につく
デメリット・注意点
- 基本的に一人で訪問し、判断・対応することが求められるため、相応の経験とスキルが必要
- 緊急時の対応やオンコール体制がある場合がある
- 移動時間が長く、天候によっては負担が大きい
- 移動時間が長く、天候によっては負担が大きい
向いている人
利用者や家族と密接に関わりたい方、主体的に考えて行動できる方、車の運転が苦にならない方、地域医療に貢献したい方に向いています。



トラブルや急変に一人で対処し、的確に判断できる人にも向いています。
外来クリニック
外来クリニック(診療所)は、入院施設を持たない、あるいは19床以下の小規模な医療機関です。内科、外科、小児科、皮膚科、眼科など、様々な診療科があります。
≫クリニックに勤務する看護師の仕事内容がつらい理由【対処法も詳しく解説!】
仕事内容
主な業務は、医師の診察補助、問診、バイタルサイン測定、採血、注射、点滴、検査(心電図、レントゲン補助など)、処置の介助、患者さんへの説明、電話対応、予約管理、院内整備など多岐にわたります。



小規模なクリニックでは、看護師が受付や会計業務を兼務することもあります。
メリット
- 夜勤がなく、日曜・祝日や平日の半日などが休診となることが多く、規則的な生活を送りやすい
- 地域に密着し、顔なじみの患者と長く関わることができる
- アットホームな雰囲気の職場が多い
- 残業が比較的少ない傾向にある
デメリット・注意点
- 病院に比べて給与水準は低い傾向がある
- スタッフの人数が少ないため、人間関係が濃密になりやすい
- 幅広い業務をこなす必要があり、看護業務以外の雑務も多い場合がある
- 学べる医療知識や技術が特定の診療科に限られる
≫スタッフがすぐ辞めるクリニックの共通点と看護師の職場選びのポイントを解説!
向いている人
ワークライフバランスを重視したい方、地域医療に貢献したい方、コミュニケーション能力が高い方、特定の診療科に興味がある方におすすめです。マルチタスクが得意な方も力を発揮できます。
美容クリニック
美容クリニックは、美容医療(脱毛、美肌治療、痩身、プチ整形、美容整形手術など)を専門に提供する医療機関です。自由診療が中心となります。
≫美容クリニック看護師の魅力とは?仕事内容・給与・特典を徹底解説
仕事内容
主な業務は、医師の診察・施術の補助、レーザー照射や注入などの施術(研修後)、カウンセリング、術前・術後のケア、患者さんへの説明、予約管理、物品管理などです。接遇スキルも重視されます。



美容機器などの販売もあるため、営業力も求められることがあります。
メリット
- 美容に関する最新の知識や技術を習得できる
- 日勤のみで、予約制のため残業が少ない傾向がある
- 給与水準が比較的高く、インセンティブ制度があるクリニックもある
- 清潔でおしゃれな環境で働けることが多い
- 従業員割引で施術を受けられる場合がある
デメリット・注意点
- 一般的な看護スキル(採血、点滴など)を使う機会が減る可能性がある
- ノルマや営業目標が課される場合がある
- 患者さんからの美意識に関する要求が高く、クレーム対応が必要な場合がある
- 自由診療のため、景気の影響を受けやすい
- 准看護師の採用を行っていない、または業務範囲が限られるクリニックもある
向いている人
美容に関心が高い方、接遇スキルに自信がある方、日勤のみで高収入を目指したい方、新しい技術の習得に意欲的な方に向いています。
介護施設
介護施設には、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス(通所介護)など様々な種類があります。入居者の健康管理や医療的ケアを担います。
≫介護施設の看護師の役割・仕事内容を紹介|施設別の具体例と働くメリット・デメリット
仕事内容
主な業務は、入居者・利用者のバイタルサイン測定、健康状態の観察、服薬管理、褥瘡の処置、経管栄養、喀痰吸引、インスリン注射などの医療処置、嘱託医との連携、介護職員への指導・連携、緊急時の対応、健康相談などです。施設の種類によって、医療依存度や看護師の役割は異なります。



あくまで介護施設なので、介護士と同様にオムツ交換などの身体介助も行います。
メリット
- 高齢者看護や介護分野の知識・スキルが深まる
- 利用者と長期的に関わり、生活を支えるやりがいを感じられる
- 日勤のみや夜勤回数が少ない施設もあり、働き方を選びやすい
- 医療処置の頻度は病院に比べて少ない場合が多く、ブランク明けでも比較的働きやすい
デメリット・注意点
- 看護師の配置人数が少なく、判断を求められる場面が多い
- 介護業務(食事、入浴、排泄介助など)を手伝う場面もある
- 給与水準は、病院と比較すると低い傾向がある
- 看取りに関わることもある
- 施設によってはオンコール対応がある
向いている人
高齢者看護に関心がある方、利用者の生活に寄り添ったケアをしたい方、コミュニケーション能力が高い方、介護スタッフと協力して働ける方におすすめです。
保育園
保育園で働く看護師は、園児たちの健康管理や怪我・急病時の対応、保健指導などを担当します。近年、医療的ケア児の受け入れ増加に伴い、看護師配置の重要性が高まっています。
仕事内容
主な業務は、園児の健康観察(視診、検温など)、怪我や体調不良時の応急処置、感染症対策、保健だよりの作成、職員や保護者への保健指導、与薬管理、医療的ケアが必要な園児への対応(吸引、経管栄養など)、健診の補助などです。



看護師であっても、保育補助に入ることもあります。
メリット
- 子どもたちの成長を間近で見守ることができる
- 基本的に日勤のみで、土日祝日が休みの場合が多い
- 残業が少ない傾向にある
- 予防医療や健康教育に関わることができる
デメリット・注意点
- 看護師が一人配置の場合が多く、判断力や責任が求められる
- 医療処置を行う機会は少ない
- 給与水準は、医療機関に比べて低い傾向がある
- 園児だけでなく、保護者や保育士とのコミュニケーションも重要
- 准看護師の採用は、自治体や園の方針により異なる場合がある
向いている人
子どもが好きな方、小児科経験がある方(必須ではない)、健康管理や保健指導に関心がある方、コミュニケーション能力が高い方、突発的な対応に冷静に対処できる方に向いています。
健診センター
健診センター(健康管理センター)は、企業や自治体の健康診断や人間ドックなどを専門に行う施設です。病気の予防や早期発見を目的としています。
≫【健診センターで働く】看護師の仕事内容と給料は?プライベート充実!
仕事内容
主な業務は、健康診断の各検査(身長・体重測定、視力・聴力検査、血圧測定、採血、心電図、肺機能検査、眼底・眼圧検査、婦人科検診の介助など)の実施・補助、問診、結果の説明、保健指導、受診者への案内、データ入力などです。



健診バスで巡回健診(企業などに出向く)を担当することもあります。
メリット
- 基本的に日勤のみで、残業が少ない傾向にある
- 日曜・祝日が休みの場合が多い
- 健康な方を対象とすることが多く、精神的な負担が少ない
- 採血などの基本的な看護技術を活かせる・磨ける
- 予防医療に関わることができる
デメリット・注意点
- 繁忙期(春や秋など)は忙しくなることがある
- 毎日同じ業務の繰り返しになりやすい
- 高度な医療処置やアセスメント能力を磨く機会は少ない
- 給与水準は、病院に比べて低い傾向がある
- 巡回健診がある場合は、早朝勤務や出張がある
向いている人
ワークライフバランスを重視したい方、基本的な看護技術(特に採血)に自信がある方、コミュニケーション能力が高い方、ルーチンワークが苦にならない方、予防医療に関心がある方におすすめです。
透析室
透析室(透析クリニック、病院の透析センター)は、腎不全の患者に対し、血液透析療法を行う専門部署・施設です。
仕事内容
主な業務は、透析治療の準備、穿刺(シャントへの針刺し)、透析中のバイタルサイン測定・状態観察、プライミング(透析回路の準備)、返血、止血、透析機器の操作・管理、患者さんのフットケア、食事・水分管理などの生活指導、シャント管理指導などです。准看護師は、看護師の指示のもとでこれらの業務を行います。
メリット
- 透析看護という専門性の高いスキルを習得できる
- 患者と長期的に関わり、信頼関係を築きやすい
- 日勤のみ、あるいは準夜勤までのシフトが多く、日曜休みの場合が多い
- 予約制のため、比較的残業が少ない傾向にある
- 給与水準は、クリニックや一般病棟と比較して同等かやや高い傾向がある
デメリット・注意点
- 穿刺や機器操作など、習得すべき専門技術が多い
- 透析中の急変対応など、迅速な判断と対応が求められる場面がある
- 長期間透析を受けている患者とのコミュニケーションに配慮が必要
- 同じ業務の繰り返しと感じることがある
- ドライウェイト管理など、患者さんの自己管理能力に依存する部分も大きい
向いている人
専門性を身につけたい方、機械操作に抵抗がない方、患者さんとじっくり関わりたい方、コミュニケーション能力が高い方、ルーチンワークの中で正確性を保てる方に向いています。
准看護師の転職におすすめの転職エージェント


准看護師の転職活動を成功させるためには、転職エージェントの活用が非常に有効です。転職エージェントは、豊富な求人情報の中から希望に合った職場を探してくれるだけでなく、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、給与などの条件交渉まで、転職活動全体を無料でサポートしてくれます。
ここでは、准看護師の転職サポートに実績があり、評判の良い主要な転職エージェントを3つご紹介します。
- ナース専科(旧ナース人材バンク)
- レバウェル看護(旧看護のお仕事)
- 看護師ワーカー


ナース専科(旧ナース人材バンク)


利用料金(税込) | 無料 |
求人数 | 約22000件 |
エリア | 47都道府県 |
職種 | 看護師、准看護師、助産師、保健師、認定看護師、管理職 |
雇用形態 | 正社員、派遣社員、アルバイト、パート |
おすすめな人 | 幅広い選択肢から、自分にピッタリな求人を探したい人 |
ナース専科は、株式会社エス・エム・エスが運営する看護師専門の転職エージェントです。長年の実績と豊富な求人数を誇り、准看護師向けの求人も多数保有しています。病院やクリニックはもちろん、介護施設や訪問看護ステーションなど、幅広い選択肢の中から希望に合った職場を探すことが可能です。
ナース専科の特徴は、情報量の多さと経験豊富なキャリアアドバイザーによる質の高いサポートです。求職者一人ひとりの経歴や希望を丁寧にヒアリングし、最適な求人を紹介してくれます。応募書類の添削や面接対策、入職後のフォローまで、一貫したサポート体制が整っているため、初めての転職やブランクのある方でも安心して利用できます。全国に対応しており、地域ごとの求人情報にも精通しています。



詳しいサポート内容や利用方法は、以下の記事をチェックしましょう。


レバウェル看護(旧看護のお仕事)


利用料金(税込) | 無料 |
求人数 | 約140000件以上 |
エリア | 47都道府県 |
職種 | 看護師、准看護師、助産師、保健師 |
雇用形態 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤、夜勤専従パート、非常勤 |
おすすめな人 | 好条件の非公開求人から理想の転職先を探したい人 |
レバウェル看護は、レバウェル株式会社が運営する看護職に特化した転職エージェントです。「看護のお仕事」から名称変更されましたが、サービスの質はそのままに、より利用しやすくなっています。特に、求職者への丁寧なヒアリングと、スピーディーできめ細やかな対応に定評があります。
レバウェル看護の強みは、豊富な求人数と、キャリアアドバイザーの情報収集力です。全国各地の医療機関や施設との強いパイプを持ち、職場の雰囲気や人間関係といった内部情報にも詳しいため、入職後のミスマッチを防ぎやすいのが特徴です。LINEでの相談も可能で、忙しい准看護師でも気軽に連絡を取り合える点も魅力です。非公開求人も多く扱っており、好条件の求人に出会える可能性も高いでしょう。給与交渉や円満退職のサポートも充実しています。



レバウェル看護の魅力や特徴は、以下の記事で詳しく紹介しています。


看護師ワーカー


利用料金(税込) | 無料 |
求人数 | 約47,000件以上 |
エリア | 47都道府県 |
職種 | 看護師、准看護師、助産師、保健師 |
雇用形態 | 正社員、派遣社員、アルバイト、パート、応援看護師 |
おすすめな人 | 自分で探す手間を省き、希望条件を叶えたい人 |
看護師ワーカーは、株式会社トライトキャリアが運営する医療・福祉分野に強い転職エージェントです。非公開求人が多く、准看護師が活躍できる多様な職場の求人を豊富に取り扱っています。都市部だけでなく地方の求人も充実しているため、希望の勤務地で仕事を探しやすいのが特徴です。
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准看護師の転職でよくある疑問と悩み


准看護師として転職を考える際、多くの方が様々な疑問や悩みを抱えています。ここでは、准看護師の転職でよく聞かれる疑問について詳しく解説します。
- 准看護師でもキャリアアップできる?
- 准看護師では働けない職場がある?
- 准看護師の転職での強みは?
准看護師でもキャリアアップできる?
「准看護師のままではキャリアアップは難しいのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。確かに、正看護師と比べて昇格の機会は限られていますが、准看護師でも着実にキャリアを築いていくことは可能です。
臨床現場での経験を積むことで、リーダーや主任といった役職に就くチャンスがあります。特定の診療科や分野(透析、内視鏡、手術室など)で専門的な知識や技術を深めることは、自身の市場価値を高め、キャリアアップにつながります。介護分野では、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得するなど、看護の知識を活かした別のキャリアパスも考えられます。ケアマネジャーの受験資格には、准看護師としての実務経験も認められています。



もちろん、さらなるキャリアアップを目指すのであれば、正看護師の資格取得が有効な選択肢となります。
正看護師になることで、業務範囲が広がり、管理職への道も開けやすくなります。現在では、准看護師として働きながら正看護師を目指せる通信制の看護学校もあります。多くの医療機関で、資格取得支援制度(学費補助や勤務時間の調整など)が設けられているため、積極的に活用を検討してみましょう。
≫【ジャンル別】看護師のキャリアアップに有利な資格20選!取得のポイントも解説
准看護師では働けない職場がある?
法律(保健師助産師看護師法)上、准看護師が働くことを禁止されている職場は基本的にありません。しかし、業務内容や役割には正看護師との違いがあります。
准看護師は、医師、歯科医師、または看護師の指示を受けて業務を行う必要があり、自己の判断で看護業務を完結することはできません。施設の方針や業務内容によっては、正看護師資格が必須とされる場合があります。
正看護師の資格が必要とされるケース
- 管理職ポジション
- 訪問看護ステーションの管理者
- 一部の高度急性期病院や特定機能病院
- 教育機関
転職活動の際は、求人情報の応募資格をよく確認することが重要です。「看護師」とだけ記載されている場合でも、准看護師が含まれるケースと含まれないケースがあるため、不明な点は事前に問い合わせるのが確実です。



以下の表は、准看護師と正看護師の主な違いをまとめたものです。
項目 | 准看護師 | 正看護師 |
---|---|---|
根拠法 | 保健師助産師看護師法 第6条 | 保健師助産師看護師法 第5条 |
免許 | 都道府県知事免許 | 厚生労働大臣免許 |
業務内容 | 医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、療養上の世話又は診療の補助を行う。 | 傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする。(自己の判断による業務遂行が可能) |
指示の必要性 | 常に必要 | 自己判断による業務が可能(ただし、医師の指示が必要な業務も多い) |
准看護師の転職での強みは?
豊富な臨床経験がある場合は、何よりの強みです。療養型病院やクリニック、介護施設など、准看護師が多く活躍している現場では、即戦力として高く評価されます。基本的なバイタルサイン測定、注射、採血、点滴管理、褥瘡ケア、清潔ケアといった看護技術は、多くの職場で必要とされており、これらを確実にこなせる能力は大きなアピールポイントになります。
患者やその家族、医師、他のコメディカルスタッフとのコミュニケーション能力や連携能力も、准看護師として培ってきた重要なスキルです。特に高齢化が進む日本では、介護施設や在宅医療の分野で看護師の需要が高まっており、准看護師への期待も大きくなっています。これらの分野では、准看護師が中心的な役割を担っている施設も少なくありません。
転職活動では、これまでの職務経歴を具体的に示し、どのような経験を積み、どのようなスキルを身につけてきたのか、そして新しい職場でどのように貢献できるのかを明確に伝えることが重要です。



職務経歴書や面接で、自信を持って自身の強みをアピールしましょう。
まとめ


准看護師の転職は、自身の経験や希望に合わせて多様な選択肢があります。転職を成功させるためには、年収だけでなく働きやすい環境、福利厚生、将来のキャリアパスなどを総合的に考慮することが重要です。
この記事で紹介した療養型病院やクリニック、介護施設などの情報を参考に、ご自身に最適な職場を見つけてください。ここで紹介したような転職エージェントの活用も、スムーズな転職活動に繋がります。准看護師としての強みを活かし、より良い環境で活躍されることを応援しています。
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