- 看護師として自己PRを書く方法がわからない
- 自分の強みをうまく伝えられない
- 自分の強みがわからない
希望する応募先に採用されるためには、自己PRを書く必要があります。しかし、採用担当者に伝わるように自己PRを書いている人は少ないです。この記事では、看護師の自己PRの書き方や書くときのポイント、自己PRの例文について解説します。
記事を読んで実践すれば、他の応募者と差別化でき、採用担当者に自分の強みを明確にアピールできます。ぜひ内容を参考にして、自己PRを作成してください。
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看護師の自己PRの書き方
自己PRをすぐに書こうとしても、うまく書けません。自己PRをうまく書くためには、準備が必要です。以下の3つのポイントを考えて、自分の強みを書き出しましょう。
- 自分の強みを洗い出す
- 強みの根拠となるエピソードを考える
- 強みが応募先でどのように生かせるか考える
自分の強みを洗い出す
自己PRの最初のステップは、自分の強みを洗い出すことです。強みは、自分が得意とするスキルや好きなこと、過去の経験で成功した事例を参考にしましょう。強みを洗い出す際は、以下の2点を意識してください。
- 箇条書きにする
- 動詞で考える
強みは動詞で考えましょう。「リーダーシップがある」は「リーダーシップを発揮して、チームで決めた目標を成し遂げることが好き」のように書きます。強みは、自分の好きなことと関係している場合が多いです。
できるだけ多くの好きなことを箇条書きにしてください。
強みの根拠となるエピソードを考える
強みを示すためにはエピソードが必要です。過去にどのようにして強みを発揮し、もたらした結果を考えます。実際にチームをまとめた方法や目標を達成した経緯を説明できると、採用担当者に好印象を与えられます。
強みに根拠を持たせるエピソードを考える際は、状況や行動、結果を明確にしてください。特に、困難な状況を解決したエピソードは、問題解決能力が高い人材として高い評価が得られます。
強みを応募先でどのように生かせるか考える
自分の強みが応募先でどのように生かせるかを考えます。応募先の求める要件は、必ず確認してください。看護師を採用する際、採用担当者が求める主な能力は、以下のとおりです。
- コミュニケーション能力
- 判断力
- チームワーク能力
- 柔軟性と適応力
- 自己管理能力
- 専門的な知識や技術力(認定看護師など)
応募先で必要とされている能力に合致する強みをアピールできると、採用率が高くなります。看護業務の効率化に貢献できるかも重要です。業務フローの改善や新しいツールの導入などで効率化を図ると、日々の業務がスムーズに進行します。教育研修プログラムのサポートや新人教育ができる場合はアピールしましょう。
看護師の自己PRを書くときのポイント
自己PRを書く際のポイントは、以下の6つです。
- 志望動機と被らないようにする
- ネガティブな内容を書かない
- オリジナリティを持たせる
- 空白を作らない
- 例文をコピペしない
- アピールポイントは1つに絞る
志望動機と被らないようにする
自己PRと志望動機は、伝える内容や採用担当者の見るポイントが異なるため、明確に区別して書く必要があります。自己PRと志望動機の違いは、以下のとおりです。
自己PR | 志望動機 | |
伝える内容 | 職場にどのような貢献ができるのかをアピール | 職場で働きたい理由を伝える |
書く際のポイント | 自分の強みをエピソードを交えて説明し、 職場にどのように役立つかを強調 | 職場の魅力を詳しく述べ、 職場で成し遂げたい目標やビジョンを示す |
自己PRと志望動機の内容が重複しないように注意しましょう。
ネガティブな内容を書かない
自己PRでネガティブな内容は書かないようにしてください。ネガティブな内容は、採用担当者に悪い印象を与えます。ネガティブな内容をポジティブな内容に変換する表現例は、以下のとおりです。
ネガティブな表現 | ポジティブな表現 |
前の職場では協力が得られず苦労した | 協力を得るためにコミュニケーション能力を高めた |
緊急時の対応が遅い | 状況を的確に判断し、冷静な行動を心がけている |
多くの患者への対応が苦手 | 一人ひとりの患者に対して丁寧なケアを心がけている |
失敗が怖い | 失敗から学び、より良いケアを提供する姿勢を持っている |
自己PRの目的は、自分の強みが職場にどのように貢献できるのかを伝えることです。ネガティブな内容を避けると、自己PR全体がポジティブになります。採用担当者にポジティブな印象を与える自己PRを心がけてください。
オリジナリティを持たせる
自己PRでは、オリジナリティも重要です。他の応募者が同じような強みや経験をアピールしている中で、オリジナリティを持たせると差別化できます。自己PRをオリジナリティにするためには、以下のような内容を意識してください。
- 自分の経験をエピソードにする
- 看護師としての信念や価値観を伝える
- 応募先のニーズにあった提案をする
- 自分の強みを生かした目標を伝える
どこにでもあるようなオリジナリティのない自己PRは、採用担当者にマイナスな印象を与える可能性があります。
応募する病院や施設の特徴を調査し、自分がどのように貢献できるかを述べると、他の応募者と差をつけやすいです。応募する病院や施設でどのように成長し、どのような目標を達成したいのかを示しましょう。自己PRで目標を示す人は少ないため、他の応募者と差別化できます。
空白を作らない
自己PR欄が空白だと、採用担当者に自己アピールができていないと判断される可能性が高いです。自分の強みや貢献できるスキルを適切に伝えましょう。空白を作らないためには、以下の3点を意識してください。
- 自己PRのエピソードを記載する
- 数字やデータを用いる
- 一貫性を持たせて文章全体を統一する
職場での経験やスキルを記載し、応募先で生かせるポイントを明確にしましょう。
余白が目立つ履歴書は、意欲がないと判断される原因になります。
例文をコピペしない
ネット上にある自己PRの例文は参考になりますが、転載はおすすめしません。採用担当者に見抜かれる可能性が高く、自分の強みが伝わらない可能性があります。例文はあくまで参考にとどめて、自分の経験やスキルに基づいた内容を書きましょう。
例文の構成や伝え方を理解し、自分に合う形で応用すると、独自の表現がしやすいです。
自分の経験やスキルを整理し、アピールする強みを決めましょう。強みはエピソードに基づいて自分の言葉で表現してください。自分の強みが応募先でどのように役立つかを書くことも重要です。
アピールポイントは1つに絞る
自己PRのアピールポイントは、1つに絞りましょう。多くの強みをアピールすると、1番伝えたいアピールポイントが不明確になります。アピールポイントを絞るためには、以下の内容をチェックしてください。
- 自分の経験に基づいているか
- 応募先が求めるスキルに合っているか
- 深掘りできているか
アピールポイントは1つに絞り、採用担当者に強い印象を与えましょう。
【経験別】看護師の自己PRの例文
採用担当者に自分の強みを理解してもらうためには、経験やスキルをアピールする必要があります。経験別に応じた自己PRの例文を紹介します。
新卒の場合
新卒看護師として自己PRを書く際は、臨床実習や大学で学んだ経験を強調しましょう。実習で得た技術や、大学で得た知識を以下の内容を押さえて書くと、採用担当者に強い印象を与えられます。
- チームワークとコミュニケーション能力
- 患者への思いやりや優しさ
- ストレス耐性や問題解決能力
- 新しい環境への適応力と柔軟性
「実習ではチーム医療の一員として経験を積みました」と書くと、コミュニケーション能力をアピールしやすいです。適応力を強調するには「常に新しい知識を吸収し、先輩方のアドバイスを受けながら成長したいです」などが適しています。志望する病院やクリニックの理念に共感する理由を付け加えることも効果的です。
未経験の場合
未経験で看護師を目指す場合、過去の職務経験や得たスキルをどのように看護業務に生かせるかを伝えてください。看護師を選んだ動機を書いたり、学びへの姿勢と成長意欲を伝えたりすると、採用担当者に良い印象を与えられます。
「接客業を通じて多様なお客様と接し、適切な対応力を身につけました」といった書き方は、前職のスキルを強調するのに最適です。学びへの姿勢を示すには「経験ながらも成長し続けたいと考えています」などと書きましょう。過去の職務経験から得たスキルを看護師業務に関連づけて適性をアピールする方法も有効です。
ベテランの場合
ベテラン看護師として自己PRを作成する場合には、豊富な経験やスキルをアピールしましょう。特に、リーダーシップや後輩指導、複雑な医療現場での対応能力などの積み上げてきた実績を述べると、説得力が増します。柔軟な対応力や、チームでの役割もアピールポイントです。
「ICUでの経験が長く、重症患者への対応には自信があります」と書くと、経験から培ったスキルを効果的にアピールできます。「新人看護師の教育プログラムも作成しました」といった経験は、多様なスキルの強調に有効です。
ベテラン看護師としての経験をアピールし、自分の強みや役割を明確にしましょう。
ブランクがある場合
看護師としてのブランクがある場合、ブランク期間中の経験や学び、復職への意欲をアピールしてください。ブランクがあっても看護スキルが失われていない点や、復職後のキャリアへの前向きな姿勢を伝えます。ブランクの間も知識の向上に努めていた場合には、取り組んだ内容を示しましょう。
育児でブランクがある場合には「育児を通して人を支える経験を積んできました」といった表現が効果的です。前職の経験とブランク中に培った知識を生かして貢献したいと伝えましょう。ブランクを前向きに捉え、自己成長の一環として示すことがポイントです。
【施設別】看護師の自己PRの例文
看護師の自己PRでは、応募する施設によって強調するスキルや経験が異なります。病院やクリニック、訪問看護、企業での看護師の自己PR例を紹介します。施設に適したアピールポイントを理解して、自己PRを作成しましょう。
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病院
病院では急性期から回復期、終末期に至るまで幅広い医療ニーズに対応する必要があります。チーム医療の一員として、患者一人ひとりに対する対応力も欠かせません。多忙な病院で働くためには、ストレス耐性や素早い判断力も必要です。病院向けの自己PRを作成する際は、以下のような項目を参考にしてください。
- 多様な疾患への対応経験
- 自分の専門分野の知識やスキル
- コミュニケーション能力
- 学習意欲や資格取得の意欲
- ストレス管理や自己ケアの方法
- 時間管理や業務改善の提案実績の紹介
- 臨床経験
患者に対してどのような姿勢で対応してきたかを示してください。医師や他職種のスタッフとのコミュニケーションへも重要です。現場での対応力やチーム医療での協調性、ストレス耐性とメンタルケアのスキルをアピールしましょう。
クリニック
クリニックは、病院とは異なる環境で患者と密接に関わるため、信頼関係の構築が求められます。病院と比べてスタッフ数が少なく、業務量も多いです。クリニックで、自己PRを作成する際に強調すべきポイントは以下の3点です。
- コミュニケーション能力
- 多岐にわたる診療経験
- 効率的な業務処理能力
クリニックでの勤務への適性を示すには、さまざまな内容の業務に携わってきた経験を伝えるのが有効です。「診察前のカウンセリングに力を入れていました」などと書くと、患者に対する姿勢をアピールできます。コミュニケーション能力や幅広い業務への柔軟な対応力、地域医療への貢献意欲を強調すると効果的です。
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訪問看護
訪問看護では、患者の自宅に出向いて医療やケアを提供します。病院やクリニックと違い、患者の家族とも密接に関わりながらケアを行うため、幅広いスキルや判断力が求められます。患者や家族との関わりが長期間続く場合もあるため、信頼関係の構築も重要です。訪問看護の自己PRでは、以下のポイントを強調しましょう。
- 緊急時の対応力と判断力
- 家族とのコミュニケーションスキル
- 他職種との連携能力
- 医療機関との連携能力
- 継続的な学習と自己研さん
訪問看護は患者の自宅で1対1の対応となるため、緊急時の対応能力は欠かせません。訪問看護の自己PRでは、緊急時に対応した経験を記載すると、採用担当者に即戦力としてアピールできます。「日常生活の動作訓練も行えます」など、多様なスキルをアピールしましょう。
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企業
企業での看護師業務は、一般的な医療現場とは異なり従業員の健康管理やメンタルケア、産業保健活動が中心です。看護師としてのスキルだけではなく、企業特有の業務への適応力や他職種との連携能力、健康維持・増進の知識が求められます。企業の看護師として強調すべき自己PRポイントは、以下のとおりです。
- プロジェクトマネジメント
- 教育研修の経験
- 健康管理プログラムの立ち上げ
- スタッフへの教育活動
- 業務効率化の実績
企業では、ビジネス的な視点やマネジメント能力も重要視される場合があります。管理職などの役職の経験があれば自己PRに含めてください。企業は、利益を重視することが多いです。社員の健康が生産性に与える影響を自己PRで伝えられると、採用担当者からの評価も上がります。健康経営に関する知識も高めましょう。
まとめ
看護師の自己PRの書き方について解説しました。自己PRは、書き方によって採用担当者に与える印象が変わります。採用担当者に良い印象を与えるために重要なポイントは、以下の5点です。
- 自分の強みを明確にする
- 強みをエピソードで裏付ける
- 応募先で生かせる方法を示す
- オリジナリティを持たせる
- アピールポイントは1つに絞る
5つのポイントを意識して、自己PRを作成すれば、採用担当者に強みをしっかりと伝えられます。作成した自己PRを客観的に見直し、強みが効果的に伝わっているかを確認しましょう。自分の強みが応募先に貢献できることを自信を持ってアピールしてください。
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