【50代看護師】仕事が覚えられないのは年のせいじゃない！自信を取り戻す3つのコツ

50代になり「仕事が覚えられない」「物忘れがひどい」と自信を失っていませんか？その悩みは、決して年のせいだけではありません。

今回は、主任看護師として多くの50代看護師と一緒に仕事をしてきた筆者が、50代ならではの「仕事が覚えられない」悩みの原因と対処法について徹底解説します。

この記事を読めば、加齢以外の本当の原因と、経験を強みに変える具体的な3つのコツが分かります。覚え方を少し工夫し、周りを味方につけることで、再びやりがいを感じながら働くことは可能です。

もしあなたが50代の新人看護師でも、50代ならではの強みを活かして活躍することも可能です。詳しくは、以下の記事でも解説しています。

≫≫50代新人看護師の「就職できない」不安を解消！求人選びのコツと採用の秘訣

50代看護師で仕事が覚えられないと悩むのはあなただけじゃない

「新しい医療機器の操作が、何度聞いても覚えられない…」
「異動してきた若いスタッフの顔と名前が、なかなか一致しない…」
「昨日教わった業務手順を、今日になったら忘れてしまっている…」

50代を迎え、豊富な経験と知識を武器に現場を支えてきたはずなのに、ふとした瞬間に記憶力の衰えを感じる人もいるのではないでしょうか？

でも安心してください。50代の看護師が「仕事が覚えられない」と悩むのは、決してあなた一人だけではありません。

多くのベテラン看護師が同じ悩みを抱えている

長年の経験を持つ50代の看護師は、患者への細やかな配慮や急変時の冷静な判断力など、若手にはない強みを持つ、医療現場に不可欠な存在です。実際に、日本の看護師の年齢層は年々上昇しており、ベテラン層が現場の主役となりつつあります。

厚生労働省の調査によると、就業している看護師のうち50歳以上の割合は全体の約4割を占めています。これは、多くの同世代の仲間が、同じように現場の第一線で活躍している証拠です。

参考：厚生労働省「令和2年衛生行政報告例（就業医療関係者）の概況」

ベテランだからこそ、新しいことを覚えるのに時間がかかる自分を許せなかったり、周囲の目にプレッシャーを感じたりしがちです。しかし、それは多くのベテラン看護師が通る道ともいえます。

50代看護師から寄せられる「覚えられない」悩みあるある

具体的に、どのような場面で「覚えられない」と感じることが多いのでしょうか。実際に多くの50代看護師から聞かれる、代表的な悩みをまとめました。

悩みの種類	具体的な内容
新しい知識・技術	電子カルテのアップデートや新しい医療機器の操作方法が、マニュアルを読んでも頭に入ってこない。
医薬品・処置	次々と出てくる新しい薬剤の名前や作用機序、新しい処置の手順が覚えられない。
人間関係	異動や入職で新しく来たスタッフの顔と名前が一致せず、気まずい思いをする。
業務の変更	病棟のルールや業務フローが変更された際に、以前のやり方と混同してしまい、ミスをしないか不安になる。
短期的な記憶	他のスタッフからの口頭での申し送りや、患者さんからの要望などを、メモを取る前に忘れてしまうことがある。

「覚えられない」ことが自信を失わせる悪循環に

「仕事が覚えられない」という悩みは、単に業務が滞るという問題だけではありません。本当に辛いのは、それが自信の喪失につながってしまうことです。

【年だけじゃない】50代看護師が仕事を覚えられないと感じる主な原因

「最近、仕事がなかなか覚えられない…」「もしかして、年のせい？」と不安に感じる原因は、単なる年齢だけではないかもしれません。原因を正しく理解することが、漠然とした不安を解消し、自信を取り戻すための第一歩になります。

加齢による記憶力の自然な変化

年齢を重ねると、脳の働きが変化するのは誰にでも起こる自然な現象です。

新しい情報を一時的に記憶し、同時に処理する「ワーキングメモリ（作業記憶）」の機能は、20代をピークに緩やかに低下するといわれています。

これまでの経験に裏打ちされた判断力や、長年培ってきた看護技術といった「長期記憶」は維持されやすいのが特徴です。加齢による変化を正しく理解し、過度に自分を責めないことが大切です。詳しくは厚生労働省の情報提供サイトも参考にしてください。
参考：ワーキングメモリー / 作業記憶 | e-ヘルスネット（厚生労働省）

ベテランならではの経験が新しい知識を妨げる可能性

豊富な経験を持つベテラン看護師だからこそ、無意識のうちに新しい知識の習得を妨げてしまうことがあります。長年の経験で確立された「自分のやり方」や「過去の成功体験」が、新しい医療機器の操作や改訂された看護手順を学ぶ際に、一種の固定観念となってしまいます。

「以前はこの方法で問題なかった」「この症状なら、このケアが最適はず」といった経験則が、新しいエビデンスに基づいた知識を受け入れる際の心理的なブレーキになることも。

一度、自身の経験をリセットし、新人ナースのような新鮮な気持ちで学ぶ姿勢が、新しい知識のスムーズな吸収につながります。

更年期やライフステージの変化による心身の不調

50代は、多くの女性が更年期を迎える時期です。女性ホルモン（エストロゲン）の急激な減少は、記憶力や集中力にも影響を与えることが知られています。「ブレインフォグ（脳の霧）」とも呼ばれる、頭がぼーっとして物事に集中できない状態も、更年期の代表的な症状の一つです。

身体的な不調やライフステージの変化も、仕事のパフォーマンスに大きく影響します。自身の心と体の状態を客観的に把握してみましょう。

不調の種類	具体的な症状と仕事への影響
更年期による心身の不調	ホットフラッシュ、めまい、不眠、疲労感といった身体症状や、イライラ、不安感、気分の落ち込みといった精神症状が複合的に現れます。これらの不調は集中力の維持を困難にし、記憶の定着を妨げる一因となります。
ライフステージの変化によるストレス	親の介護、子どもの独立、自身の健康問題など、プライベートでの大きな変化が重なりやすい時期です。仕事以外の心配事が増えることで、脳のキャパシティが圧迫され、新しい業務を覚えるための余裕がなくなってしまうことがあります。

医療の高度化と覚えるべき情報量の増加

仕事が覚えられないと感じるのは、あなたの記憶力だけの問題ではないかもしれません。現代の医療現場は、20年前、10年前とは比べ物にならないほど高度化・複雑化しています。覚えるべき情報量が、そもそも絶対的に増えているのです。

次々と登場する新薬

作用機序が複雑な新薬や、数多くのジェネリック医薬品の知識。

進化する医療機器

機能が複雑化した電子カルテ、高度なモニタリング装置、手術支援ロボットの操作。

頻繁に改訂される手順

エビデンスに基づくガイドラインや院内マニュアルの定期的な更新。

これらの膨大な情報を、日々の多忙な業務と並行してインプットし続けるのは、私のような中堅看護師にとっても決して簡単なことではありません。

仕事が覚えられない50代看護師が自信を取り戻す3つのコツ

「もう年だから仕方ない…」と諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。確かに加齢による記憶力の変化はありますが、若い頃とは違う「覚え方」を身につけることで、仕事のパフォーマンスを維持し、自信を取り戻すことは十分に可能です。

ここでは、脳の仕組みに基づいた効率的な記憶術と、ベテランだからこそ活かせるコミュニケーション術を3つのコツに分けて具体的に解説します。

コツ1：覚え方をアップデートするインプット術

若い頃のように、ただ見たり聞いたりするだけでは情報が頭に残りづらくなってきたと感じることもあります。それは記憶力が低下したというより、記憶の仕方が変化したサインです。

五感を使って体で覚える

文字情報だけで覚えようとすると、脳への負担が大きくなります。視覚や聴覚だけでなく、触覚なども含めた五感をフル活用し、「手続き記憶」として体に覚え込ませる方法が効果的です。手続き記憶は一度覚えると忘れにくいという特徴があり、自転車の乗り方と同じように、体が自然に動くようになります。

視覚で覚える

新しい医療機器の配置や電子カルテの操作画面などを、写真のようにイメージで記憶します。手順書やマニュアルの重要な部分を色ペンで囲んだり、イラストを描き加えたりするのも有効です。

聴覚で覚える

医師の指示やカンファレンスの内容を、ただ聞くだけでなく、許可を得て復唱します。声に出すことで、聴覚からも情報が入り記憶に残りやすくなります。また、休憩時間や通勤中の車内などで、覚えるべき手順を声に出して読んでみるのも良いでしょう。

触覚・体性感覚で覚える

新しい処置の手順は、実際に物品に触れながらシミュレーション（エア手技）を繰り返します。物品の保管場所も、実際にその場所まで何度も足を運んで体で覚えることで、いざという時に迷わなくなります。

情報を関連付けて覚える

50代看護師の最大の武器は、これまでに培ってきた豊富な知識と経験です。新しい情報を単独で覚えようとせず、すでにある知識や経験と結びつける「関連付け」を意識しましょう。バラバラだった情報が意味のあるストーリーとしてつながることで、記憶に深く刻み込まれます。

エピソード記憶を活用する

「この薬剤は、以前担当した〇〇さんの時に使ったものだ」「この症例は、△△先生が□□の状況で指示していた処置と似ている」というように、具体的な患者さんや出来事（エピソード）と紐づけて覚えます。

既存の知識とつなげる

新しい疾患や治療法を学ぶ際は、「なぜこの治療が必要なのか」という根拠（アセスメント）まで掘り下げて理解します。自分の知識体系の中に新しい情報を位置づけることで、忘れにくく、応用も利くようになります。

自分専用の最強メモ術を確立する

言われたことをただ書き写すだけのメモでは、後で見返しても内容を思い出せないことがあります。情報を整理し、記憶を呼び起こすトリガーとなるような「自分だけのメモ」を作成することが重要です。

メモ術のポイント	具体的な方法
フォーマットを決める	日付、患者情報、業務内容、指示者、確認事項、疑問点など、書く項目をあらかじめ決めておくと、情報の抜け漏れがなくなり、後から見返しやすくなります。
色分け・記号を使う	「重要事項は赤」「疑問点は青」「要確認は？」など、自分なりのルールを決めて色や記号で情報を分類します。パッと見て内容の重要度がわかるように工夫しましょう。
図やイラストを活用する	異複雑な人間関係や業務の関連性などは、文字だけでなく相関図やイラストで示すと、直感的に理解しやすくなります。物品の配置などを簡単な地図で描いておくのも有効です。
余白を大きく取る	メモはぎっしり詰め込まず、後から補足情報や解決したことなどを書き込めるように、十分な余白を空けておきましょう。

コツ2：記憶を定着させるアウトプット術

インプットした情報を長期的な記憶として定着させるために不可欠なのが「アウトプット（出力）」です。覚えたことを様々な形で外に出す作業を繰り返すことで、記憶はより強固なものになります。このプロセスは、脳科学的にも記憶を定着させる上で非常に重要であるとされています。

参考: 記憶と脳 – e-ヘルスネット（厚生労働省）

声に出して復習する

メモやマニュアルを見ながら、声に出して読み上げる「音読」は、非常に手軽で効果的なアウトプット方法です。目で文字を追い（視覚）、自分の声を聞き（聴覚）、口を動かす（運動感覚）という複数の感覚を使うため、黙読よりも脳が活性化し、記憶に残りやすくなります。一人の時間を見つけて、学んだ業務手順や薬剤の名前などをブツブツと呟いてみましょう。

誰かに説明するつもりで整理する

「人に教える」ことは、最も効果的な学習方法の一つです。実際に新人や後輩に教える機会がなくても、「もし自分がプリセプターとして指導するなら、どう説明するか？」をシミュレーションしてみましょう。相手に分かりやすく伝えようとすることで、情報の中で何が重要で、どのような順序で説明すれば理解しやすいかを考えることに繋がります。この思考プロセスが、自分自身の知識を整理し、あいまいな部分を明確にするのに役立ちます。

自分だけのマニュアルを作成する

インプットで作成したメモを元に、自分にとって一番わかりやすい「オリジナル業務マニュアル」を作成するのも強力なアウトプットです。

コツ3：周囲を味方につけるコミュニケーション術

仕事の記憶に関する悩みを一人で抱え込む必要はありません。特に多くのスタッフが連携して働く看護の現場では、周囲との良好なコミュニケーションが、記憶力の不安をカバーし、医療安全を守る上で何よりも重要になります。

ベテランとしてのプライドが邪魔をすることもあるかもしれませんが、少しの勇気と工夫で、周囲は強力なサポーターになってくれます。

できないことは正直に伝える勇気を持つ

50代のベテラン看護師が「わかりません」「できません」と言うのは、勇気がいることかもしれません。しかし、知ったかぶりをして曖昧なまま業務を進めることこそ、インシデントや医療事故につながる最も危険な行為です。

正直に、そして謙虚に伝えることで、周囲は誠実さと安全意識の高さを評価してくれるはずです。わからないことを表明するのは恥ではなく、患者さんの安全を守るためのプロフェッショナルな姿勢です。

質問と確認を徹底する

曖昧な点を放置しないために、質問と確認を徹底する習慣をつけましょう。ただし、やみくもに質問するのではなく、相手への配慮と工夫が必要です。円滑なコミュニケーションにつながる「上手な質問」のポイントを押さえておきましょう。

ポイント	悪い例	良い例
タイミングを考える	相手が急いでいる時に「ちょっといいですか？」と割り込む。	「今、少しだけお時間よろしいでしょうか？」と相手の状況を伺う。
自分で調べた上で聞く	「〇〇ってどうやるんですか？」と丸投げで質問する。	「マニュアルで確認したのですが、この部分の解釈が合っているか教えていただけますか？」と自分の考えも伝える。
指示は復唱確認する	指示を聞いて「はい、わかりました」とだけ返事をする。	「〇〇という指示ですね。復唱します。〜でよろしいでしょうか？」と内容を繰り返して確認する。

感謝の気持ちを言葉で伝える

教えてもらったり、フォローしてもらったりした際には、必ず感謝の気持ちを具体的に言葉で伝えましょう。

日頃からの感謝の積み重ねが、いざという時に助けを求めやすい良好な人間関係を築き、働きやすい環境を作ることに繋がります。

仕事が覚えられない50代看護師の記憶力維持のための生活習慣

日々の生活習慣を見直すことで、記憶力を維持することは十分に可能です。不規則な勤務や強いストレスにさらされがちな看護師だからこそ、意識的に生活を整えることが重要になります。ここでは、仕事のパフォーマンス向上につながる3つの生活習慣について解説します。

脳を休ませる質の良い睡眠

睡眠は、単に体を休ませるだけではありません。日中にインプットした膨大な情報を脳が整理し、記憶として定着させるための重要な時間です。睡眠不足が続くと、脳が情報を整理する時間が足りなくなり、新しいことを覚える能力や集中力が低下してしまいます。

夜勤などで生活リズムが不規則になりがちな看護師だからこそ、睡眠の「質」にこだわることが大切です。質の良い睡眠をとるために、以下のことを意識してみましょう。

就寝・起床時間をできるだけ一定にする

休日も平日と大きくずれないようにすることで、体内時計が整いやすくなります。

寝る前のスマートフォンやPC操作を控える

画面から発せられるブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制し、寝つきを悪くする原因になります。就寝1〜2時間前には使用を終えるのが理想です。

ぬるめのお湯にゆっくり浸かる

就寝の90分ほど前に38〜40℃程度のお湯に浸かると、一時的に上がった体温が下がるタイミングで自然な眠気が訪れます。

カフェイン・アルコールの摂取に注意する

コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには覚醒作用があります。就寝前の4時間以内の摂取は避けましょう。また、アルコールは寝つきを良くするように感じますが、睡眠の質を下げ、夜中に目が覚める原因になるため控えめにするのが賢明です。

快適な睡眠環境を整える

遮光カーテンで光を遮断したり、静かな環境を確保したり、自分に合った寝具を選んだりするなど、リラックスできる寝室を作りましょう。

質の高い睡眠は、脳のコンディションを整え、翌日の仕事のパフォーマンスを支える土台となります。より詳しい情報については、厚生労働省が提供する情報も参考になります。

参考：厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」

≫夜勤は体に悪い？体験談とデータから見る正しい健康管理法を解説！

記憶をサポートする食生活

脳の主なエネルギー源はブドウ糖ですが、それ以外にも脳機能をサポートする様々な栄養素があります。バランスの取れた食事を心がけることで、記憶力や集中力の維持が期待できます。

特に、以下の栄養素は積極的に摂取しましょう。

栄養素	期待される効果	多く含まれる食材
DHA・EPA （オメガ3系脂肪酸）	脳の神経細胞を活性化させ、情報の伝達をスムーズにする。	サバ、イワシ、サンマ、アジなどの青魚
レシチン	記憶に関わる神経伝達物質「アセチルコリン」の材料になる。	大豆、大豆製品（豆腐、納豆など）、卵黄
ビタミンB群 （B6, B12, 葉酸など）	神経伝達物質の合成を助け、脳のエネルギー代謝をサポートする。	豚肉、レバー、うなぎ、ほうれん草、ブロッコリー
ポリフェノール （アントシアニンなど）	強い抗酸化作用で脳細胞の酸化を防ぎ、脳の老化を遅らせる。	ブルーベリー、ナス、赤ワイン、緑茶、カカオ（チョコレート）

大切なのは、特定の食品ばかりを食べるのではなく、様々な食材を組み合わせ、バランスの良い食事を三食きちんととることです。主食（ごはん・パン）、主菜（肉・魚・卵・大豆製品）、副菜（野菜・きのこ・海藻）を揃えることを意識しましょう。

心身をリフレッシュする適度な運動

適度な運動は、体だけでなく脳にも良い影響を与えることが科学的に証明されています。運動をすることで全身の血流が良くなり、脳に十分な酸素と栄養が供給されます。これにより、脳細胞が活性化し、記憶力や思考力の向上が期待できるのです。

ウォーキングや軽いジョギング

最も手軽に始められる有酸素運動です。「少し息が弾むけれど、会話はできる」くらいのペースで、週に2〜3回、1回30分程度を目安に始めてみましょう。通勤時に一駅手前で降りて歩くだけでも効果的です。

ながら運動（デュアルタスク）

ウォーキングをしながら計算をしたり、しりとりをしたりするなど、運動と頭を使う作業を同時に行うことで、脳の前頭前野が刺激され、認知機能のトレーニングになります。

ヨガやストレッチ

深い呼吸をしながら体を動かすことで、心身の緊張がほぐれ、ストレス解消に繋がります。自律神経のバランスが整い、リラックス効果も期待できます。休憩時間や就寝前に行うのがおすすめです。

立ち仕事や患者の介助など、看護師の仕事は身体的な負担も大きいですが、意識的に体を動かす時間を作ることで、心身ともにリフレッシュでき、仕事への集中力も高まるでしょう。
参考：厚生労働省 e-ヘルスネット「エアロビクス / 有酸素性運動」

50代看護師がどうしても仕事が覚えられなくてつらい時の選択肢

これまでに紹介した記憶術やコミュニケーション術を試しても、どうしても仕事のプレッシャーや覚えることの多さにつらさを感じることもあるでしょう。そんな時は、自分を責めずに環境を変えるという選択肢を考えてみることも、自身を守るための大切な手段です。

ここでは、50代の看護師が今のつらい状況から抜け出すための具体的な選択肢を3つご紹介します。

負担の少ない部署への異動を相談する

現在の職場を辞める決心がつかない場合、まずは院内で負担の少ない部署への異動を相談する方法があります。

例えば、緊急入院や急変対応が頻繁に発生する急性期病棟から、比較的業務スケジュールが安定している部署への異動が考えられます。

異動を希望する際は、看護師長や人事部に正直に現状を伝えることが大切です。「新しいことを覚えるのが難しくなってきた」「体力的に夜勤が厳しい」といった具体的な理由とともに、「これまでの経験を活かして、この部署で貢献したい」という前向きな姿勢を示すことで、希望が通りやすくなるでしょう。

ただし、必ずしも希望が通るとは限らない点や、異動先でも新たに覚えるべき業務があることは理解しておく必要があります。

雇用形態を見直してゆとりを持つ

「常勤（正社員）で働き続けるのが心身ともに限界…」と感じるなら、雇用形態を見直すのも一つの有効な手段です。パートやアルバイト、派遣看護師として働くことで、勤務日数や時間を調整し、心と体にゆとりを持たせることができます。

≫≫派遣看護師に向いている人の特徴7選｜メリット・デメリット、働き方のコツを解説

経験を活かせる職場へ転職する

思い切って新しい環境に飛び込む「転職」も、自信を取り戻すための有力な選択肢です。50代看護師の豊富な臨床経験や高いコミュニケーション能力、人生経験は、さまざまな職場で高く評価されます。「もう若くないから…」と諦める必要は全くありません。

≫≫50代看護師の転職は難しい？成功の秘訣とおすすめの職場を徹底解説

ここでは、50代の経験が特に活かせる職場を具体的にご紹介します。

クリニックや健診センター

クリニックや健診センターは、夜勤がなく、カレンダー通りに休める職場が多いため、ワークライフバランスを重視したい方に最適です。業務内容もある程度定型化されており、急性期病院のように次から次へと新しい知識や技術を詰め込む必要性は低い傾向にあります。患者の病状も比較的安定しているため、精神的なプレッシャーも少ないでしょう。採血や注射、問診といった基本的な看護スキルが活かせます。

≫≫クリニックに勤務する看護師の仕事内容を解説！

≫≫健診センターで働く看護師の仕事内容と給料は？

介護施設や訪問看護ステーション

高齢化が進む日本では、介護領域で看護師の専門性がますます求められています。介護施設や訪問看護は、50代ならではの落ち着いた対応や、利用者とその家族に寄り添う姿勢が大きな強みとなる職場です。

≫≫介護施設の看護師の役割・仕事内容を紹介！

≫≫訪問看護とは？看護師の役割と仕事内容を解説

以下の表で、それぞれの職場の特徴をまとめました。

職場	主な業務内容	メリット	こんな方におすすめ
介護施設 （特養、老健など）	利用者の健康管理（バイタルチェック、服薬管理、処置など）、嘱託医との連携、介護職員への指導・支援	医療行為は限定的で、比較的落ち着いて働ける 利用者の生活に長期的に関われる 夜勤がない、または回数が少ない施設も多い	高齢者看護が好きで、生活に寄り添うケアをしたい方 治療よりもQOL（生活の質）の向上にやりがいを感じる方
訪問看護ステーション	利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいた医療処置、療養上の世話、家族への支援・指導を行う	利用者一人ひとりとじっくり向き合える アセスメント能力など、これまでの経験を最大限に活かせる 日勤が中心で、オンコール制の場合が多い	判断力やコミュニケーション能力に自信がある方 在宅医療に興味があり、利用者の生活を支えたい方

転職を考える際は、一人で悩まずに専門家の力を借りるのが成功への近道です。各都道府県に設置されている「ナースセンター」では、看護職専門の相談員が無料でキャリア相談に応じてくれます。

また、看護師専門の転職サイトを活用すれば、一般には公開されていない求人情報を得られたり、面接対策のサポートを受けられたりします。

仕事が覚えられない50代看護師の転職におすすめ！ナース専科の魅力とは？

数ある看護師転職サイトの中でも、特に50代で仕事の覚え方に悩む看護師さんにおすすめしたいのが、株式会社エス・エム・エスが運営する「ナース専科」です。ここでは、なぜナース専科が50代の転職に強いのか、その具体的な魅力をご紹介します。

50代看護師の転職にナース専科が強い3つの理由

ナース専科が多くのベテラン看護師から選ばれるのには、明確な理由があります。あなたの不安を解消し、最適な職場探しを力強くサポートしてくれるでしょう。

理由1：全国トップクラスの求人数と「働きやすさ」で探せる多様な選択肢

ナース専科は、全国の豊富な求人情報を保有しており、50代の看護師が活躍できる職場も多数掲載されています。特に注目したいのが、求人の探しやすさです。

「ブランクOK」「未経験可」「ゆったり働ける」といった、今の自分に寄り添う条件で求人を絞り込めます。例えば、急性期病院のようなスピード感が求められる職場ではなく、患者とじっくり向き合えるクリニックや介護施設、健診センターといった求人も豊富です。自分のペースで仕事に慣れていきたいという希望を叶えやすいのが大きな魅力です。

理由2：50代の悩みに寄り添うキャリアアドバイザーの丁寧なサポート

「年齢的に採用されるか不安」「新しいことを覚えられるだろうか」といった50代特有の悩みは、一人で抱え込まずにプロに相談するのが一番です。

ナース専科のキャリアアドバイザーは、看護業界に精通した転職のプロフェッショナル。あなたのこれまでの経験やスキルを客観的に評価し、強みとしてアピールする方法を一緒に考えてくれます。履歴書や職務経歴書の添削、面接対策はもちろん、求人票だけではわからない職場の雰囲気や人間関係といった内部情報も提供してくれるため、入職後のミスマッチを防ぐことができます。

理由3：日本最大級の看護師コミュニティでリアルな情報収集が可能

ナース専科は転職サービスだけでなく、看護師・看護学生向けのコミュニティサイトも運営しています。そこでは、同じように悩んだり、転職を経験したりした先輩看護師のリアルな体験談や口コミを閲覧できます。

実際に働いている人の声は、何よりも信頼できる情報源です。気になる病院や施設の評判を事前にチェックすることで、安心して転職活動を進められます。悩みを相談できる掲示板もあり、精神的な支えにもなるでしょう。

ナース専科の登録から転職までの簡単4ステップ

「転職活動は難しそう」と感じるかもしれませんが、ナース専科なら簡単なステップで進められます。もちろん、登録から入職まですべて無料で利用できます。

STEP1:公式サイトから無料登録（約1分）

まずは公式サイトから、簡単な情報を入力して登録します。

STEP2:キャリアアドバイザーと面談・相談

担当のアドバイザーから連絡が来ます。電話やWeb面談で、これまでの経歴や希望条件、不安な点などを詳しく伝えましょう。

STEP3:求人の紹介・応募

あなたの希望に合った求人を複数提案してくれます。気になる求人があれば、アドバイザーを通して応募手続きを進めてもらいます。

STEP4:面接・内定・入職

面接日の調整や条件交渉などもすべてアドバイザーが代行。無事に内定が出たら、円満退職のサポートを受けながら新しい職場でのスタート準備をします。

今の環境に少しでもつらさを感じているなら、まずは情報収集から始めるつもりで、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

50代看護師が「仕事が覚えられない」と感じるのは、単なる加齢だけが原因ではありません。豊富な経験や心身の変化、医療の高度化など、複合的な要因が影響しています。

「年のせい」と諦めるのはまだ早いです。覚え方をアップデートし、周囲と上手に連携するコミュニケーション術を実践すれば、自信を取り戻せます。どうしても辛い場合は、異動や転職で環境を変えるのも有効な選択肢です。ご自身に合った方法で、これからも輝き続けましょう。