「転職したばかりだけど、もう辞めたい」と悩んでいませんか?その辛さは決して甘えではありません。
本記事では、採用担当経験を持つ現役主任看護師が、早期退職すべきかの判断基準10選と、再就職で不利にならないための具体的な対策について解説します。
ryanta73わたしのこれまでの経験も踏まえ、試用期間中の退職が履歴書に与える影響や、短期離職のデメリットを最小化する面接テクニックも伝授します。
一時の感情で動く前に、まずは「今すぐ辞めるべきケース」と「改善の余地があるケース」を整理し、あなたのキャリアを守るための最適な選択肢を見つけましょう。
»【看護師の転職完全ガイド】おすすめの方法と成功のコツを採用担当者が解説
転職後すぐ辞めたい…その気持ちは普通


結論からいうと、転職直後に「辞めたい」と感じるのは、多くの転職者が経験するごく普通の心理反応です。環境が激変した中で、脳と身体が必死に適応しようとしている証拠でもあります。決してあなただけが特別に弱いわけでも、適性がないわけでもありません。
- 入職1週間〜1ヶ月が一番つらい理由
- 辞めたい=甘えではない
- まずは“感情”と“事実”を分けて整理しよう
入職1週間〜1ヶ月が一番つらい理由
入職してからの最初の1ヶ月間は、看護師としてのキャリアの中で最もストレス負荷がかかる時期の一つと言われています。



これには明確な理由があります。
看護業界ではよく知られている言葉ですが、理想と現実のギャップに衝撃を受ける「リアリティ・ショック」が最も強く現れるのがこの時期です。面接で聞いていた話と実際の現場の雰囲気が違ったり、前職では当たり前だった看護手順が通用しなかったりと、毎日が想定外の連続になります。
»看護師1年目で転職しても大丈夫?成功のコツと注意点を実体験から徹底解説!
特に転職直後の看護師が抱えやすいストレス要因を整理すると、以下のようになります。


単に業務をこなすだけでなく、新しい環境の「暗黙の了解」や「人間関係の地図」を読み解くために膨大なエネルギーを消費しているため、入職1週間〜1ヶ月目は心身ともに疲弊のピークに達しやすいです。
辞めたい=甘えではない
「まだ入って1週間しか経っていないのに辞めたいなんて、自分は甘えているのではないか」「石の上にも三年というし、もっと我慢すべきではないか」と自分を責めてしまう方は非常に多いです。
しかし、「辞めたい」という感情は、心身が発している重要なSOSサインである可能性が高いため、決して「甘え」の一言で片付けてはいけません。
特に看護師の仕事は、患者さんの命を預かるという重大な責任を伴います。もし、転職先が「医療安全を軽視している」「パワハラが横行している」「労働条件が契約と明らかに違う」といったブラックな環境であった場合、そこで無理をして働き続けるのは無謀です。
»看護師を辞めたいのは甘えじゃない!辞めるべきサインと乗り越え方を実例で解説



ブラックな環境に居続けることは、自身の看護師免許や心身の健康を危険に晒すことになります。
「合わない環境からは早く逃げる」というのは、自分のキャリアと人生を守るための立派なリスクマネジメントです。早期離職を避けるために無理を重ねて適応障害やうつ病になってしまっては、元も子もありません。
まずは“感情”と“事実”を分けて整理しよう
「辞めたい」という気持ちが強くなった時、まずは一度立ち止まって、その原因を冷静に分析することが重要です。このとき有効なのが、「主観的な感情」と「客観的な事実」を分けて書き出してみることです。
頭の中だけで考えていると、不安や恐怖といった感情が事実を歪めてしまい、正しい判断ができなくなります。以下のように、ノートやスマホのメモ機能を使って状況を整理してみましょう。
| あなたが感じていること(主観) | 実際に起きていること(客観) | 判断のポイント |
| プリセプターが怖くて質問できない | 質問すると「今忙しい」と言われるが、後で教えてくれる時間は設けられていない。 | 指導体制の不備(改善交渉の余地あり、または教育放棄) |
| 毎日怒られてばかりで辛い | 前職と違う手技を指摘されたが、マニュアルは渡されていない。 | 情報共有不足(マニュアルを確認させてもらえば解決する可能性あり) |
| このままでは医療事故を起こしそうで怖い | ダブルチェックなしで抗がん剤投与を指示された。 | 危険な医療安全管理(即退職を検討すべきレベル) |
このように書き出すことで、「単に慣れていないから辛いだけなのか(時間が解決する)」、それとも「職場環境そのものに問題があるのか(辞めるべき)」が見えてきます。感情に飲み込まれず、事実ベースで状況を捉え直すことが、後悔しない選択をするためには必須です。
看護師が転職後すぐ辞めたくなる7つの理由


ここでは、私が主任看護師として実際に相談を受けた事例や、現場で体験した「転職後すぐ辞めたくなる理由」を解説します。
- 人間関係がしんどい
- 話が違う(求人・面接で聞いた条件と現実が違う)
- 業務量と責任が重すぎる
- 体調・メンタルが限界
- 教育・フォローがない
- 価値観が合わない
- 家庭・育児・介護などライフスタイルと両立できない
人間関係がしんどい
転職直後の悩みで圧倒的に多いのが人間関係です。特に中途採用者は「即戦力」と見なされるため、新人のような手厚い歓迎を受けられないことが多々あります。
私が相談を受けた中には、前職での経験が豊富であるにもかかわらず、「ここでは新人なんだから、前の病院のやり方は忘れて」と、これまでのキャリアを全否定されるような扱いを受けたケースもありました。
私自身も、特定の「お局看護師」や派閥による無視、陰口といった、大人のいじめとも言える状況に直面し、精神的に追い詰められてしまった経験があります。



詳しくは以下の記事でも紹介しています。
関連記事:【限界寸前】看護師の人間関係がドロドロ…辞めたかった私が救われた7つの対処法
話が違う(求人・面接で聞いた条件と現実が違う)
入職前に聞いていた条件と、実際の勤務実態が大きく乖離している「条件詐欺」のようなケースも、早期離職の大きな原因です。
| 求人票・面接での説明 | 入職後の現実(よくある事例) |
| 残業は月10時間程度 | 毎日2時間の前残業と後残業が常態化しており、申請もできない雰囲気。 |
| 有給消化率90%以上 | 勝手にシフトに組み込まれて消化されるだけで、希望休は通らない。 |
| 病棟勤務での採用 | 「外来が人手不足だから」と、入職当日にいきなり異動を命じられた。 |



これまで多くの現場を経験しましたが、「最初の話と違う」と愚痴をこぼす看護師はどの現場にもいました。
このように、契約違反とも言える状況であれば、辞めたくなるのは当然の反応です。
業務量と責任が重すぎる
「経験者だからできるでしょ?」という期待がプレッシャーとなり、キャパシティを超えてしまうパターンです。
私が急性期病院に勤務していた頃のことです。まだ病棟の物品の場所も把握できていない入職1週間目の看護師が、重症患者の受け持ちを任されたり、夜勤のリーダー業務を強いられるのは当たり前でした。それでもなんとかこなす人たちの姿を見て「すごいな…」と感心していましたが、当時の本人たちは、皆いつ辞めようかとずっと考えていたそうです。
当時は特に人手不足が深刻な状況だったため、中途入職者は教育期間を省略して頭数としてカウントされていました。



安全を守れない環境は、看護師としての良心が痛む最大の要因です。
体調・メンタルが限界
新しい環境への適応ストレス(リアリティショック)により、心身に不調をきたすケースです。
「朝、出勤しようとすると動悸がする」「行きの電車の中で涙が止まらなくなる」といった症状は、放っておくと危険です。日本看護協会の調査でも、新卒看護師の退職理由のトップは「健康上の理由(精神的疾患)」であることが明らかになっていますが、これは既卒者にも同様に当てはまります。



自分の心身を壊してまで続けるべき仕事はありません。
参考:正規雇用看護職員の離職率は11.3%に/日本看護協会調査 – 労働政策研究・研修機構(JILPT)
教育・フォローがない
いまだに中途採用者に対する教育体制が整っていない職場は非常に多いです。
「見て覚えて」「マニュアルはそこにあるから読んでおいて(実は数年前の古いもの)」といった放置プレイが横行している現場では、転職者は孤立感を深めます。質問したくても全員が忙しそうで声をかけられず、独自の判断で動いてミスをして怒られる、という悪循環に陥りやすくなります。



フォロー体制の欠如は、「ここでは大切にされていない」という不信感に直結します。
価値観が合わない
病院や施設の方針(看護観)と、自分の大切にしたい看護が合わない場合も、よくある早期離職の理由です。
例えば、「利益優先で患者さんを回転させることしか考えていない」「コスト削減のために衛生材料を使い回している」といった現場を目の当たりにし、倫理的に許容できずに辞めるケースです。これは「わがまま」ではなく、看護師としての職業倫理を守るための決断と言えるでしょう。
家庭・育児・介護などライフスタイルと両立できない
面接時には「両立可能」と言われていたものの、実際には不可能だったパターンです。
「託児所完備」と聞いていたのに実際は満員で入れなかったり、委員会活動や勉強会が時間外に強制参加だったりと、生活のリズムが崩れてしまうことがあります。特に子育て中の看護師にとって、子供のお迎えの時間に間に合わないような常態的な残業は、仕事を続ける上では致命的な問題です。
転職後すぐ辞めるべき?【判断基準10個】


ここでは、採用担当や現場責任者の視点から、「今すぐ逃げるべき危険なサイン」と「改善の余地があるケース」を明確に区別するための判断基準を解説します。
- 今すぐ辞めるべきケース
- 少し準備してから辞めた方がいいケース(改善余地あり)
- 判断のための超シンプル診断(YES/NO 10問)
今すぐ辞めるべきケース
以下のケースに当てはまる場合、自分自身を守るために、早期の退職を検討すべきです。「印象が悪くなる」「転職に不利になる」といったデメリットよりも、留まることによるリスクの方がはるかに大きい状態と言えます。
①パワハラ・セクハラがある
指導の範囲を超えた人格否定、暴言、暴力、あるいはセクハラ行為がある職場は、すぐに離れるべきです。



ハラスメント関係は組織の体質や管理者の資質による問題が大きく、個人の努力では解決しません。
「まだ仕事ができない自分が悪い」と自分を責めてしまう看護師さんが多いですが、どんな理由があろうと、ハラスメントは許されるものではありません。証拠を残すことも大切ですが、身の危険を感じる場合は出勤を停止し、退職代行などを利用してでも関係を断つことが最優先です。
②明確な条件違い
入職前に提示された「労働条件通知書」や求人票の内容と、実際の勤務条件が著しく異なる場合は、労働基準法第15条に基づき、即時に労働契約を解除することが認められています。
- 給与が提示額より低い
- 基本給や諸手当が面接時の説明と違う場合は重大な契約違反です。
- 休日数が違う
- 「4週8休」と聞いていたのに実際は「4週6休」など、休みが確保されていない場合。
- 勤務時間が違う
- 日勤のみの条件だったのに夜勤を強制される、残業代が一切出ないなど。



このような「嘘の条件」で採用する職場は、職員を大切にしない傾向が強く、長く働いても不信感が募るだけです。
③医療安全に関わる
看護師免許を持つ者として、もっとも恐れるべきは「医療事故」です。以下のような職場環境は、あなたの免許と患者さんの命を危険にさらす可能性があります。
- 医師の指示なしでの医療行為が常態化している
- 人員配置基準を大幅に下回っており、安全管理が不可能
- 消毒・滅菌などの感染対策が著しく不潔
- 違法なレセプト請求(架空請求)に関与させられる
「みんなやっているから」という同調圧力に負けて不適切な行為に加担してしまうと、自分自身が法的責任を問われる可能性があります。



自分の身を守るためにも、早急に退職すべきです。
④メンタル・体調が崩れている
「出勤前になると動悸がする」「涙が止まらない」「眠れない」「食欲がない」といった症状が出ている場合、心と体はすでに限界かもしれません。これ以上無理を続けると、適応障害やうつ病を発症し、回復に数ヶ月から数年単位の時間が必要になるリスクがあります。



健康であってこその仕事です。診断書が出るレベルであれば、休職や退職を躊躇する必要はありません。
⑤退職を言い出せないほど恐怖がある
「辞めると言ったら何を言われるか分からない」「損害賠償を請求すると脅されている」といった状況で、退職を言い出せないケースです。しかし、法律上、労働者には退職の自由が保障されており、職場がそれを拒否することはできません。



ここまでひどいケースは稀ですが、少なくとも退職を伝えることへの恐怖を抱える人は多いです。
上司への恐怖で正常なコミュニケーションが取れない状態であれば、それはすでに健全な雇用関係とは言えません。第三者(退職代行サービスや弁護士、労働基準監督署)を介入させてでも、環境を変えるべき緊急事態です。
少し準備してから辞めた方がいいケース(改善余地あり)
一方で、以下のケースは「辛い」と感じていても、少し視点を変えたり行動を起こしたりすることで状況が好転する可能性があります。勢いで辞めてしまって後悔しないよう、一旦立ち止まって考える価値があります。
①業務はきついが人間関係は悪くない
業務量が多くて残業続きでも、先輩がフォローしてくれたり、人間関係が良好だったりする場合は、踏みとどまる価値があるかもしれません。業務の辛さは「慣れ」によって軽減されることが多いからです。
転職直後の1〜3ヶ月は、新しい環境や手順を覚えるために通常の倍以上のエネルギーを使います。半年ほど経過して業務に慣れれば、今の辛さが嘘のように楽になることもあります。
②部署異動・勤務形態変更で改善する可能性が高い
「急性期のスピード感についていけない」「夜勤が体に合わない」といったミスマッチの場合、退職ではなく「異動」や「働き方の変更」で解決できることがあります。
例えば、病棟から外来へ、あるいは施設内の別部門への異動を申し出ることで、人間関係も業務内容もリセットできます。大手法人であれば、辞めずに環境を変える選択肢がないか、まずは師長や看護部に相談してみましょう。
③入職直後で情報不足
入職してまだ1週間〜1ヶ月程度の場合、職場の全体像が見えていない可能性があります。「怖いと思っていた先輩が実は指導熱心なだけだった」「忙しいのは今の時期だけだった」ということもあり得ます。



入職当初はシカトされていたのに、慣れてきたら急にフレンドリーになる人もいますよね。
教育体制や業務フローについて、もう少し情報を集めてから判断しても遅くはありません。試用期間の終了までは様子を見るというのも一つの手段です。
判断のための超シンプル診断(YES/NO 10問)
今の職場を「辞めるべきか」迷っている方は、以下の10項目をチェックしてみてください。YESの数が多いほど、即座に退職すべき緊急度が高いと言えます。
| No. | チェック項目 | チェック項目 |
| 1 | 入職前に聞いていた給与・休日などの条件と明らかに違う | YES / NO |
| 2 | 暴力・暴言・セクハラなどのハラスメントを受けている | YES / NO |
| 3 | 医師の指示がない医療行為など、違法・危険な業務を強いられている | YES / NO |
| 4 | 出勤しようとすると、動悸・吐き気・涙が出るなどの身体反応がある | YES / NO |
| 5 | 不眠や食欲不振が続き、体重の増減が激しい | YES / NO |
| 6 | 職場に「この人のようになりたい」と思えるロールモデルが一人もいない | YES / NO |
| 7 | 教育担当がおらず、放置されているのにミスをすると激しく怒られる | YES / NO |
| 8 | 誰にも相談できず、職場で完全に孤立していると感じる | YES / NO |
| 9 | 3年後の自分がこの職場で働いている姿が全く想像できない | YES / NO |
| 10 | 「辞めたい」という気持ちが、患者さんへのケアにも悪影響を及ぼし始めている | YES / NO |
特に1〜5に1つでも「YES」がある場合は、あなたの心身やキャリアに重大なリスクがあります。我慢や努力で解決できる範囲を超えている可能性が高いため、早急に「退職」に向けた行動を開始するのがおすすめです。
看護師が転職後すぐ辞める前にやるべきこと


「もう辞めたい」と思ったとき、勢いのまま退職届を出すのはリスクが高いです。特に転職直後の退職は、次のキャリアに影響を与える可能性があるため、冷静な判断と準備が不可欠です。
ここでは、後悔しない決断をするために、退職を申し出る前に必ず実践すべき5つのステップを解説します。
- 状況を言語化する
- 相談先を確保する
- まずは休む(有休・病休)
- 改善交渉(部署異動・夜勤免除・業務範囲の調整)
- 次の転職の準備を先にする
①状況を言語化する
まずは、頭の中にある「辞めたい」という感情と、その原因となっている「事実」を書き出して整理しましょう。頭の中で考えているだけでは、不安や怒りが増幅してしまい、冷静な判断ができなくなるからです。
ノートやスマートフォンのメモ機能を使い、以下の表のように整理することをおすすめします。
| 項目 | 書き出し例 | 整理のポイント |
| 感情(主観) | 「先輩が怖くて萎縮してしまう」 「毎日行くのが憂鬱」 | まずは辛い気持ちを全て吐き出すつもりで書く。 |
| 事実(客観) | 「質問をしても無視される」 「求人票には残業なしとあったが月20時間ある」 | 第三者が見ても分かる「事実」だけを抽出する。 |
| 希望(解決策) | 「無視されなければ続けたい」 「残業代が出るなら許容できる」 | どうなれば辞めずに済むかを考える。 |
このように可視化することで、「自分は業務内容ではなく、人間関係に悩んでいる」「条件面さえ改善されれば続けたい」といった問題の本質が見えてきます。



上司と交渉する際や、次の転職面接で退職理由を説明する際の重要な材料になります。
②相談先を確保する
転職直後の悩みは、自分一人で抱え込まないことが重要です。ただし、職場の同僚に相談するのはなるべく避けましょう。入職直後の新人看護師が辞めたがっているという噂が広まると、さらに居心地が悪くなるリスクがあるからです。
相談先として適切なのは以下の相手です。


特にメンタルヘルスに不調を感じている場合は、厚生労働省が運営するポータルサイトなどで専門的な情報を得ることも有効です。
参考:こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)
③まずは休む(有休・病休)
「辞めるか続けるか」の判断は、心身が健康な状態でなければ正しく行えません。もし、不眠、動悸、涙が止まらないなどの症状が出ている場合は、退職を決める前に「休む」ことを最優先してください。
入職直後の場合、有給休暇が付与されていない(通常は入職6ヶ月後から付与)ケースが大半ですが、以下の方法で休むことが可能です。


「入ったばかりで休むなんて迷惑だ」と考える必要はありません。限界を迎えて突然来なくなるよりも、相談の上で休みを取り、冷静になる期間を設ける方が、組織としても対応がしやすくなります。
④改善交渉(部署異動・夜勤免除・業務範囲の調整)
「辞める」と決断する前に、一度だけ職場側に改善を求めてみるのも有効です。



私も、せっかく採用した人材には長く働いてほしいので、できる限りの調整はしたいと考えています。
具体的には、直属の上司(師長)または看護部長にアポイントを取り、以下のような交渉が可能か確認してみましょう。
- 部署異動
- 「急性期が合わないため、療養病棟や外来へ異動したい」
- 勤務形態の変更
- 「体調が整うまで日勤のみに変更してほしい」「夜勤の開始時期を遅らせてほしい」
- 教育体制の見直し
- 「プリセプターとの相性が合わないため変更してほしい」「業務の進度を少し落としてほしい」
もしこれらの要望が聞き入れられれば、退職せずに済むかもしれません。逆に、「相談しても何も変わらない」「聞く耳を持ってもらえない」という事実が確認できれば、迷いなく退職へと踏み切ることができます。
⑤次の転職の準備を先にする
経済的な余裕がない限り、次が決まっていない状態で退職するのは大きなリスクです。「早く働かなければ」という焦りから、再び条件の合わない職場を選んでしまい、早期離職を繰り返す「負のループ」に陥る看護師は少なくありません。
そのため、在職中に以下の準備を進めておくことを強くおすすめします。
- 転職サイトへの登録
- 今の自分の経歴(短期離職になること)でも応募できる求人があるか確認する。
- 市場価値の把握
- 転職エージェントに相談し、「今回の失敗をどう次の面接で伝えるか」の作戦を練る。
- 失業給付の確認
- 自己都合退職の場合、給付制限期間があるため、当面の生活費を計算しておく。
「次がある」という安心感を持つだけで、今の職場でのストレスが軽減されることもあります。辞めることはいつでもできますが、準備は在職中にしかできません。まずは水面下で情報収集を始めましょう。
それでも転職後すぐ辞めると決めたら|円満退職の手順


「もうこの職場では続けられない」と心が決まったのであれば、あとは退職に向けて淡々と手続きを進めるだけです。
ここでは、採用担当者や現場管理職の視点を踏まえ、看護師が早期離職する際に押さえておくべき手順を解説します。
- 退職を伝えるベストタイミング
- 退職理由は「一貫性」と「角を立てない」が正解
- 退職願/退職届の違いと書き方(例文あり)
- 引き継ぎはどこまで必要?
- もめそうな時の最終手段
退職を伝えるベストタイミング
退職の意思表示は、法律上は2週間前までに伝えれば良いとされていますが、円満退職を目指すなら就業規則を確認し、可能な限り職場のルールに合わせる姿勢を見せることが大切です。
特に看護業界ではシフト制で動いているため、来月のシフトが作成される前に申し出るのが鉄則です。すでにシフトが出ている場合は、勤務調整の手間をかけさせることを詫びつつ、最短での退職日を相談しましょう。
»看護師の退職理由の伝え方を徹底解説!上司に伝えるときのポイントも紹介
| 項目 | 適切な対応(OK例) | 避けるべき対応(NG例) |
| 誰に | 直属の上司(看護師長・主任) ※組織図上の直属の評価者に最初に伝える。 | 看護部長や院長へ直接言う 同僚や先輩に先に話してしまう |
| いつ | 師長の手が空いている時間帯 ※「ご相談があります」と事前にアポを取るのがベスト。 | 申し送り直後や休憩中 ナースコールが鳴り止まない繁忙時 |
| 場所 | 個室や会議室など人の目がない場所 ※プライバシーが守られる空間で話す。 | ナースステーションや廊下 更衣室などのオープンスペース |
| 切り出し方 | 「突然で申し訳ありませんが、退職させていただきたくお時間をいただけますか」 | 「辞めたいんですけど、どうすればいいですか?」 「もう無理です、明日から来ません」 |
退職理由は「一貫性」と「角を立てない」が正解
入職直後の退職理由として、正直に「人間関係が悪い」「教育体制が整っていない」と伝えたくなる気持ちは分かります。しかし、会社や上司を批判する内容は、「忍耐力がない」「他責思考だ」と捉えられ、トラブルの原因になりかねません。
円満退職のためには、「自分の力不足」や「やむを得ない事情」を理由にし、相手を責めない構成にするのが賢い選択です。また、話す相手によって理由が変わると不信感を買うため、退職理由は最後まで一貫させましょう。
- 適正・能力不足
- 「急性期のスピードについていけず、自身の力不足を痛感しました。ご迷惑をおかけする前に身を引かせていただきたいです」
- 体調不良
- 「環境の変化により体調を崩してしまい、医師からも療養が必要と言われました。業務に支障が出るため退職を希望します」
- 家庭の事情
- 「家族の介護が必要となり、夜勤や残業が難しい状況になりました。面接時と状況が変わり申し訳ありません」
退職願/退職届の違いと書き方(例文あり)
退職の意思を伝える書類には「退職願」と「退職届」があります。一般的には、まず口頭で合意を得た後に「退職願」を提出し、退職が確定した段階や、事務手続き上必要な場合に「退職届」を提出します。



ただし、入職直後の試用期間中であっても、口頭だけでなく書面で形に残すことがトラブル防止には不可欠です。
病院によっては所定の様式があるため、まずは師長に確認しましょう。手書きで作成する場合の標準的な内容は以下の通りです。
| 項目 | 書き方のポイント |
| 用紙・筆記具 | 白の便箋(B5またはA4)、黒のボールペンまたは万年筆。 ※消えるボールペンは不可。 |
| 表題 | 一行目の中央に「退職願」または「退職届」と書く。 |
| 本文(書き出し) | 行を変えて一番下に「私儀(わたくしぎ)」と書く。 |
| 退職理由 | 具体的な理由は書かず、「一身上の都合により」で統一する。 |
| 日付 | 提出する日付を書く。 |
| 署名・捺印 | 所属部署名と氏名を書き、その下に捺印する。 |
| 宛名 | 最高責任者(理事長や院長)の名前を書く。 ※宛名は自分の名前よりも高い位置に書くこと。 |
退職願の例文
令和○年○月○日
〔医療法人○○会〕
〔理事長(または院長)〕〔○○ ○○〕殿
退職願
私儀
一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたしたく、
ここにお願い申し上げます。
〔所属部署名〕
〔氏名〕 ㊞
引き継ぎはどこまで必要?
入職して数週間〜1ヶ月程度であれば、受け持っている患者さんも少なく、委員会や係の仕事もまだ任されていないケースが大半でしょう。そのため、ベテラン看護師のような膨大な引き継ぎ業務は発生しません。
しかし、「何もせずに消える」のは社会人としてマナー違反です。最低限、以下の項目は確実に完了させてから職場を去りましょう。
- 貸与物の返却
- IDカード、健康保険証、制服、ロッカーの鍵、マニュアルなど。紛失している場合は正直に申告してください。
- 記録の完了
- 自分が関わった看護記録やサマリーに未入力がないか確認します。
- 挨拶まわり
- お世話になった指導係(プリセプター)や師長には、短期間でも指導してくれたことへの感謝を伝えましょう。
もめそうな時の最終手段
残念ながら、退職を申し出た際に「損害賠償を請求する」「簡単には辞めさせない」といった脅し文句で引き止めを図るブラックな職場も存在します。



辞めさせたくないあまりに退職届を受け取ってもらえないケースもあります。
もし身の危険を感じたり、話が平行線で進まない場合は、一人で抱え込まずに外部の力や証拠を利用して自衛することが重要です。
具体的な対策としては以下が挙げられます。
- 記録を残す
- 面談時の会話をICレコーダーで録音する、または言われた内容を日時とともにメモに残す。これらはハラスメントの証拠になります。
- 内容証明郵便を利用する
- 退職届を受け取ってもらえない場合、郵便局の「内容証明郵便」を使って送付することで、法的に「退職の意思表示をした」証拠を作れます。
- 公的機関への相談
- 各都道府県の労働局にある「総合労働相談コーナー」や労働基準監督署へ相談し、アドバイスを求めます。
民法第627条では、期間の定めのない雇用契約であれば、退職の申し入れから2週間が経過すれば雇用契約は終了すると定められています。法的な知識をバックボーンに持ち、毅然とした態度で対応しましょう。
看護師が転職後すぐ辞めるデメリットと“最小化”の方法


「せっかく転職したのに、すぐに辞めてしまったら次の仕事が見つからないのではないか」と不安に思うのは当然のことです。
ここでは、具体的にどのような場面で不利になるのか、そしてそれをどうカバーすればよいのかを解説します。
- 短期離職が不利になる場面
- 職務経歴書にどう書く?(在籍が短い場合の扱い)
- 経歴に傷をつけないための考え方(“短期=悪”ではない)
- 次の職場で同じ失敗を繰り返す最大要因
短期離職が不利になる場面
看護師の転職において、入職後数週間から数ヶ月での退職(短期離職)が不利に働く主な場面は、次の転職活動です。



たしかに私も、履歴書の短い在籍期間を見るといくつかの懸念を抱きます。
採用側が抱く懸念と、それによって生じるデメリットを整理しました。
| 採用側の懸念 | 具体的なデメリット |
| 定着性の不安 | 「うちに入職しても、また嫌なことがあったらすぐに辞めてしまうのではないか」と疑われ、書類選考の通過率が下がります。 |
| ストレス耐性の疑念 | 「少しの環境変化や人間関係のトラブルに耐えられないのではないか」と判断され、忙しい部署や急性期病院などへの転職が難しくなる場合があります。 |
| 協調性の欠如 | 人間関係を理由に辞めた場合、「本人にも問題があるのではないか」と見なされるリスクがあります。 |
| コスト意識 | 採用には紹介料や教育コストがかかるため、早期退職リスクのある人材への投資を渋られる可能性があります。 |
これらのデメリットは存在しますが、これらはあくまで「懸念」です。面接や書類で「やむを得ない事情があったこと」や「次は長く働ける根拠」を論理的に説明できれば、払拭することは可能です。
職務経歴書にどう書く?(在籍が短い場合の扱い)
転職後すぐに辞めた場合、最も悩むのが「履歴書や職務経歴書にこの職歴を書くべきか」という点です。結論から言えば、たとえ試用期間中の退職であっても、履歴書には包み隠さず記載すべきです。
雇用保険や社会保険の加入履歴がある場合、次の職場で加入手続きをする際に前職の履歴が判明します。経歴詐称とみなされると、内定取り消しや懲戒解雇のリスクがあるため、「なかったこと」にするのは危険です。
»【看護師版】職務経歴書の書き方とは?書く際のポイントや施設別の書き方も解説



ただし、職務経歴書での「見せ方」には工夫が必要です。
1. 業務内容よりも「経験」や「意欲」にフォーカスする
在籍期間が極端に短い場合、具体的な業務実績(リーダー経験や委員会活動など)はほとんどないはずです。無理に業務内容を羅列するのではなく、以下のように記載しましょう。
- 研修内容
- どのような研修を受け、何を学ぼうとしていたか。
- 担当業務
- 短期間でも実際に触れた業務や、前職までの経験をどう活かそうとしたか。
- 退職理由の補足
- 職務経歴書の備考欄や自己PR欄を活用し、「なぜ早期退職に至ったか」を他責にしすぎず、前向きなキャリアチェンジであることを簡潔に添えます。
2. 「一身上の都合」だけで終わらせない工夫
履歴書には定型通り「一身上の都合により退職」と書きますが、職務経歴書の要約部分では、ポジティブな姿勢を示すことが重要です。
例えば、「入職後の条件相違により早期退職いたしましたが、貴院の理念である〇〇に深く共感し、長期的に貢献したいと考えております」といった一文を加えることで、「逃げ」ではなく「次へのステップ」である印象を与えられます。
経歴に傷をつけないための考え方(“短期=悪”ではない)
「すぐに辞めてしまった自分はダメな看護師だ」と責めてしまう人がいますが、その必要はありません。転職市場において、短期離職は確かにマイナス要素になり得ますが、それはあくまで一面的な評価です。
以下の視点を持つことで、メンタルを保ち、次の転職活動への自信を取り戻しましょう。
- ミスマッチは誰にでも起こる事故
- 求人票と実態が違う、ハラスメントが横行しているといった状況は、入職してみなければ分からない「事故」のようなものです。事故に遭った自分を責める必要はありません。
- 「損切り」という判断力
- 心身を壊してまで合わない職場に居続けるよりも、早めに見切りをつけて健康な状態で次へ進むことは、長いキャリアで見れば賢明なリスク管理と言えます。
- 失敗は次の成功のデータ
- 「自分にはこういう環境は合わない」「次はここを必ず確認しよう」という明確な基準が得られたことは、大きな収穫です。
重要なのは、短期離職した事実そのものよりも、その経験から何を学び、どう改善しようとしているかという姿勢です。
次の職場で同じ失敗を繰り返す最大要因
短期離職のデメリットを最小化するために最も重要なのは、「連続して短期離職をしないこと」です。一度なら「ミスマッチだったんだな」と理解されることも多いですが、二度、三度と続くと「本人に問題がある」と判断される確率が跳ね上がります。
次の職場で同じ失敗を繰り返してしまう最大の要因は、「焦りによるリサーチ不足」と「自己分析の欠如」です。
- 「辞めたい」が先行して焦る
- 「今の職場から逃げられればどこでもいい」という思考は危険です。給与や休日数などの表面的な条件だけでなく、職場の雰囲気や教育体制など、自分が前回つまずいたポイントを徹底的に確認しましょう。
- 自分の譲れない軸が不明確
- 「人間関係が良いところ」といった曖昧な基準ではなく、「プリセプター制度が整っている」「残業が月10時間以内」など、具体的な判断基準(軸)を持つことが大切です。
- 情報収集が求人票のみ
- 求人票は良いことしか書きません。病院見学に行く、転職エージェントを通じて内部情報を聞く、口コミを確認するなど、多角的に情報を集める手間を惜しまないでください。
「早く次を決めなきゃ」と焦る気持ちは分かりますが、同じ失敗を繰り返さないためには、一度立ち止まって「なぜ今回はうまくいかなかったのか」を冷静に分析する時間が不可欠です。
転職後すぐ辞める看護師向けの面接対策


ここでは、実際に現場で面接官も務める看護主任の視点から、短期離職後の面接を突破するための具体的な戦略と回答例を解説します。
- 採用側が見ているポイントは3つ
- 基本の型「結論→理由→学び→次はこうする」
- 【状況別】退職理由テンプレ
- 深掘り質問の返し方(「また辞めない?」への回答例)
採用側が見ているポイントは3つ
短期離職の経歴がある応募者に対して、面接官はスキルや経験以上に「人間性」や「定着の可能性」を厳しくチェックします。面接官が履歴書を見た瞬間に抱く懸念点は、大きく分けて以下の3つです。


面接官は「短期離職した事実」そのものよりも、その失敗をどう捉え、次にどう活かそうとしているかというプロセスを重視しています。
基本の型「結論→理由→学び→次はこうする」
退職理由や志望動機を話す際は、話の構成が勝負を分けます。ダラダラと言い訳をするのではなく、以下の4ステップで構成された「基本の型」に当てはめて話すようにしましょう。
短期で退職した事実を簡潔に認める。
なぜそうなったのか、環境要因だけでなく自分の確認不足なども含めて話す。
その経験から何を得たか、自分に何が足りなかったかを語る。
その反省を活かし、御社でどう貢献したいか(ポジティブな結び)。
特に重要なのは「学び」と「未来」のパートです。ここが弱いと、単なる愚痴や言い訳に聞こえてしまいます。



過去の失敗を未来の成功の糧にできていることをアピールしてください。
【状況別】退職理由テンプレ
ここでは、よくある退職理由別に、面接での具体的な回答例文を紹介します。これらをベースに、自分の状況に合わせてアレンジしてください。
人間関係が原因の場合
人間関係のトラブルは「コミュニケーションへの意欲」に変換して伝えます。特定の個人を攻撃するような発言は絶対に避けましょう。
回答例文
「前職では、チーム内での情報共有や連携が希薄な部分があり、患者様の安全を守るためのコミュニケーションが十分にとれないことに葛藤を感じておりました。私自身も、もっと積極的に働きかけて関係性を構築する努力が不足していたと反省しております。
この経験から、チームワークと報告・連絡・相談が徹底されている環境で働くことの重要性を痛感しました。貴院は多職種連携が活発で風通しが良いと伺っており、今後は自ら積極的に周囲と関わり、信頼関係を築きながら長く貢献したいと考えております。」
条件違いの場合
「残業なしと聞いていたのに毎日3時間残業があった」などの条件相違は、事実であっても伝え方に注意が必要です。「騙された」という被害者意識ではなく、「事前の確認不足」という自責の念を混ぜると印象が良くなります。
回答例文
「入職前に想定していた業務内容や勤務体制と、実際の現場に大きな乖離があり、ワークライフバランスを保ちながら責任ある業務を継続することが困難となってしまいました。入職前の職場見学や質問が不十分だった私のリサーチ不足も原因の一つだと反省しています。
そのため今回の転職活動では、長く働き続けるために自分が譲れない条件を再確認し、貴院の働き方や理念に深く共感したため志望いたしました。」
業務過多・適性ミスマッチの場合
急性期についていけなかった、などのケースです。ここでは「自分の能力不足」を素直に認めつつ、それを補うための学習意欲や、別の領域での適性をアピールします。
回答例文
「前職は超急性期の病院でしたが、スピード感と重症度への対応において、私のスキルと経験が追いつかず、チームに貢献できない状況が続いてしまいました。自分の適性を見極められなかったことが短期離職の要因です。
しかし、患者様一人ひとりとじっくり向き合う看護には自信があります。自身の強みである『傾聴』や『丁寧なケア』を活かせる慢性期・療養型の貴院で、今度こそ腰を据えて看護に向き合いたいと考えております。」
体調・メンタルの場合
体調不良やメンタル不調で辞めた場合は、現在は「業務に支障がない状態まで回復していること」を明確に伝える必要があります。



再発防止策(セルフコントロール)もセットで伝えましょう。
回答例文
「前職では、環境の変化と過度な業務量により体調を崩してしまい、やむを得ず退職いたしました。その後、十分な休養期間を経て医師からも就労可能の診断を受けており、現在は心身ともに万全の状態です。
この経験から、自身のストレスサインに早期に気づき、適切に休息を取るなどの自己管理スキルを身につけました。貴院では無理のない範囲から業務を開始し、徐々に貢献度を高めていきたいと考えています。」
深掘り質問の返し方(「また辞めない?」への回答例)
面接の終盤でよく聞かれるのが、「もしうちの病院でも同じような嫌なことがあったら、また辞めてしまうのですか?」という厳しい質問です。



これは圧迫面接ではなく、あなたのストレス耐性と問題解決能力を試すための質問です。
「絶対に辞めません」と精神論で返すのではなく、具体的な対処法を提示しましょう。
NG回答
「次は絶対に頑張ります! 我慢します!」(根拠がない)
「貴院は素晴らしい環境なので、そんなことは起きないと思います」(他責・依存的)
OK回答例
「前職での反省を活かし、もし困難な状況に直面した際は、一人で抱え込まずにすぐに主任や師長に相談いたします。また、『まずは1年間やり遂げる』『3年は技術習得に集中する』といった短期的な目標を立て、感情的な判断で退職を選ばないよう、冷静に業務に向き合う覚悟です。」
転職後すぐ辞める看護師こそ転職エージェントを使うべき理由


転職して間もない時期に退職を決意した場合、次の職場探しを自分一人だけで進めるのはリスクが高いです。短期離職という経歴は、採用側から「またすぐに辞めるのではないか」という懸念を持たれやすく、書類選考の時点で不利になるからです。
転職のプロであるエージェントを介在させることで、その不利な状況を覆し、納得のいく職場を見つけられる可能性が格段に上がります。ここでは、早期退職を検討している看護師こそ転職エージェントを活用すべき具体的な理由と、失敗しないための活用法を解説します。
- 短期離職の転職は“味方がいるか”で難易度が変わる
- 転職エージェントでできること
- 転職エージェント活用時の注意点
短期離職の転職は“味方がいるか”で難易度が変わる
入職して数週間や数ヶ月で辞めてしまった場合、ハローワークや求人サイトからの直接応募では、履歴書の「在籍期間の短さ」だけが目立ってしまい、面接にすら進めないケースが多々あります。



採用担当者は応募者の詳細な事情を知る由もないため、安全策として不採用にすることが多いのです。
ここで転職エージェントを利用すると、担当者があなたの「味方」として採用側に働きかけてくれます。単に書類を送るだけでなく、「なぜ短期離職に至ったのか」というやむを得ない事情を、第三者の視点から客観的に補足説明してくれるのです。
例えば、「人間関係が原因」という本人からは伝えにくい理由でも、エージェント経由であれば「前職では入職前の条件と実際の業務内容に大きな乖離があり、誠実に業務に向き合いたいというご本人の希望と合わなかった」といったように、ポジティブかつ納得感のある言葉に変換して伝えてもらえます。この「推薦」があるかないかで、書類選考の通過率は大きく変わります。
»看護師転職エージェント「登録だけ」でもすべき5つの理由|転職成功者が教える活用術
転職エージェントでできること
転職エージェントは求人を紹介するだけではありません。特に今回のような「短期離職後の再転職」というデリケートな状況において、提供してくれるサポートは多岐にわたります。具体的にどのようなメリットがあるのかを整理しました。
- 職場の内情確認
- 「また人間関係で失敗したくない」という不安に対し、離職率、師長の人柄、職場の雰囲気などの内部情報を事前に提供してくれます。自分では調べられないリアルな情報を得ることで、ミスマッチを未然に防げます。
- 面接対策
- 短期離職の理由は面接で必ず厳しく追及されます。ネガティブな退職理由をどのように伝えれば「反省を活かして次は長く働ける」と評価されるか、模擬面接を通して具体的な回答内容を指導してくれます。
- 条件交渉
- 足元を見られて給与を下げられそうになった際、あなたの代わりに年収や勤務条件の交渉を行ってくれます。「経験年数は十分にある」などの強みを強調し、不当な条件ダウンを防ぎます。
- 退職の助言
- 今の職場をどう辞めるか悩んでいる場合、法的な観点や過去の事例に基づいたアドバイスをもらえます。円満退職に向けた手順や、引き止めにあった際の断り方なども相談可能です。
転職エージェント活用時の注意点
転職エージェントは強力な味方になりますが、使い方を間違えると逆効果になることもあります。エージェントもビジネスであり、担当者にはノルマがあるため、場合によっては「決まりやすい(=人が定着しない)病院」を強引に勧めてくるリスクもゼロではありません。
こうした失敗を避けるためには、以下の対策を講じることが重要です。
担当者の質を見極める(担当ガチャ回避)
担当者の能力や相性には個人差があります。もし、「こちらの希望を聞かずに求人を押し付けてくる」「連絡が遅い」「短期離職を責めるような発言がある」といった場合は、遠慮なく担当者の変更を申し出るか、別のエージェント会社を利用しましょう。



自身のキャリアを守るためには、信頼できない担当者に任せきりにしないという判断も必要です。
複数登録でリスクヘッジする
1社だけに登録すると、紹介される求人やアドバイスが偏っていても気づけません。必ず2〜3社の転職エージェントに登録し、それぞれの提案を比較検討してください。これを「セカンドオピニオン」として活用することで、特定の担当者の意見に流されることなく、冷静な判断ができるようになります。
»【2025年最新】看護師が複数の転職エージェントを利用すべき5つの理由
短期離職後の転職は、看護師としてのキャリアの正念場です。一人で抱え込まず、プロの力を賢く利用して、長く安心して働ける職場を見つけ出しましょう。
転職してすぐ辞める看護師にはよくある質問


ここでは、早期退職を検討する看護師から寄せられることの多い疑問について、採用担当者の視点や法的な観点から回答します。
- 転職後1ヶ月で辞めたら次の転職は厳しい?
- 入職してすぐ辞めた職歴は履歴書に書くべき?
- 試用期間なら簡単に辞められる?
- 退職を伝えたら怒られそうで怖い
- 辞めたいけどお金が不安。先に転職先を決めるべき?
- 短期離職を繰り返さないコツは?
転職後1ヶ月で辞めたら次の転職は厳しい?
結論から言うと、転職活動の難易度は上がりますが、決して不可能ではありません。
採用側は「採用コストをかけたのにすぐ辞められた」という事実を重く受け止めるため、「またすぐに辞めるのではないか」という懸念を抱きます。ただし、退職理由が明確であり、それが「誰が聞いても辞めて当然だ」と思えるような状況であれば、情状酌量の余地があります。
早期離職後の転職活動における難易度の変化を整理しました。
| 退職までの期間 | 採用側の心理・懸念点 | 転職成功のポイント |
| 1ヶ月未満 | 忍耐力不足、衝動的な行動ではないかと疑う | 明らかなミスマッチや不可抗力の理由を論理的に説明すること |
| 3ヶ月(試用期間) | 適性の不一致、職場環境への不適応を懸念 | 前職での反省点を踏まえ、次はどう改善するか具体的に語る |
| 半年〜1年未満 | 「石の上にも三年」の価値観を持つ層からはネガティブ評価 | 一定の業務経験はあるとみなされるため、即戦力性をアピールする |



重要なのは、「前の職場が悪かった」という他責の姿勢だけで終わらせないことです。
「自分にも確認不足があった」という反省と、「次は長く働きたい」という強い意志を伝えることで、マイナス評価を覆すことは十分に可能です。
入職してすぐ辞めた職歴は履歴書に書くべき?
たとえ在籍期間が数日や1ヶ月であっても、職歴は必ず履歴書に記載しなければなりません。
「短期間だから書かなくてもバレないだろう」と考えるのは危険です。以下の理由から、次の職場で発覚する可能性が極めて高いからです。





もし履歴書に記載せず、面接でも伝えなかった場合、それは「経歴詐称」となります。
入職後に発覚すれば、信用を失うだけでなく、最悪の場合は解雇事由に該当するリスクもあります。正直に記載し、面接で事情を説明する方が、長い目で見て安全です。
»【例文多数】看護師の履歴書の書き方|現役採用担当者がポイントを徹底解説
試用期間なら簡単に辞められる?
「試用期間中だから、今日言って明日辞められる」というのはよくある誤解です。試用期間であっても労働契約は成立しているため、基本的には正社員と同じ法的なルールが適用されます。
民法第627条により、期間の定めのない雇用契約(正社員など)の場合、退職の申し出から2週間が経過することで雇用契約が終了すると定められています。



つまり、就業規則に特段の定めがない限り、法律上は最短でも2週間前の告知が必要です。
ただし、以下のようなケースでは即日退職が認められることもあります。
- 双方の合意がある場合
- 病院側が「もう来なくていい」と認めれば、その日で退職可能です。
- やむを得ない事由がある場合
- 民法第628条に基づき、心身の故障や家族の介護など、勤務継続が困難な重大な理由があれば直ちに解除できます。
- 労働条件の明示違反
- 労働基準法第15条に基づき、入職時に明示された条件と事実が異なる場合、即時に契約を解除できます。
円満に辞めるためにも、バックレ(無断欠勤のまま退職)は避け、まずは直属の上司に相談という形で切り出しましょう。
退職を伝えたら怒られそうで怖い
入職してすぐに退職を切り出す際、師長や先輩から怒られたり、嫌味を言われたりするのではないかと恐怖を感じるのは当然の心理です。しかし、少なくとも怒られるのは「辞めると伝えたその瞬間」だけです。
病院側としては、採用活動にかけた時間や費用が無駄になるため、感情的になる担当者もいるかもしれません。また、「シフトが回らなくなる」「無責任だ」と引き止めにあうことも予想されます。しかし、自分心身の健康やキャリアを守れるのは自分だけです。恐怖で言い出せずに無理をして働き続け、適応障害やうつ病になってしまっては元も子もありません。
どうしても直接伝えるのが怖い、あるいは話を聞いてもらえない場合は、退職届を郵送する、あるいは退職代行サービスを利用するといった手段も最終的な選択肢として持っておくと、気持ちが楽になるはずです。
辞めたいけどお金が不安。先に転職先を決めるべき?
経済的な余裕がない限り、原則として次の転職先(内定)を決めてから退職することをおすすめします。
特に短期離職の場合、失業保険(雇用保険の基本手当)が受給できない可能性が高いため注意が必要です。失業保険を受給するためには、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが原則だからです。



前の職場と今の職場の期間を合算することは可能ですが、もし空白期間があったり、加入期間が不足していたりすると、退職後の収入が完全に途絶えてしまいます。
ただし、すでに体調を崩している場合や、ハラスメントで精神的に限界な場合は、健康を最優先してください。傷病手当金の申請など、別のセーフティネットが使える可能性があります。
参考:ハローワークインターネットサービス – 基本手当について
短期離職を繰り返さないコツは?
「次こそは長く働きたい」と考えるなら、勢いで転職先を決めず、慎重に情報収集を行う必要があります。短期離職を繰り返してしまう最大の要因は、「自分の希望条件」と「職場の実態」のミスマッチです。
同じ失敗を避けるために、次の3つのステップを徹底しましょう。
なぜ辞めたくなったのか、「人間関係」なのか「業務量」なのか、自分が絶対に譲れない条件を明確にする。
面接だけでなく、実際に現場を見学させてもらい、スタッフの表情や忙しさを肌で感じる。
自分一人で求人を探すと視野が狭くなりがちです。看護師専門の転職エージェントなどを活用し、求人票には載っていない「内部事情」や「離職率」を確認してもらう。
焦って次の職場を決めると、また同じ理由で辞めたくなるリスクが高まります。一度立ち止まり、プロのアドバイスも借りながら、自分が納得できる職場を探すことが重要です。
まとめ


転職後すぐに「辞めたい」と感じるのは決して甘えではありません。入職直後の違和感が、パワハラや重大な条件相違といった決定的な事実に基づく場合、無理に続けるよりも早期に見切りをつけることが、あなたのキャリアと心身を守る最善手となることもあります。
短期離職にはデメリットも伴いますが、退職理由を論理的に整理し、適切な面接対策を行えば、次の職場で活躍するチャンスは十分に掴めます。一人で悩まず、転職エージェントなどのプロも頼りながら、まずは自分自身を大切にする選択をしてください。



あなたらしく働ける場所は必ず見つかります。











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