イベントナースとはイベント会場で応急処置を行う看護師のことで、人気の高い単発バイトです。イベントの雰囲気を楽しめるお仕事ですが、看護師としては医療の基本的な知識やスキルが必要です。
本記事ではイベントナースの給料や仕事内容をわかりやすく解説しています。この記事を読めばイベントナースに必要なスキルやメリットデメリットがわかります。
この記事だけでイベントナースの働き方について理解が深められます!
イベントナースに興味がある方はぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
そもそもイベントナースとは?
イベントナースとは花火大会やコンサート、ライブなどイベント会場で救護を行う看護師のことです。
イベント会場に設営された臨時の医務室、救護所に待機して傷病者に応急処置や苦痛の緩和、医療機関受診の手配などを行います。
イベント開催中のみの勤務なので、直接雇用ではなく派遣会社や転職サイトを通して派遣されるのが一般的です。
基本的に数時間〜数日の短期的な単発バイトであり、副業として人気が高いです。
イベントナースの給料事情とは
イベントナースの給料は一日あたり1万円〜1.3万円が相場ですが、派遣会社やイベント内容、拘束時間によって異なります。
時給換算にすると1200円〜1500円となることが多く、看護師としては高時給とは言えません。
イベントナースは普段と違う環境で働きたい方や、イベントが好きな人にはおすすめの単発バイトです。
イベントナースの主な仕事内容とは?
イベントナースの主な仕事内容は以下のとおりです。
- イベント参加者の傷病時の応急処置
- 治療の必要性の判断
- 医療機関への受診の手配
イベント参加者の傷病時の応急処置
イベントナースは医務室や救護所に待機し、イベント来場者の怪我や体調不良時の応急処置を行います。
イベントナースには医療行為は認められていないので、点滴ルートの確保などの医療処置を行うことはありません。バイタル測定や全身観察、体を冷やしたり水分を促すなどの対応や怪我に対する応急処置を行うのが基本です。
まれに心肺蘇生が必要な重症者が出ることもあります。心肺蘇生やAEDの使用方など基本的なBLSは身につけておくことも必要です。
治療の必要性の判断
イベントナースは診断や医療行為は行えません。治療の必要性があるかどうかの判断を行い、迅速に医療機関へ繋ぐ役割を担っています。
イベント会場でみられる怪我や体調不良の例は以下のとおりです。
擦過傷・骨折・捻挫・脱水・熱中症・腹痛・頭痛・急性アルコール中毒・熱傷・既往疾患の悪化など |
ライブイベントの場合は転倒などのリスクがあり、ひどい場合には骨折の可能性があるため医療機関への受診が必要です。
熱中症や脱水は、軽度なものであれば救護所での休養と水分補給で回復する場合もありますが、重症な方は点滴治療が必要になります。応急処置だけで良いのか、治療が必要なのかを見極めるのはイベントナースの重要な役割です。
医療機関への受診の手配
イベント会場で対応できない怪我や体調不良者が出た場合は、イベントナースが医療機関への受診の手配を行います。軽傷の場合は近隣病院への受診を促し、重症な場合は救急搬送の手配が必要です。イベントナースは原則医療機関への付き添いは行いません。
救急搬送が必要な場合は救急隊への情報提供と引き継ぎを的確に行い、迅速に搬送することが求められます。
傷病者が重症であるほど容態が急変しやすいので、スムーズな搬送と絶え間ない観察を心がけましょう。
イベントナースとツアーナースの違いとは?
イベントナースと混同されやすいのがツアーナースです。ツアーナースもイベントナースの一部として含まれることがありますが、拘束時間や対象者が異なります。
イベントナースはイベントに参加する人が対象で、子供から大人まで幅広い人が対象です。ツアーナースは修学旅行や林間学校に同行する看護師のことで、小学生から高校生までの学生が対象です。ツアーナースは企業の団体ツアーなどに同行する場合もあります。
また、イベントナースは数時間〜1日などイベント開催時間のみの勤務ですが、ツアーナースはツアー期間2日〜4日が勤務期間です。
ツアーナースはまとまった期間拘束されますが、その分稼げるというメリットがあります。
イベントナースが活躍するイベントとは?
イベントナースが活躍するイベントの例は以下のとおりです。
- コンサート会場
- スポーツイベント
- 地域のお祭り・花火大会
- 野外ライブ
- 大型ショッピングモールなどのイベント
それぞれの仕事内容の違いを詳しく解説します。
コンサート会場
コンサート会場では冷暖房が完備されており、ライブと比べると観客の動きが制限されるので比較的傷病者は少ないのが特徴です。なかには託児所が設けられるコンサートもあり、イベントナースが保育士と共に子供の一時預かりをすることがあります。
預かり中の子供が怪我や体調不良を起こした場合は、経緯や自宅での注意事項を分かりやすく伝える必要があります。
スポーツイベント
スポーツイベントではプロのサッカーや野球の試合、地域のスポーツ大会などで救護を行います。基本的には観戦している人の救護が主であり、夏の野外スポーツの場合は熱中症や脱水症状の人が多くなります。
アマチュアの大会や学生の部活の大会での救護を行うこともあります。
一日通して何試合も行われるスポーツイベントもあれば、午前中や夕方からの短時間勤務の場合があります。
地域のお祭りや花火大会
地元の夏祭りや花火大会でもイベントナースが活躍しています。
暑い時期に開催されるため熱中症や脱水などに加え、急性アルコール中毒などアルコールによる体調不良者が多いのが特徴です。時には屋台出店者の熱傷処置が必要な場合があり、他のイベントと比べると多忙になりがちです。
浴衣を着ている人が多いので、帯の締め付けなどにより体調不良を起こすことがあります。浴衣の着付けができるとワンランクアップしたケアができるでしょう。
野外ライブ
野外ライブでは熱中症や脱水症状のある人、転倒などによる外傷が多いのが特徴です。アルコールを摂取しながら参加する人も多く、急性アルコール中毒など飲酒による体調不良者が出ることもあります。
軽症から重症まで様々な傷病者が出る可能性があり、イベントナースとしてはやりがいがあるイベントです。
野外ライブは参加人数も多くアクティブに動くことも多いため、非常に多忙になることも珍しくありません。
大型ショッピングモールなどのイベント
大型ショッピングモールでイベントが開催される際にも、救護所や託児所が設置される場合があります。
ショッピングモールでは託児所が設置されるケースが多く、イベントナースや保育士が子供の一時預かりをします。子供が怪我をしない環境づくりをはじめ、怪我や体調不良を起こした場合の応急処置や保護者への説明が主な役割です。
イベントナースに必要なスキルや能力とは?
イベントナースに必要なスキルは以下のとおりです。
- 病気や怪我に関する幅広い知識
- 適切な応急処置スキル
- 冷静な判断力
イベントナースに興味がある方は、ご自身のスキルを確認してみましょう。
病気や怪我に関する幅広い知識
イベントナースは、イベント会場で発生した怪我や体調不良者の応急処置を行うため、病気や怪我に関する幅広い知識が必要です。なかには基礎疾患がある人や高齢者、子どもなど対象によっては症状が定型でないこともしばしばあります。
医学的知識があれば、出現している症状から考えられる疾患や傷病をアセスメントし、適切な対処ができるでしょう。
適切な応急処置のスキル
イベントナースは必要に応じて応急処置を行うことがあるので、応急処置のスキルがあると優遇されます。
日本赤十字社では様々な対象に対する応急処置を学べる養成講習が行われているため、あまり知識がない人は受講するのがおすすめです。救急員養成講習では止血法や骨折の固定の仕方、包帯の扱い方などを学べます。
基礎講習ではBLSが学べるので、ぜひ参考にしてくださいね。
冷静な判断力
イベントナースには冷静な判断力も求められます。
イベントで気分が高揚している人も多く、人が多く集まる環境下でも淡々と応急処置を行うことが必要です。様々な情報から必要な情報を取捨選択し、整理していくことが重要です。
事前にイベント会場の設備やAEDの場所、救急セットの内容や、イベント来場者の特徴を確認しておくと良いでしょう。
すばやく状況把握する能力
イベントナースは、イベント会場で発生した怪我や体調不良について素早く状況把握することが大切です。目に見えている症状だけでは重篤な疾患を見落とす可能性があるためです。例えば転倒して怪我をしたといっても転倒する前に意識障害やふらつきがあった場合、観察や応急処置の内容が異なります。
目撃者の情報や本人の自覚症状を素早く確認することで適切な処置が可能です。多数傷病者が出るような事故が起きた場合は、傷病者が何人いてどの程度の怪我の人が多いのか状況を素早く確認しましょう。
イベントナースのメリットとは
イベントナースのメリットを4つご紹介します。
- イベントの雰囲気を楽しめる
- 空いた時間で稼げる
- 看護師としての経験やスキルを活かせる
- ストレスフリーで働ける
イベントの雰囲気を楽しめる
イベントの雰囲気を楽しめるのはイベントナース特有のメリットです。
傷病者がいない場合は花火大会やスポーツイベントを鑑賞したり、ライブやコンサートでは音楽を楽しむこともできます。あくまで仕事中であるため楽しんでばかりはいられませんが、いつもと違う雰囲気の中で仕事ができるのは新鮮です。
イベントナースはイベントに参加したような気持ちになれるため、ハマる人が多いです。
空いた時間で稼げる
イベントナースは基本的にイベントが開催している時間だけの勤務なので、空いた時間に稼げる点が魅力です。
イベントナースは1日から長くても4日ほどの勤務で単発で働けます。ただし求人は地域や季節によってかなりばらつきがあるため、自分が働きたい時間に求人があるかは運次第なところもあります。
看護師としての経験やスキルを活かせる
イベントナースの仕事は、看護師としての経験やスキルを十分に活かせる業務内容です。
イベントナースは疾患や怪我に関する知識や情報収集能力、アセスメント力などが必要不可欠です。そのため、看護師の臨床経験年数が2〜3年や救急外来、外科の経験者と条件が決められているイベントもあります。
ストレスフリーで働ける
イベントナースは人間関係のしがらみがなく、基本的に傷病者と関わる時間も短時間なのでストレスフリーで働けます。
イベント会場によって異なりますが1人〜2人で担当することが多く、医師がいない会場もあります。上司や部下といった関係性もなく、人間関係に関する悩みはほぼありません。
イベントナースのデメリットとは
イベントナースのデメリットを3つ解説します。
- 求人が少ない
- 状況しだいで多忙になる
- 判断に迷う場面がある
求人が少ない
ひとつのイベントに対してイベントナースは1〜2人の配属であるため、求人が限られてしまうのがデメリットです。
イベントナースの求人は夏に多い傾向で、秋や冬は少ないという特徴があります。そのため必ずしも自分が働きたい日に近くで仕事があるとは限らないので、「見つかればラッキー」ぐらいの心持ちが良いでしょう。
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状況しだいで多忙になる
イベントナースは傷病者の数によって忙しさが変わってきます。
夏の野外イベントでは熱中症や脱水が起こりやすく、怪我をする人も多いことから傷病者が多くなりがちです。多数傷病者が出てしまうような事故やトラブルがある場合は、イベントナースがトリアージなどの初期対応を行う必要があります。
逆に屋内のコンサートの場合は比較的落ち着いていることが多く、本を読んだりくつろいだりしながら待機できるイベントもあるので、状況次第で忙しさが異なります。
判断に迷う場面もある
イベント会場では医師がいないことも多いです。イベントナース単独での派遣の場合は1人で判断する必要があるため、判断に迷う場面が出てきます。応急処置で対処していいのか医療機関への受診を手配すべきか迷う場面も多いです。看護師としての経験が少ない場合は、応急処置の内容が合っているのか不安になることもあるでしょう。
イベント会場では詳細な検査はできません。判断に迷う場合は医療機関へ受診を促すのが賢明です。
イベントナースとして働くなら転職サイトがおすすめ
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イベントナースにはMCナースネットがおすすめな理由とは?
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公開求人数 | 16,636件 |
非公開求人数 | ー |
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まとめ
イベントナースは様々なイベント会場で看護師として働ける人気の単発バイトです。イベント会場では様々な怪我や体調不良などの傷病者が発生するため、幅広い知識と応急処置のスキル、迅速で冷静な判断能力などが必要です。
イベントナースの給料は日当で1万円〜1.3万円が相場で、給料が良いというわけではありませんが、イベントの雰囲気を楽しめるだけではなく、ストレスフリーで働けるメリットがあります。
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ぜひ本記事を参考にしていただき、イベントナースのお仕事を楽しんでください。
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