職務経歴書はキャリアをアピールする大切な書類です。しかし、看護師として転職を考えた際に、職務経歴書の書き方で悩んでいる人は多いです。本記事では、看護師の職務経歴書の書き方を項目別に詳しく解説します。職務経歴書を書く際のポイントや施設別の書き方も紹介するので、参考にしてください。
職務経歴書は「施設に求められる看護師像」を意識して書きましょう!具体的な実績やスキルを数字や具体例でアピールすると効果的です。
記事を読むことで、職務経歴書の書き方が理解でき、キャリアを最大限にアピールできます。
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【項目別】看護師の職務経歴書の書き方
職務経歴書を作成する際は、項目ごとの記載方法が重要です。看護師としての経験やスキルを明確に伝えるため、以下の項目別の記載方法を解説します。
- タイトル
- 日付・氏名
- 職務要約
- 職務内容
- 活かせるスキル・経験
- 資格・免許
- 自己PR
タイトル
タイトルは「職務経歴書」と文書の中央に記載し、大きめのフォントで明示しましょう。書類全体の趣旨を明確にし、後続の内容を読みやすくするためです。タイトルがはっきりしていると、採用担当者にすぐに理解してもらえます。
日付・氏名
日付と氏名はページの右上に記載します。書類の作成日と作成者を明確にするためです。「2024年10月1日 山田太郎」といった形で記載します。書類が正式なものであることを示せます。
職務要約
職務要約は、職務経験を簡潔にまとめる重要な項目です。「総合病院で5年、訪問看護ステーションで3年の経験を持ち、主に内科疾患の患者を担当」といった形で記載します。経験を明確に伝えることで、即戦力としてアピールすることが可能です。
応募先の分野での経験があれば即戦力として好印象を与えられます!
職務内容
職務内容は、業務内容を詳細に記載します。どのような環境で働いていたのかを明確に伝えるためです。「総合病院では内科病棟の夜勤リーダーとして勤務し、患者の状態観察や薬剤管理、緊急対応を担当」といった形で記載します。具体的な業務能力を示すことが可能です。
活かせるスキル・経験
スキルや経験を明示すれば、専門性や強みをアピールできます。看護技術の習得は基本中の基本です。採血や注射、点滴、バイタルサイン測定など日常的に行う技術はもちろん、電子カルテや医療システムの操作経験も記載しましょう。即戦力として働けることを示せます。
チーム医療では、協力とコミュニケーション能力が重要です。患者への対応力も重視されます。コミュニケーションや相談対応、心理サポートなどの経験があると、信頼関係を築く助けになります。感染症対策の知識や実践経験、緊急対応スキルも強みです。
急変時の対応や救急医療の経験があると、緊急時にも冷静に対応できることをアピールできます。看護師としての教育・指導経験やリーダーシップも大切です。新人看護師や看護学生の指導経験や看護チームのリーダー経験があれば、指導力や統率力を示せます。英語などの語学スキルは、外国人患者への対応に有利です。
専門分野の経験と知識を持つことも、特定の診療科での専門性をアピールする材料になります。
資格・免許
看護師としての資格や免許は、専門性やスキルを証明することが可能です。基本的な資格として「看護師国家資格」があります。看護師として働くために必須の資格です。「保健師国家資格」や「助産師国家資格」もあります。専門的な看護分野で働くための資格です。
高度な専門知識を持つことを示す「専門看護師資格」や「認定看護師資格」も存在します。「精神看護専門看護師資格」や「小児看護専門看護師資格」などもあります。特定の分野での専門性をアピールすることが可能です。
「看護管理者認定資格」や「認定看護管理者資格」は、管理職としての能力を証明できます。資格・免許を持っていることは、専門性やスキルの証明だけでなく、転職活動においても大きな強みです。資格や免許の欄を充実させると、実力をしっかりとアピールできます。
自己PR
自己PRは、強みや目標を記載します。人間性や意欲を伝えるためです。「患者との信頼関係を大切にし、常に患者目線でのケアを心がけています」といった形で記載すれば、熱意や人柄が伝わります。
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看護師の職務経歴書を書くときのポイント
看護師の職務経歴書を書く際は、いくつかのポイントを押さえましょう。採用担当者に対して、効果的に経歴やスキルをアピールできます。看護師の職務経歴書を書くときのポイントは以下のとおりです。
- 基本的にはパソコンで作成する
- A4サイズで1~2枚にまとめる
- 箇条書きで読みやすくまとめる
- 履歴書と一貫性を持たせる
基本的にはパソコンで作成する
看護師の職務経歴書は、基本的にパソコンで作成しましょう。書式設定が簡単で整ったレイアウトを作成できます。Microsoft WordやGoogle Docsを使えば、スペルチェックや文法チェックが利用でき、ミスも減ります。パソコンで作成すると、修正や編集が簡単です。
デジタル保存が可能でバックアップも取りやすいため、紛失の心配がありません。職務経歴書は重要な書類なので、パソコンで作成すれば、よりプロフェッショナルな印象を与えられます。
職務経歴書はパソコンで作成し、整ったフォーマットを心掛けましょう。デジタル保存で紛失の心配も解消できます!
A4サイズで1~2枚にまとめる
看護師の職務経歴書は、コンパクトで読みやすい形式にまとめることが重要です。A4サイズで1~2枚に収めると、採用担当者が短時間で必要な情報を把握しやすくなります。不要な情報や細かい説明は省き、主な職務経験とスキルに焦点を当ててください。過去の勤務先や担当業務、達成した成果なども簡潔に記載します。
職務経歴書は「簡潔さ」が命です!主な職務経験とスキルに絞り、レイアウトもすっきり整えることで、採用担当者に好印象を与えましょう。
情報を詰め込みすぎないように注意しましょう。すっきりとしたレイアウトにすれば、視覚的にも好印象を与えられます。
箇条書きで読みやすくまとめる
職務経歴書を箇条書きにすれば、読みやすさと理解のしやすさが向上します。視覚的に情報を整理できるからです。情報が一目でわかるため、忙しい採用担当者に好印象を与えられます。内容を適度に整理し、余白を活用すれば、見やすさが格段に向上します。重要なポイントを強調できる点もメリットです。
履歴書と一貫性を持たせる
履歴書と職務経歴書に統一性を持たせると、一貫したプロフェッショナルな印象を与えられます。以下の点に注意しましょう。
- 内容や書式を統一する
- 履歴書の情報を職務経歴書にも反映させる
- 学歴・職歴の記載順を統一する
- 自己PRやスキルの強調ポイントを一致させる
- 使用するフォントや文字サイズを統一する
- 日付や勤務期間の記載順を統一する
履歴書に「2020年4月〜2023年3月 総合病院勤務」と記載した場合、職務経歴書でも同じ期間を記載しましょう。使用するフォントや文字サイズも統一すれば、書類全体が見やすくなります。一貫性を保つと信頼性が高まり、採用担当者に良い印象を与えることが可能です。
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【施設別】看護師の職務経歴書の例文
看護師の職務経歴書の例文を以下の施設別に紹介します。
- 総合病院
- 訪問看護ステーション
- デイサービス
- 保健師
総合病院
総合病院での看護師の職務経歴書を書く際には、幅広い診療科や患者層に対応した経験をアピールすることが重要です。総合病院は多岐にわたる診療科を持ち、急性期から回復期までの患者に対応する必要があるためです。看護師は専門的な知識や技術を習得する必要があります。
職務経歴書の例文は以下のとおりです。
○○総合病院で勤務し、一般病棟での看護業務を担当しました。患者の状態管理や医師の指示に基づく治療、看護計画の立案・実施が主な業務です。急性期の患者対応や手術前後のケアが得意です。
訪問看護ステーション
訪問看護師の職務経歴書を書く際には、患者の自宅でのケアに必要なスキルがあることをアピールしましょう。在宅療養患者の健康状態を観察し、必要な医療処置やリハビリテーションを行えることを記載します。家族への介護指導経験なども書いてください。利用者とのコミュニケーション能力も、アピールポイントになります。
職務経歴書の例文は以下のとおりです。
△△訪問看護ステーションで在宅療養患者への看護を担当しました。健康状態の観察や医療処置、リハビリテーション、家族への介護指導を主に行いました。利用者と円滑にコミュニケーションをとれることが私の強みです。
デイサービス
デイサービスでの看護師の職務経歴書を書く際には、高齢者ケアに関する知識と技術をアピールしましょう。利用者の健康管理や日常生活のサポート、レクリエーション活動の企画・実施を担当した経験を書いてください。高齢者とのコミュニケーション能力や、安心・安全な環境作りに注力した経験などもアピールポイントです。
職務経歴書の例文は以下のとおりです。
□□デイサービスセンターで利用者の健康管理や日常生活のサポート、レクリエーション活動の企画・実施を担当しました。高齢者とのコミュニケーションを重視し、安心・安全な環境作りに努めました。
保健師
保健師としての職務経歴書を書く際には、地域全体の健康を守るためのスキルをアピールしましょう。地域の保健活動を担当し、健康相談や予防接種の実施、健康教育プログラムの企画・実施を行った経験を書いてください。地域住民の健康増進活動に貢献した経験も記載しましょう。
学校や職場での健康管理やメンタルヘルス対策を支援した経験も大事です。コミュニケーション能力やプロフェッショナルとしての倫理観と責任感も、重要なアピールポイントになります。職務経歴書の例文は以下のとおりです。
☆☆市役所で保健師として地域保健活動を担当しました。健康相談や予防接種の実施、健康教育プログラムの企画・実施が主な業務です。地域住民の健康増進活動にも貢献しました。
職務経歴書の書き方でよくある質問
職務経歴書の書き方でよくある質問と回答をまとめました。
転職回数が多くて書ききれないときはどうすればいい?
転職回数が多くて書ききれない場合には、直近の職歴を中心に記載しましょう。最新の職歴が一番重要であり、採用担当者が最も関心を持つ部分だからです。過去3~5年の職歴を重点的に書き、以前の職歴は簡潔にまとめることが大切です。重要な経験やスキルを優先的に記載しましょう。
すべての職歴を詳細に書く必要はありません。職場で得たスキルや達成した成果に焦点を当てれば、転職回数の多さをカバーできます。プロジェクト管理やチームリーダーの経験など、応募する職種に関連する経験を強調することがおすすめです。
複数のアルバイトや短期契約の仕事があった場合、一つの項目にまとめて「短期契約」として記載しましょう。職務経歴書がすっきりとまとまります。転職理由は簡潔に説明し、成果を強調しましょう。転職が多い理由を正直に説明し、どのような成果を上げたのかを書くと採用担当者にポジティブな印象を与えられます。
「新しい技術を学ぶため」や「家族の事情」などの理由があれば、簡潔に記載します。職務経歴書にすべてを書く必要はありません。面接で詳細を説明すれば、採用担当者と直接コミュニケーションを取る中で疑問を解消できます。
退職理由は書くべき?
退職理由は、職務経歴書には記載しないようにしましょう。職務経歴書はスキルや経験をアピールするための書類だからです。退職理由は面接で説明するのが一般的で、採用担当者に直接話す方が効果的です。職務経歴書には前向きな内容を中心に記載しましょう。
過去の職場での実績や得たスキル、新しい職場での意欲などを強調すれば、採用担当者に好印象を与えられます。ネガティブな理由を書かないようにすることも大切です。どうしても退職理由を記載しなければならない場合は、簡潔にポジティブな表現を用いて書くように心がけましょう。
「新しい挑戦を求めて」「キャリアアップのため」など、前向きな理由に変換して記載すると良いです。転職の目的や新しい環境に対する意欲を強調すれば、採用担当者に積極的な姿勢を伝えることが可能です。新しい職場でどのように貢献できるかを明確に示すと、採用の可能性が高まります。
まとめ
看護師の職務経歴書を作成する際には、職務内容を詳細に記載し、パソコンでA4サイズ1~2枚にまとめることが重要です。読みやすさと履歴書との一貫性を保てるからです。箇条書きを活用すれば、要点をわかりやすく伝えられます。施設別の例文を参考に、自分の経験をしっかりと表現することも大切です。
転職回数が多い場合は、重要な経験に絞って記載し、退職理由は簡潔でポジティブにまとめましょう。ポイントを押さえれば、質の高い職務経歴書を作成できます。
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