勇気を出して転職したのに、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースも多いです。給料アップや夜勤減といった理想を叶えたはずが、新たな悩みに直面する看護師も少なくありません。
ryanta73実は、転職で後悔する最大の原因は、不十分な情報収集と自己分析にあります。
この記事では、実際に介護施設への転職で年収150万円アップを実現した筆者の体験談をもとに、看護師が陥りがちな5つの後悔パターンを赤裸々に紹介します。転職で失敗する人の共通点や、性格に合った職場の見つけ方、そして後悔を成功に変えるための自己分析から内定承諾までの具体的なステップも徹底解説します。
記事を読めば、転職活動の不安が解消され、自分に本当に合った職場で理想のキャリアを築くための具体的な方法がすべてわかります。
看護師の転職で後悔はしたくない!あなたは大丈夫?


ここでは、看護師の転職でなぜ後悔が生まれやすいのか、その背景を解き明かします。そして、自身が後悔しやすいタイプではないかを確認するチェックリストを以下の項目で解説します。
- なぜ看護師の転職は後悔につながりやすいのか
- あなたは大丈夫?転職で後悔しやすい看護師のチェックリスト
なぜ看護師の転職は後悔につながりやすいのか
看護師の転職市場は、売り手市場と言われて久しいです。厚生労働省の発表によると、看護師・准看護師の有効求人倍率は全職業の平均よりも高い水準で推移しており、求人自体は見つけやすい状況にあります。(出典:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」) しかし、この「求人が多い」という状況が、かえって後悔の引き金になることも多いです。
その理由は主に3つあります。
- 選択肢の多さによるミスマッチ
- 求人が豊富なため、「とりあえず内定が出たから」と安易に転職先を決めてしまいがちです。しかし、病院、クリニック、介護施設、訪問看護など、職場によって働き方や求められるスキルは全く異なります。十分な自己分析や情報収集を怠ると、入職後に「自分のやりたい看護と違った」「職場の雰囲気が合わない」といったギャップに苦しむことになります。
- 求人票だけでは見えない「リアル」な職場環境
- 給与や休日といった条件面は求人票で確認できますが、職場の人間関係や実際の残業時間、有給休暇の消化率といった内部事情は、外からは見えにくいものです。 特に人間関係は、看護師の退職理由の上位に常に挙げられる重要な要素であり、この部分でのミスマッチが大きな後悔につながります。
- 専門職ならではのキャリアの悩み
- 「もっと専門性を高めたい」「認定看護師を目指したい」といったキャリアアップのための転職もあれば、「プライベートを優先したい」「ワークライフバランスを整えたい」という理由での転職もあります。自分のキャリアプランと転職先の方向性が一致していないと、「スキルが活かせない」「思ったような働き方ができない」という不満につながってしまいます。
あなたは大丈夫?転職で後悔しやすい看護師のチェックリスト
転職で後悔しないためには、まず自分自身の状況を客観的に把握することが重要です。以下のチェックリストで、今の自分が転職活動を始めるべきタイミングなのか、一度立ち止まって考えてみましょう。
| チェック項目 | はい / いいえ |
| 今の職場への不満は、一時的な感情や特定の人間関係だけが原因だと感じている。 | |
| 「とにかく辞めたい」という気持ちが先行し、転職で何を叶えたいか明確になっていない。 | |
| 情報収集は、いつも見ている求人サイトやアプリだけで十分だと思っている。 | |
| 自分の看護師としての強みや、5年後・10年後のキャリアプランを具体的に説明できない。 | |
| 給与や休日などの条件面だけで転職先を決めようとしている。 | |
| 転職について、家族や信頼できる同僚・先輩に一度も相談したことがない。 |



もし「はい」が一つでもついた方は、注意が必要です。
勢いだけで転職活動を進めてしまうと、後悔につながる可能性が高まります。しかし、心配する必要はありません。この先の章で、後悔を避けるための具体的なステップを一つひとつ詳しく解説していきます。
看護師の転職後悔エピソード5選


私は急性期病棟で5年間勤務したのち、給与アップとワークライフバランスの改善を目指して有料老人ホームに転職しました。転職活動の結果、夜勤回数を減らしながら年収を150万円アップさせることに成功。しかし、その華々しい結果の裏で「こんなはずじゃなかった…」と頭を抱える問題もありました。
ここでは、私が実際に体験した転職後の後悔を5つのエピソードとして解説します。
- 給料は上がったけど休みが取りづらい
- 主任に昇格してさらに責任が爆増
- 思っていた以上に知識・スキルが落ちる
- 人間関係は良い!けど緩すぎる
- 三交代制が想像以上にきつかった
給料は上がったけど休みが取りづらい
転職の最大の目的だった給与アップ。転職後に主任へ昇進したことで、前職の年収500万円から650万円へと大幅にアップし、最初は満足していました。しかし、その実態は「プライベートの時間を切り売りして得た給料」だったのです。



病棟勤務時代と比較して、明らかに休みの取りやすさが異なりました。
具体的には、慢性的な人手不足から希望休が通りにくく、特に連休の取得は困難でした。また、スタッフが急に体調不良で休んだ際には、休日にもかかわらず「明日、出勤できないか」と相談されることも少なくありません。主任となった今では、自らの休みを率先して調整する機会が増えました。もちろん断ることもできましたが、そのたびに罪悪感とストレスを感じています。転職前後の働き方の違いは以下のとおりです。
| 項目 | 病棟看護師時代 | 現職(有料老人ホーム) |
| 年収 | 約500万円 | 約650万円 |
| 年間休日 | 115日 | 108日 |
| 有給消化率 | 約80% | 約40%(体感) |
| 希望休の通りやすさ | 月3日までほぼ承認 | 月2日も難しい場合がある |
| 休日出勤の要請 | ほとんど無し | 3ヶ月に1〜2回 |
給与の額面を優先して転職を決めた結果、プライベートを充実させるというもう一つの目的を見失ってしまいました。収入は増えましたが、心身を休める時間が減った点は大きな後悔ポイントです。
関連記事:看護師の休みが少ない理由とは?希望通りに休むコツとおすすめの職場も紹介!
主任に昇格してさらに責任が爆増
転職して2年が経った頃、これまでの臨床経験と仕事を評価され、看護主任への昇格を打診されました。キャリアアップのチャンスだと喜び勇んで引き受けましたが、これがもうひとつの後悔を生みました。



それは、主任という役職が想像以上に責任と仕事量が膨大だったことです。
現場の看護業務はそのままに、スタッフのシフト管理、新人教育、介護スタッフとの連携強化、ご家族からのクレーム対応、そして山のような書類作成業務が追加されました。しかし、役職手当は月にわずか2万円です。業務量と責任だけが爆発的に増え、サービス残業が常態化してしまいました。特に、医療依存度の高い利用者の容態が急変した際の判断は、医師が常駐していない施設ではすべて自分の双肩にかかってきます。病院とは比較にならないほどのプレッシャーに、毎日胃が痛む思いでした。
関連記事:【現役主任が語る】主任看護師の本当の役割とは?必要スキル・現場のリアルを徹底解説
思っていた以上に知識・スキルが落ちる
介護施設への転職で最も大きな誤算だったのが、看護師としてのスキルセットが思ったよりも急速に衰退していくことへの焦りでした。急性期病棟では日常的に行っていた採血や点滴、最新の医療機器の操作といった医療行為の機会が激減。日々の業務は、利用者の健康管理、服薬管理、褥瘡の処置などが中心となり、医療の最前線から遠ざかっていく感覚に陥りました。



医療の現場に戻りたくなった場合に、ブランクになる不安は大きいです。
もちろん、高齢者看護の専門知識や認知症ケアのスキルは向上しました。しかし、ふとした時に「このままでは、もう病棟のスピードにはついていけない」「臨床の勘が鈍ってしまう」という強い不安に襲われるのです。定期的な勉強会や研修も病院ほど活発ではなく、自ら意識して学ばなければ、あっという間に知識が古くなってしまいます。将来的なキャリアを考えた時、この環境に居続けることへの危機感を覚えずにはいられませんでした。
人間関係は良い!けど緩すぎる
前職の病棟は、常に緊張感が張り詰めており、人間関係もドライで厳しいものでした。そのため、転職先の和気あいあいとした雰囲気は、とても新鮮で魅力的に感じました。スタッフ同士は仲が良く、派閥やいじめのようなものは一切ありません。しかし、その「仲の良さ」が、業務においてはマイナスに働く場面が多々あったのです。
例えば、業務上のミスや改善点があっても、なあなあで済まされてしまう風潮がありました。インシデントが起きても原因究明や再発防止策の徹底が甘く、緊張感に欠けます。向上心を持ってスキルアップを目指すというよりは、「毎日を無難に乗り切りたい」という雰囲気のため、切磋琢磨できる環境ではありませんでした。厳しい人間関係から逃れたい思いもあった転職でしたが、プロフェッショナルとして成長していく上では、ある程度の規律と緊張感が必要だったと痛感しました。
三交代制が想像以上にきつかった
転職理由の一つに「夜勤の負担軽減」を掲げていました。実際に夜勤の拘束時間は大きく減りました。しかし、勤務形態が前職の二交代制から三交代制に変わったことで、かえって身体的な負担が増す結果となったのです。
特に私を苦しめたのが、「深夜勤明け→日勤」や「日勤→深夜勤」といった、短いインターバルでの勤務シフトでした。準夜勤が終わって帰宅すると深夜になり、そこから寝て翌日の深夜勤に備えるというサイクルは、生活リズムを完全に狂わせました。仮眠時間も十分に確保されておらず、常に寝不足の状態で仕事に臨むことに。夜勤の「拘束時間」という表面的な情報だけでなく、勤務形態やシフトの組み方まで詳細に確認しなかったことを、深く後悔しています。



拘束時間が短いといえど、深夜勤明けの疲労感は二交代制の夜勤後と同等です。
| 勤務形態 | 勤務時間 | メリット | デメリット |
| 二交代制 | 日勤: 8:30-17:30 夜勤: 17:00-翌9:00 | 夜勤明けとその翌日が休みになりやすい。まとまった休みが取れる。 | 1回の夜勤拘束時間が長い(約16時間)。 |
| 三交代制 | 日勤: 8:30-17:30 準夜勤: 16:30-翌1:00 深夜勤: 0:30-9:00 | 1回の勤務時間が短い(約8時間)。 | 勤務間のインターバルが短くなりがちで、生活リズムが崩れやすい。 |
看護師の転職で後悔する人に共通する特徴


転職後に後悔してしまう看護師には、いくつかの共通点があります。ここでは、転職で後悔しやすい看護師に共通する3つの特徴を解説します。
- 勢いだけで転職活動を始めてしまう
- 一つの情報源を鵜呑みにしてしまう
- 自分の「看護師としての性格」を理解していない
勢いだけで転職活動を始めてしまう
「もう辞めたい!」という強い感情に突き動かされ、勢いで転職活動を始めてしまうのは、後悔につながる最も多いパターンの一つです。 人間関係のストレス、過重労働による心身の疲弊、給与への不満など、辞めたい理由は様々です。しかし、その「辞めたい」という気持ちが先行しすぎると、転職の本来の目的を見失ってしまいます。



勢いだけの転職活動は、自己分析や情報収集が不十分になりがちです。
なぜ転職したいのか、次の職場で何を叶えたいのかといった「転職の軸」が定まっていないため、目先の給与や休日の多さといった表面的な条件に飛びついてしまいます。その結果、入職してから「やりたい看護と違った」「職場の雰囲気が合わない」といったミスマッチが起こり、再び転職を考えることになりかねません。まずは一度冷静になり、自分のキャリアプランと向き合う時間を作ることが、後悔しないためには重要です。
一つの情報源を鵜呑みにしてしまう
転職活動において情報収集は不可欠ですが、一つの情報源だけを信じ込んでしまうのは危険です。 例えば、求人サイトには魅力的な条件が並んでいますが、それはあくまで募集を集めるための「良い側面」が強調されていることがほとんどです。逆に、匿名の口コミサイトは退職者などのネガティブな意見に偏る傾向があります。 このように、どの情報源にも発信者の意図やバイアスがかかっていることを理解し、多角的な視点で情報を集める必要があります。



後悔しないためには、複数の情報源を組み合わせて、総合的に判断することが重要です。
それぞれの情報源のメリット・デメリットは以下のとおりです。
| 情報源 | メリット | デメリット |
| 病院・施設の公式サイト | 看護理念や設備など公式で正確な情報が得られる。 | 基本的に良い情報のみで、職場のリアルな雰囲気は分かりにくい。 |
| 求人サイト・転職エージェント | 多くの求人を比較検討できる。エージェントからは内部情報が得られることもある。 | 魅力的な条件が強調されがち。エージェントの担当者によって情報の質に差がある。 |
| 知人・元同僚からの紹介 | 現場のリアルな声や人間関係など、内情を知ることができる。 | あくまで個人の主観であり、情報が偏っている可能性がある。断りにくい場合もある。 |
| 口コミサイト・SNS | 職員の「本音」に近い情報が見つかる可能性がある。 | 情報の信憑性が低く、ネガティブな意見に偏りがち。鵜呑みにするのは危険。 |
自分の「看護師としての性格」を理解していない
給与や休日などの条件面だけでなく、自分の性格と職場の特性が合っているかも、長く働き続けるためには非常に重要な要素です。 看護師の職場は、急性期病院、慢性期病院、クリニック、介護施設、訪問看護など多岐にわたり、それぞれ求められる役割や仕事のペース、患者さんとの関わり方が大きく異なります。 自分の性格的な向き不向きを理解しないまま転職先を選ぶと、大きなストレスを抱える原因となります。
例えば、以下のようなミスマッチが考えられます。
- じっくり患者さんと向き合いたい性格の人が、スピードと効率が求められる救急外来へ転職
→ 常に時間に追われ、やりがいを感じられない。 - チームで協力しながら仕事を進めたい性格の人が、一人で判断・行動することが多い訪問看護へ転職
→ 孤独感やプレッシャーに悩まされる。 - 最先端の医療知識を学び続けたいという向上心の高い性格の人が、比較的落ち着いた業務が多い療養型病院へ転職
→ 物足りなさを感じ、スキルが停滞する不安に駆られる。
転職活動を始める前に、まずは自己分析を行い、自分がどのような環境で力を発揮できるタイプなのかを客観的に把握することが大切です。 これまでの経験で「やりがいを感じた瞬間」や「苦痛に感じた業務」を書き出してみるのも良いでしょう。
看護師転職で後悔しないための性格診断


転職後に公開する原因の一つが、ご自身の性格と職場のミスマッチです。毎日働く場所だからこそ、職場の雰囲気や求められるコミュニケーションのスタイルが自分の性格に合っているかは重要です。ここでは、ご自身の性格タイプを理解し、どのような職場なら輝けるのかを知るためのヒントをご紹介します。
- 社交的な性格の看護師におすすめの職場
- 内向的な性格の看護師が輝ける職場
- 自分の性格に合わない職場を選んだ時のリスク
社交的な性格の看護師におすすめの職場
人と接することが好きで、チームで協力しながら仕事を進めることにやりがいを感じる社交的なタイプの看護師です。そんな看護師には、多くの人と関わり、コミュニケーション能力を存分に活かせる職場が向いています。常に変化があり、活気あふれる環境で能力を発揮できるでしょう。
関連記事:救急看護師がきついと言われる本当の理由7選|現場のリアル体験談も紹介
急性期病棟・ICU
緊急入院や急変が多く、常に緊張感がある職場であり、多職種との連携が不可欠です。医師や他の看護師、技師など多くのスタッフと密に連携し、スピーディーな情報共有が求められるため、コミュニケーション能力が直接患者さんの救命につながります。
外来(大規模病院)
毎日多くの初診・再診患者が訪れ、短い時間で的確なコミュニケーションが必要です。限られた時間で患者さんの不安を和らげ、必要な情報を聞き出す力が求められます。多くの人とテンポよく関わることに楽しさを感じる方に向いています。
訪問看護ステーション
利用者様やそのご家族と一対一で深く関わる仕事です。ケアマネジャーなど外部との連携も多いのが特徴です。信頼関係を築くための高いコミュニケーション能力が求められます。利用者様の生活に寄り添い、多角的なサポートをすることにやりがいを感じられるでしょう。
美容クリニック
患者様(お客様)へのカウンセリングや施術説明が中心であり、接遇スキルが重視されます。美容への関心が高いお客様と会話を楽しみながら、悩みや希望を引き出す力が活かせます。目標達成意欲が高い方にもおすすめです。
内向的な性格の看護師が輝ける職場
大人数で賑やかに過ごすよりも、一人ひとりとじっくり向き合ったり、一つの作業に集中して取り組んだりすることが得意な内向的なタイプの看護師です。静かで落ち着いた環境や、専門性を深く追求できる職場で、その能力を最大限に発揮できます。
関連記事:【体験談あり】看護師が一人でできる仕事33選!年収やメリットを徹底比較
手術室(オペ室)
患者さんとの会話は限定的であり、高い集中力と正確な技術が求められます。目の前の業務に黙々と集中できる環境です。チーム内での連携は必要ですが、役割が明確で、自分の専門性を高めていくことに集中できます。
透析クリニック
ルーティン業務が多く、治療の流れが決まっています。落ち着いた環境で、決められた業務を正確に行うことが得意な方に向いています。顔なじみの患者さんと穏やかな関係を築きながら、専門的なケアを提供できます。
健診センター・人間ドック
検査や測定など、定型化された業務が中心で、基本的に健康な方と接することが多いです。業務の流れがある程度決まっているため、自分のペースで仕事を進めやすいです。 急変対応などが少なく、精神的な負担が比較的少ない職場です。
企業(産業看護師)
社員の健康管理や健康相談が主な業務で、オフィスワークが中心です。医療現場の喧騒から離れ、落ち着いた環境で働けます。 一人ひとりの社員とじっくり向き合い、健康をサポートする役割を担います。
自分の性格に合わない職場を選んだ時のリスク
もし自分の性格と合わない職場を選んでしまうと、せっかくの転職が新たな悩みの種になりかねません。自分らしさを押し殺して働き続けることは、心身に大きな負担をかけ、早期離職につながる可能性があります。 具体的には、以下のようなリスクが考えられます。
- 精神的ストレスの増大
- 本来の自分とは違う振る舞いを続けることで、常に無理をしている状態になり、気づかぬうちにストレスが蓄積します。これが「バーンアウト(燃え尽き症候群)」の原因になることもあります。
- パフォーマンスの低下
- 自分の得意なやり方やペースで仕事ができないため、本来持っている能力を十分に発揮できません。結果として、業務効率が落ちたり、ミスが増えたりする可能性があります。
- 早期離職のリスク
- 仕事が楽しくない」「やりがいを感じられない」といった気持ちが強くなり、モチベーションを維持することが困難になります。結果的に「また転職したい」と考え始め、短期での離職を繰り返してしまう恐れがあります。
- 人間関係の悪化
- 職場の雰囲気に馴染めず、コミュニケーションがうまくいかないことで孤立してしまうケースがあります。 無理に周りに合わせようとすることで、かえって不自然な印象を与えてしまうことも少なくありません。
後悔を成功に変える!看護師の転職活動4つのステップ


勢いや目先の条件だけで転職先を決めてしまうと、後悔につながる可能性は高いです。しかし、正しいステップを踏めば、転職がキャリアをより豊かにする絶好の機会になります。ここでは、後悔を成功に変えるための具体的な4つのステップを、転職活動の流れに沿って詳しく解説します。
- STEP1:徹底した自己分析とキャリアの棚卸し
- STEP2:複数の情報源からリアルな情報を集める
- STEP3:職場見学と面接でミスマッチを防ぐ
- STEP4:内定承諾前に労働条件を再確認する
STEP1:徹底した自己分析とキャリアの棚卸し
転職活動の第一歩であり、最も重要なのが「自己分析」です。なぜ転職したいのか、転職先に何を求めるのかが曖昧なままでは、理想の職場を見つけることはできません。まずは、これまでのキャリアを振り返り、自分の強みや価値観を言語化することから始めましょう。
関連記事:看護師の転職に必須の自己分析とは?実体験から学んだ8つのステップを解説
具体的には、以下の3つの視点で書き出してみるのがおすすめです。
- Will(やりたいこと)
- 今後どのような看護を実践したいか、どんなスキルを身につけたいか、どんな環境で働きたいかなど、将来の希望を具体的に考えます。「急性期で最新の医療知識を学びたい」「患者さんとじっくり向き合える職場で働きたい」「マネジメントに挑戦したい」など、あなたの理想を明確にしましょう。
- Can(できること)
- これまでの看護師経験で得たスキルや知識、実績をすべて書き出します。例えば、「呼吸器内科で5年間の臨床経験」「プリセプターとして新人指導を担当」「BLSプロバイダー資格取得」など、具体的な経験があなたの強みになります。成功体験だけでなく、困難を乗り越えた経験も貴重な財産です。
- Must(すべきこと・求められること)
- 給与、勤務形態、休日、勤務地など、転職先に求める「譲れない条件」をリストアップします。すべての希望が叶う職場は稀です。そのため、「年間休日は120日以上は必須」「年収は500万円以上を希望するが、480万円までなら検討可能」というように、条件に優先順位と許容範囲を設定しておくことが、後悔しない職場選びの鍵となります。
この自己分析を通じて、自身の転職の「軸」が定まります。この軸がブレない限り、求人情報や周囲の声に惑わされることなく、自分に合った転職先を見つけられるはずです。
STEP2:複数の情報源からリアルな情報を集める
転職の軸が定まったら、次に行うのは情報収集です。一つの情報源を鵜呑みにせず、複数の視点から多角的に情報を集めることで、入職後のギャップを最小限に抑えることができます。
病院の公式サイトや求人サイト
公式サイトや求人サイトは、理念や規模、福利厚生、募集要項といった基本的な情報を得るのに最適です。特に、看護部長のメッセージや教育体制のページからは、病院がどのような看護師を求めているか、人材育成にどれだけ力を入れているかを読み取ることができます。ただし、これらの情報は基本的に「良い面」をアピールするものであることを念頭に置き、あくまで客観的なデータとして捉えましょう。
知人や元同僚からの紹介
その職場で働いている、あるいは過去に働いていた知人や元同僚からの情報は、非常に価値があります。給与や残業時間の実態、有給消化率、人間関係の雰囲気といった、求人票だけでは分からない「生の声」を聞ける最大のチャンスです。ただし、個人の主観が大きく影響するため、あくまで一つの意見として参考にし、複数の人から話を聞くことが望ましいでしょう。
看護師専門の転職エージェント
転職エージェントは、非公開求人を含めた多くの求人情報を保有しているだけでなく、病院の内部情報にも精通しています。キャリアアドバイザーがあなたの希望やスキルに合った求人を提案してくれるほか、面接対策や給与交渉などを代行してくれるため、忙しい中でも効率的に転職活動を進めることができます。複数のエージェントに登録し、それぞれの担当者から多角的なアドバイスをもらうことで、より客観的な視点で求人を比較検討できるようになります。
関連記事:【2025年最新】看護師が複数の転職エージェントを利用すべき5つの理由
STEP3:職場見学と面接でミスマッチを防ぐ
書類選考や一次面接を通過したら、可能な限り職場見学を申し込みましょう。自分の目で現場の雰囲気を確認することは、ミスマッチを防ぐための最も効果的な方法です。また、面接は自分をアピールする場であると同時に、職場を見極める場でもあります。「逆質問」の時間を有効に活用し、疑問や不安を解消しましょう。
関連記事:【看護師の面接対策】よくある質問と答え方のポイントを徹底解説
見学時にチェックすべきポイント
短い時間で見極めるために、事前にチェックリストを用意しておくことをお勧めします。
| カテゴリ | チェックポイント | 確認することで分かること |
| 環境・設備 | 院内やナースステーションは整理整頓されているか、医療機器は新しいか | 働きやすさ、安全性への配慮、病院の経営状況 |
| 看護師の様子 | スタッフ同士の会話や表情はどうか、挨拶は返ってくるか、年齢層や男女比はどうか | 人間関係、職場の雰囲気、チームワーク |
| 患者への対応 | 患者への言葉遣いや態度は丁寧か、ナースコールの対応は迅速か | 看護の質、理念が実践されているか |
| 全体の雰囲気 | 看護師は忙しそうに走り回っているか、落ち着いて業務ができているか | 業務量、人員配置の適切さ |
面接官の本音を引き出す逆質問
逆質問は、あなたの入職意欲を示す絶好の機会です。「特にありません」は避け、必ず2〜3つは質問を準備していきましょう。給与や待遇に関する直接的な質問は避け、仕事内容や組織文化に関する質問をすることで、仕事への熱意を伝えることができます。
関連記事:看護師面接で刺さる逆質問20選!面接官経験者が語るNG回答例
逆質問の例文
- 「入職後は、1日でも早く戦力になりたいと考えております。入職された方々が独り立ちするまで、どのような教育・サポート体制がございますか?」
- 「こちらの病棟では、どのような疾患の患者様が多く、どのようなスキルを伸ばすことができますでしょうか?」
- 「チーム医療を推進するために、看護部として特に力を入れている取り組みがあれば教えていただけますでしょうか?」
- 「子育てをしながら活躍されている看護師の方もいらっしゃいますか?両立支援の制度について、具体的な活用事例があればお伺いしたいです。」
STEP4:内定承諾前に労働条件を再確認する
「面接で聞いていた話と違う」というトラブルは、残念ながら少なくありません。内定が出たら、すぐに承諾するのではなく、必ず「労働条件通知書(雇用契約書)」を書面で受け取り、内容を隅々まで確認しましょう。



曖昧な点を残したまま入職すると、後悔の原因になります。
特に以下の項目は、重点的にチェックしてください。
- 給与
- 基本給、資格手当、夜勤手当、残業手当などの内訳。想定年収に賞与が含まれているか。
- 勤務時間
- 始業・終業時刻、休憩時間、夜勤のシフト体制(二交代制か三交代制か)、1回あたりの夜勤時間。
- 休日・休暇
- 年間休日数(120日以上が一つの目安)、有給休暇の付与日数と取得率、夏季休暇や年末年始休暇の有無。
- 業務内容
- 配属される部署や病棟、担当する業務の範囲が想定と合っているか。
- その他
- 試用期間の有無とその間の条件、社会保険の加入、退職金制度の有無と内容。
もし、口頭で説明された内容と書面に記載された内容に相違点や不明点があれば、遠慮なく採用担当者に問い合わせましょう。すべての条件に納得した上で、内定を承諾することが、後悔のない転職への最後のステップです。
転職で後悔したくない看護師におすすめの転職エージェント3選


「転職で後悔したくない」と強く思うなら、看護師専門の転職エージェントを複数活用することが成功への近道です。
転職エージェントに登録すると、看護業界を専門とするキャリアアドバイザーが担当になります。キャリアアドバイザーは、一般には公開されていない「非公開求人」や、職場の人間関係・雰囲気といったリアルな内部情報に精通しています。客観的な視点から求職者に合った職場を提案してくれるだけでなく、履歴書の添削や面接対策、さらには給与や勤務条件の交渉まで代行してくれるため、働きながらでも効率的に転職活動を進められます。
関連記事:【看護師転職エージェントおすすめ7選】年収150万円アップ&働きやすさを実現した私の成功体験も紹介!
ここでは、数ある転職エージェントの中でも特に実績が豊富で、利用者からの評判も高い3社を厳選してご紹介します。
| 看護師転職サイト | 運営会社 | 求人数 | エリア | 職種 | 雇用形態 | 特徴 | 詳細 |
レバウェル看護 | 株式会社エス・エム・エス | 約80,000件以上 | 47都道府県 | 看護師、准看護師、助産師、保健師 | 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤、夜勤専従パート、非常勤 | LINEで手軽に相談可能・職場の内部情報が豊富 | 詳細を見る |
![]() ![]() ナース専科 | レバウェル株式会社 | 約200,000件以上 | 47都道府県 | 看護師、准看護師、助産師、保健師、認定看護師、管理職 | 正社員、派遣社員、アルバイト、パート | 業界最大級の利用者数・全国対応・地域密着のサポート | 詳細を見る |
![]() ![]() | 株式会社トライトキャリア | 約46,000件以上 | 47都道府県 | 看護師、准看護師、助産師、保健師 | 正社員、派遣社員、アルバイト、パート、応援看護師 | 高給与・好条件の非公開求人が多数・面接同行サポート | 詳細を見る |
ナース専科 転職(旧ナース人材バンク)


「ナース専科 転職」は、株式会社エス・エム・エスが運営する、看護師専門の転職支援サービスです。 2005年のサービス開始以来、年間10万人以上、累計100万人以上の看護師に利用されており、業界トップクラスの実績を誇ります。 その信頼性の高さから、オリコン顧客満足度調査では3年連続で総合1位を獲得しており、多くの看護師から支持されていることがわかります。
このサービスの最大の強みは、全国47都道府県を網羅する求人ネットワークと、地域情報に精通したキャリアアドバイザーによる手厚いサポート体制です。 各地域に専任の担当者がいるため、都市部だけでなく地方での転職を考えている方にも、質の高いリアルな情報を提供してくれます。 病院やクリニックはもちろん、介護施設や訪問看護、さらには一般企業まで、幅広い選択肢の中から希望に合った求人を見つけ出してくれるでしょう。



私が実際に利用した成功体験も、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
関連記事:ナース専科 転職の手厚いサポートと口コミ|年収150万アップした成功体験
こんな看護師におすすめ
- 地方や地元での転職を考えている方
- 多くの求人の中から自分に合った職場をじっくり比較検討したい方
- 初めての転職で、実績と信頼のある大手エージェントに相談したい方
レバウェル看護(旧看護のお仕事)


「レバウェル看護」は、レバウェル株式会社が運営する看護師転職支援サービスです。 求人数は約8万件と多く、全国の求人を扱っています。



このサービスが特に評価されているのは、その手厚いサポート体制と、情報の質の高さです。
最大の特徴は、LINEを使ってキャリアアドバイザーに気軽に相談できる点です。 多忙な勤務の合間でもスムーズにやり取りができるため、働きながら転職活動を進めたい看護師から高い支持を得ています。 また、アドバイザーが実際に求人先の職場を訪問して情報収集を行っているため、人間関係や職場の雰囲気、有給消化率といった、求人票だけではわからない「リアルな内部情報」を豊富に持っていることも大きな強みです。 「給料は良いけど人間関係が最悪だった」といった転職後のミスマッチを防ぎ、後悔するリスクを大幅に減らすことができます。
履歴書の添削や面接対策はもちろん、面接にアドバイザーが同行してくれるサービスもあり、転職活動に不安を感じる方でも安心して臨めます。
関連記事:レバウェル看護は求人数・サポート・交渉力が魅力の看護師特化型転職エージェント【全サービス完全無料】
こんな看護師におすすめ
- 職場の人間関係や雰囲気を重視して転職先を選びたい方
- 丁寧なヒアリングと手厚いサポートを希望する方
- LINEで気軽に相談しながら転職活動を進めたい方
看護師ワーカー


「看護師ワーカー」は、株式会社トライトキャリアが運営する看護師専門の転職サイトです。 全国の求人を網羅しており、特に病院やクリニックの求人に強みを持っています。大きな魅力は、一般には公開されていない「非公開求人」の豊富さです。 非公開求人には、給与や休日などの条件が良いものが多く、年収アップやキャリアアップを目指す看護師にとって見逃せません。
また、サポート体制の手厚さにも定評があります。 特に「面接同行サービス」は、他のエージェントではあまり見られない特徴的なサポートです。 アドバイザーが面接に同行し、強みをアピールする手助けをしてくれたり、聞きにくい質問を代わりに確認してくれたりするため、面接が苦手な方でも安心して実力を発揮できます。さらに、給与や勤務時間といった条件交渉にも長けており、応募者に代わってより良い条件を引き出せるよう尽力してくれます。



「今よりも良い条件の職場で働きたい」「面接に自信がないのでサポートしてほしい」という看護師にとって、後悔のない転職を力強く後押ししてくれる存在です。
こんな看護師におすすめ
- 年収アップなど、より良い条件の求人を探している方
- 面接が苦手で、手厚いサポートを受けたい方
- 病院やクリニックへの転職を希望している方
まとめ


本記事では、筆者の体験談をもとに、看護師が転職で後悔しがちな5つのポイントと、後悔しないための具体的な対策を解説しました。
転職で後悔する人の多くは、「勢いだけで行動する」「一つの情報を鵜呑みにする」「自己分析が不十分」といった共通点があります。失敗を避けるためには、自身のキャリアや性格を深く理解し、複数の情報源からリアルな職場環境をリサーチすることが不可欠です。その上で、職場見学や面接を通じて、入職後のギャップを徹底的になくす努力が求められます。



転職は、看護師としてのキャリアや人生を大きく左右する重要な決断です。
一人での転職活動に不安を感じるなら、看護師専門の転職エージェントを頼るのもベストな選択です。プロの視点からキャリア相談に乗ってもらえ、一般には公開されていない求人情報や職場の内部情報を提供してくれるため、ミスマッチのリスクを大幅に減らすことができます。













コメント